東松島市
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04:宮城県
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東松島市
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2012年度
2011年度
2010年度
人口の推移
財政比較分析表(2019年度)
財政力
財政力指数の分析欄
東日本大震災前の基準まで回復しつつある市税増の影響により、分子となる基準財政収入額が2.3ポイント増加し、分母となる基準財政需要額は、合併特例債償還費の増等で1.4ポイント増加し、全体で前年度比0.2ポイントの増となったが、財政力指数は依然として、全国・県平均を下回っている。今後は、復興需要の減や、コロナウィルスによる税収の減も想定されるが、行政改革による事務事業の見直しに基づく効率的な管理運営等、義務的経費の削減に努め、国県支出金に依存しない財政運営を目指し、より一層の財政基盤強化に努めていく。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
分母に当たる歳入経常一般財源等は、市税等の経常一般財源が増となったことで1.2ポイント増となっていはいるものの、公債費の増等により、分子に当たる歳出経常一般財源が総額で2.5ポイント増となり、経常収支比率が悪化している状況である。県・全国平均は下回っているが、今後は施設の老朽化や、会計年度任用職員制度による人件費の増、合併算定替の終了による普通交付税額の減により、さらなる財政の硬直化も想定される。今後とも義務的経費については、行財政改革実施計画のもと削減に努め、財政構造の弾力化を図る。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
前年度は類似団体を下回ったが、今年度は再び上回った。これは、特に物件費の増が挙げられ、主に令和元年度に発生した台風19号による委託料の増等が考えられる。しかし来年度以降は、復旧・復興にかかる職員人件の減により、全国平均に近い数値になると想定される。一方で、復旧・復興にかかる管理物件の増による、やむを得ない維持管理費等の増も見込まれるが、引き続き行財政改革の一環として事務事業の見直しに努め、「東松島市公共施設等総合管理計画」による公共施設の統廃合を進め、管理経費の削減により市民1人当たりのコスト低減を図る。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
表中令和01の94.2は、令和2年4月1日現在のものであり、これは課長補佐・係長制度の導入により職員分布が変わったことで、中堅層の昇格によることが主な要因として挙げられる。数値は上昇したものの、依然として類似団体内平均、全国市平均をともに下回っており、引き続き、給与体系については、今後も国の人事院勧告等を踏まえながら、給与体系の見直し、給与の適正化に努めていく。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
現状としては、震災以前は定員適正化計画に基づく、新規採用の抑制により職員数の削減を図ってきたが、震災以降、復旧・復興に係る業務への対応のため、職員数を増員している状況である。例年ほぼ横ばいではあるものの、震災復興期間終了後の令和3年度以降については、震災関連職員が徐々に減る見込みであり、全国平均値に近づくことも想定される。しかし、震災関連物件の増加により、マンパワー不足が懸念されるが、復興の進捗状況に応じ住民サービスに支障をきたすことがない範囲での職員数の適正管理を図っていく。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
前年度から0.2ポイント減少したが、これは、準元利償還金算入額の減や石巻広域行政事務組合への公債費負担金の減等により、平成28年度と比較し令和元年度が減少し、3カ年平均が減となったためだが、前年度と単年度比較した場合は、経常一般財源の標準税収入額、普通交付税、臨時財政対策債発行可能額は対前年度対比0.1ポイントの増に対し、一般会計元利償還金は前年度比15.4ポイント増加し、単年度の実質公債費比率は約2.0ポイント増となり、今後は3ヶ年数値も悪化する可能性があるため、できる限り地方債発行を控え、当比率上昇の抑制に努める。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
前年度に引き続き、当該指標については発生していない。しかし、徐々に、公共施設の改修等により、以前よりも増して地方債を発行せざるを得ない状況が想定され、基金の取り崩しによる、充当可能財源の減少も考えられる。さらには、合併特例債が発行限度額に近づきつつある状況であるため当該比率の適正化維持のため、起債対象事業の優先度、緊急性を考慮し、出来る限り新たな地方債の発行を抑制し、発行する際は交付税措置の高いものを優先し、将来世代への負担が増えないよう財政運営を行っていく。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2019年度)
人件費
人件費の分析欄
前年度比0.7ポイント増加したが、主な増要因は、プロパー職員数の増等が挙げられる。なお、依然として類似団体内・全国・県平均を下回っているのは、震災以前より定員適正化計画に基づく職員数の削減及び行財政改革の一環による各種業務の外部委託や公共施設の指定管理により人件費が抑制されていることが理由として考えられる。今後は東日本大震災からの復旧・復興事業の進捗状況を考慮しつつ、定員の適正管理に努める。
物件費
物件費の分析欄
昨年度比0.1ポイントの減であり、依然として類似団体・全国・県平均を下回る結果となっている。しかし、復旧・復興事業の普通建設事業による市管理物件の増加や施設の老朽化等で、やむを得ず増加していくものと想定される。一方で、増加した部分については人件費から指定管理等へのシフト部分等もあるため、他費用との増減関係を勘案し、行財政改革のもと、費用対効果の高い効率的な運営に努める。
扶助費
扶助費の分析欄
前年度比0.8ポイントの増となっている。これは主に児童扶養手当や生活保護費の増等によるものであり、年々増加傾向にある。さらに、老人福祉費においても高齢化により一層増加していくものと考えられる。なお扶助費については、高齢化により今後も増化していくものと想定され、さらに景気に左右されやすい側面があるが、国の政策の動向を注視しながら、各種制度の適切な運用に努める。
その他
その他の分析欄
昨年度比0.2ポイントの増で、主な要因は、操出金にかかる一般財源充当額の増であり、これは、石巻広域水道企業団公債費負担金の増が主な要因と考えられるが、今後は高齢化により社会保障関連操出金の増加が見込まれる。維持補修費は微減だが、施設の老朽化により今後は増加が想定されるため、「東松島市公共施設等総合管理計画」に基づく施設の統廃合や遊休財産の売払いを行い、維持管理経費の削減に努める。
補助費等
補助費等の分析欄
昨年度比0.3ポイント減だが、依然として全国・県平均を上回っている。これは、税収の増等で分母となる経常一般財源が増え、分子となる経常一般財源で大きな割合を占める広域行政事務組合負担金等の減少が要因として考えられる。なお、扶助費と同様今後は高齢化の影響での増加が想定されるため、引き続き「東松島市行財政改革実施計画」に基づき、必要性、公平性、有効性の観点から補助費の見直しと経費縮減に努める。
公債費
公債費の分析欄
前年度比0.7ポイントの増となっており、これは、合併特例債にかかる償還額の増が要因として挙げられる。なお、今後は、公共施設改修等による公債費の増が見込まれ、さらには、合併特例債が発行限度額に近づきつつある。今後とも地方債の発行に関しては財政規律を維持しながら計画的に事業を実施し、できる限り財政措置のない資金手当としての地方債発行は控えていき、公債費の減を図っていく。
公債費以外
公債費以外の分析欄
今年度は市税の増等により、分母である歳入経常一般財源等総額が増加したが、一方で、人件費及び扶助費、公債費にかかる一般財源所要額等の増加により、分子である歳出経常一般財源は増となり、類似団体平均よりも比率が悪化した状態となった。今後も合併算定替の終了による普通交付税額の減等により、当該比率の悪化が懸念されるが、限られた財源のなかで、歳出の抑制を図りながら健全な財政運営に努める。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)
議会費
労働費
消防費
諸支出金
総務費
農林水産業費
教育費
前年度繰上充用金
民生費
商工費
災害復旧費
衛生費
土木費
公債費
目的別歳出の分析欄
東日本大震災の影響により主にインフラ系の費用より構成されている農林水産業費・土木費・教育費・災害復旧費においては東日本大震災からの復旧・復興事業の影響により類似平均団体を大きく上回っている状況が続いているが、令和3年度以降は類似団体平均値に近づくものと見込まれる。総務費が増加しているのは、東日本大震災復興交付金返還金によるものであり、これも復興期間が終了し、事業精算が完了次第減少していくものと思われる。消防費が増加しているのは、消防署新築工事によるものであり、令和2年度完了のため、それ以降については前年度数値に近づくものと考えられる。他費用においては、概ね類似団体平均値を下回ってはいるものの増加傾向にあるものも見受けられる。今後は社会保障関連等により民生費をはじめとした費用の増加が見込まれることから、財源確保対策や事務事業の十分な精査を通じて適切な財政運営に努めていく。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)
人件費
補助費等
災害復旧事業費
投資及び出資金
物件費
普通建設事業費
失業対策事業費
貸付金
維持補修費
普通建設事業費(うち新規整備)
公債費
繰出金
普通建設事業費(うち更新整備)
積立金
前年度繰上充用金
性質別歳出の分析欄
歳出決算総額は、一人当たり905,620円(前年度904,810円)、復旧・復興事業においては一人当たり470,070円(前年度411,037円)となった。これは、東日本大震災からの復旧・復興事業においては、復興状況の進捗による事業規模の縮小に伴うもので、普通建設事業費と災害復旧費は類似団体平均値を大きく上回ってはいるものの、年々減少傾向にあり、令和3年度以降は現在の乖離状況が概ね解消されるものと見込まれる。補助費等が増加しているのは、東日本大震災復興交付金返還金によるものであり、これも復興期間が終了し、事業精算が完了次第減少していくものと思われる。普通建設事業費(うち更新整備)や操出金が増加しているのは、東日本大震災大震災復興交付金事業によるものであり、これも、今後減少していくことが見込まれる。物件費が増加しているのは、復興事業により災害公営住宅等の管理物件が増えたことによる維持管理経費の増によるのもで、今後は経年により維持補修費も増加していくことが想定される。公債費が増加しているのは、合併特例債の増によるものであり、来年度以降は前年度に近い数値となっていくものと考えられる。
実質収支比率等に係る経年分析(2019年度)
分析欄
財政調整基金残高は、令和元年度は前年度より0.72ポイント上昇し、横ばいの状況となってる。実質収支が増加しているのは、主に震災対応事業の歳出不用によるものと考えられ、大部分は翌年度以降に国へ返還しなければならないものと見込まれる。実質単年度収支がプラスに転じた要因は、実質収支の増加と、財政調整基金残高が増加したことが挙げられる。
連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2019年度)
分析欄
本市の連結実質赤字率について、各年度を通して全会計とも赤字は発生していない。一般会計の実質収支が増となった主な要因としては、定額運用基金である土地開発基金の東日本大震災関連分を精算し、500百万円を財政調整基金に振り替えたことが挙げられる。他にも東日本大震災に係る復旧・復興関連予算による不用額により増加したことも考えられるが、その部分については大部分が国へ返還しなければならないものと見込まれる。下水道事業特別会計・農業集落排水事業特別会計・漁業集落排水事業特別会計において、実質収支が増となった要因としては、法適用の下水道事業会計への移行に伴い、令和2.3.31での打ち切り決算となったため、一時的に増加したもので、来年度以降は前年度に近い数値になるものと見込まれる。国民健康保険・介護保険特別会計・後期高齢者医療特別会計においては各々増減はしているものの、前年度以前に近い範囲での推移に留まっている状況である。今後は社会福祉関連経費や施設の老朽化により支出が増えていくことが想定されるが、一般会計を含むすべての会計において、健全な財政運営に務めていくものとする。
実質公債費比率(分子)の構造(2019年度)
分析欄
実質公債費率(分子)の構成要素に占める割合が大きな元利償還金の増は、主には合併特例債償還金の増によるものであり、連動して算入公債費等も増加している。実質公債費比率の分子が増加した要因としては、合併特例債元金償還金が増加したことによる、参入公債費等の裏負担分(地方負担分)が増加したことと、交付税措置のない地方債発行額の増によることが主な要因として挙げられる。本市における主な地方債となっている合併特例債は、発行限度額に近づきつつあるが、できる限り地方債の発行抑制及び、より交付税措置の高い地方債を優先的に発行するよう努める。
分析欄:減債基金
本市においては満期一括償還地方債の発行をしていないため対象外となる。
将来負担比率(分子)の構造(2019年度)
分析欄
一般会計等に係る地方債の現在高が減少した要因は、主には合併特例債償還金の増によるものであり、連動して基準財政需要額参入見込額も減少している。債務負担行為に基づく支出予定額の減少は、主に復興関連工事の減少に伴うものであり、令和3年度以降は震災前の水準に近づくと見込まれる。公営企業債等繰入見込額が減少した理由としては準元利償還金算入額の減や石巻広域行政事務組合公債費負担金が減少していることが挙げられる。充当可能基金が減少した要因としては、公共施設の改修等による取崩しが考えられ、今後取崩額が増加することも想定される。今後は、やむを得ない地方債の発行や基金の取崩しが想定されるが、できる限り将来負担に配慮した財政運営に努める。
基金残高に係る経年分析(2019年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)財政調整基金については関連基金の精算等により微増となり、減債基金においては、満期一括償還対応で取崩したため減額となっている。特目基金については主な減額要因としては、東日本大震災復興交付金事業基金及び東日本大震災復興基金が減少したことによるもので、これは東日本大震災における復興の進捗によるものであり、東日本大震災復興交付金事業基金については、令和2年度で基金廃止となる見込みである。(今後の方針)復興関連の基金残高は減少していく見込ではあるが、少子高齢化や老朽化による施設の改修等により、今後は取崩しが増えていくことが見込まれる。限りある基金を有効に活用するためにも、行政改革による事務事業の見直しに基づく効率的な管理運営等、義務的経費の削減に努め、各種基金の適正な管理に努める。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)財政調整基金は前年度比較で増とはなったが、主な増要因としては、定額運用基金である土地開発基金の東日本大震災関連分を精算し、500百万円を財政調整基金に振り替えたことが挙げられる。他にも東日本大震災に係る復旧・復興関連予算による不用額により増加したことも考えられるが、その部分については大部分が国へ返還することとなる。(今後の方針)東日本大震災に係る復旧・復興期間の間は、精算に伴う財源調整的な役割を持っていくものと考えられる。一方で、本市の財政規模からは、1,000百円程度の金額維持が必要であると考えており、現時点で上回っているようにも見えるが、上記で説明した通り復旧・復興関連による部分もあり、さらに今後は社会法関連経費の増や震災後の新たな施設の維持管理費への対応が見込まれるが、それらの将来的な財政負担に備えて、今後とも残高の確保に努めていく。
減債基金
減債基金
(増減理由)令和元年度は、満期一括償還による償還があり、突出平準化のため、当該基金の取崩しを行っている。(今後の方針)今後も、満期一括償還による償還があるため、償還負担額の平準化のため、当該基金の取り崩しを検討していく。また、施設の老朽化に伴う改修等により、地方債の発行が増加する可能性もあるため、当該基金の適切な運用を図りながら健全な財政運営に努めていく。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)・東日本大震災復興交付金事業基金:東日本大震災復興特別区域法第78条第1項に規定する復興交付金事業等に要する経費の財源に充てる・市営住宅基金:市営住宅及び共同施設の整備、修繕、改良等に要する費用並びに地方債の償還に要する費用に充てる・公共施設整備及び大規模改修基金:東松島市公共施設の整備及び大規模な改修に要する経費の財源に充てる・まちづくり基金:市内の各地域自治組織が協働のまちづくりを推進するために行う事業に交付する交付金等の財源に充てる(果実運用型)・防災基金:災害に強い安全なまちづくりを推進し、かつ、大規模災害発生時の避難、復旧及び復興経費等に充てる(増減理由)当該基金のうち大きく減少した基金としては、東日本大震災復興交付金事業基金があり、これは、震災からの復旧・復興事業の進捗によって減少したものであり、取崩額の一部は国への返還金となっている。また、公共施設整備及び大規模改修基金が減少傾向にあるが、これは東日本大震災復旧・復興事業のために、一時的に当該基金から立替えが生じているため、事業進捗の精算に伴い立替の返還で再度残高が増えるものと見込まれる。(今後の方針)東日本大震災復興交付金事業基金については、復興・復興が進捗するにつれてさらに残高が減少し、令和2年度で基金が廃止される見込みである。また、国庫補助金が財源のため、東日本大震災復興交付金事業基金は、返還も生じることが想定される。それ以外の基金については、通常事業にかかるものが主ではあるが、特に公共施設整備及び大規模改修基金は、老朽化による施設の改修等により、今後は取崩しが増えていくことが見込まれるため、「東松島市公共施設等総合管理計画」に基づき計画的に取崩して対応していく必要がある。他の基金においても、限りある基金をできる限り効果的な活用を図りながら、財政運営に努める。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2019年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
東松島市の有形固定資産減価償却率は、令和元年度において、前年度比で若干微増し、毎年増加傾向にある。このことから、有形固定資産(公共施設全般)の老朽化が進行しているものと考えられる。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
本数値においては、類似団体及び全国・宮城県平均を大きく下回る結果となっている。これは、分子となる将来負担額について、震災以降新たな地方債の発行を控えるよう取り組んでいたことが要因として考えられる。しかし今後は、老朽化等に伴う普通建設事業による新規の地方債発行により、指数の増加が想定される。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
有形固定資産減価償却率については高い推移を維持している一方、将来負担比率については昨年度に引き続き発生していない状況である。これは、有形固定資産(公共施設全般)の老朽化が進んでいる一方で、地方債現在高等において、将来負担比率発生までの金額に達していないことによるものと考えられる。しかし今後については、老朽化による大規模改修等によって、新たな地方債の発行や充当可能基金の取り崩しも想定され、将来負担比率の発生も想定される。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
実質公債費比率については、前年度比の0.2ポイントの減となっている。これは、地方債発行の償還が満了したことによるものと考えられる。また、将来負担比率については上記の要因等により、令和元年度決算においても発生していない状況である。
施設類型別ストック情報分析表①(2019年度)
道路
橋りょう・トンネル
公営住宅
港湾・漁港
認定こども園・幼稚園・保育所
学校施設
児童館
公民館
施設情報の分析欄
東松島市の有形固定資産減価償却率を施設類型別に分析すると、道路・漁港・公民館等の減価償却率は類似団体平均値を大きく上回っており、老朽化が顕著であることがわかる。一方、東日本大震災において被災し、災害復旧等により整備された施設を含む施設類型は、類似団体平均値と比較して減価償却率が低く見えるが、当該償却率はあくまでも平均値であり、老朽化した施設を含んでいることに変わりはない。今後40年間における更新費用推計において、2043~2047年にピークをむかえることが試算されており、それらをいかに平準化させていくかが課題である。
施設類型別ストック情報分析表②(2019年度)
図書館
体育館・プール
福祉施設
市民会館
一般廃棄物処理施設
保健センター・保健所
消防施設
庁舎
施設情報の分析欄
東松島市の有形固定資産減価償却率を施設類型別に分析すると、図書館・体育館・プール・福祉施設・市民会館・消防施設の減価償却率は類似団体を下回っており、比較的近年の建築年次であることがわかる。しかしながら、修繕費用が嵩み大規模改修や更新が必要となるのはこれからであり、潜在的に不安材料を抱えていることに変わりはない。一般廃棄物最終処分場・保健センター・庁舎の減価償却率は類似団体平均値を上回っており、現時点において、相当の老朽化が認められる。
財務書類に関する情報①(2019年度)
資産合計
負債合計
1.資産・負債の状況
一般会計等においては、資産総額が前年度から5,683百万円減となり、特定目的基金の減が要因の1つにあげられます。一般会計等での資産合計が136,047百万円、負債が16,961百万円となり、資産と負債の差額である純資産は119,086百万円となっております。これは、これまで蓄積した財産合計のうち87.5%は返済の必要のない税収や国・県などの支出金で蓄積しており、12.5%は将来世代の負担(公債など)をもとに蓄積したものです。また、インフラ資産を除いた実質的な資産総額は、97,898百万円となりますが、こちらも負債総額16,961百万円を上回っており、健全性があると見ることができます。今後、復旧・復興が進み公共施設等の整備が進むにつれて資産の増加が見込まれるものの、通常事業の増加による地方債借入の増加も懸念されます。また、施設の老朽化が進むことで維持管理経費の増加が見込まれるため、公共施設等総合管理計画に基づく公共施設の集約化や長寿命化を図り、公共施設の適正管理に努めていきます。全体、連結ともに前年度とほぼ変わらない額となっていますが、基金等の減により資産額が微減となっています。
純経常行政コスト
純行政コスト
2.行政コストの状況
一般会計等においては、経常費用は28,758百万円となり、前年度と比較し4,549百万円の減となりました。要因として、移転費用の他会計(下水道特別会計)への繰出金が増となったことが要因にあげられます。しかし、住民一人あたり行政コストを類似団体平均値と比較すると18.4万円高い状態となっています。これは補助金交付が他団体と比べ多いこと、本市の規模に対し公共施設が多いことによる施設の維持管理経費が大きいことが要因にあげられます。今後、公共施設等総合管理計画に基づいた公共施設の適正化に努めるとともに、人件費や健康増進による社会保障費などの抑制にも努めていきます。全体、連結ともに前年度と比較し微増となりましたが、両会計とも物件費や減価償却費の増加が要因の一つとなっています。
本年度差額
本年度末純資産残高
本年度純資産変動額
3.純資産変動の状況
一般会計等においては、純行政コストは増加し、震災関連財源も減少しているため、本年度差額は△5,184百万円となりました。市民税については震災前を上回る水準となっていますが、復興事業の終結に向け今後、震災復興特別交付税などの復興財源が減少していくことから、純資産残高も減少していくことが考えられます。全体、連結については、税収等の財源が純行政コストを下回ったため、純資産残高も減少しました。
業務活動収支
投資活動収支
財務活動収支
4.資金収支の状況
一般会計等においては、業務活動収支は前年度と比較し、他会計(下水道特別会計)への繰出金等の増加が主な要因となり、△2,304百万円となりました。投資活動収支では、復興関連事業が復興交付金基金の取り崩し等により賄われていることから4,394百万円となりました。財務活動収支では、地方債の償還額が借入額を上回っているため△340百万円となっています。全体、連結については、一般会計から他会計(下水道特別会計)への繰出金等が相殺されるため、影響はなく、また公共施設等整備費支出が減少したこともあり、業務活動収支及び投資活動収支でプラスとなっています。今後は、復興事業の終期に向け、各事業の財源確保をしつつ事業費の抑制も図り、収支バランスを見据えた事業展開を行っていきます。
財務書類に関する情報②(2019年度)
①住民一人当たり資産額(万円)
②歳入額対資産比率(年)
③有形固定資産減価償却率(%)
1.資産の状況
住民一人当たり資産額は342.0万円と、前年度と比較すると減少したものの類似団体平均値と比較し、119.6万円上回っています。これは、震災復旧により比較的新しい資産が多い状況にあるためで、前年に比べ増加した資産よりも減価償却した額が多かったため減少という結果になっています。歳入額対資産比率は前年度より0.24ポイント減少し、類似団体平均を下回る結果となりました。有形固定資産減価償却率は、前年度と比較し0.7ポイント増加しました。しかし、類似団体平均値を6.2ポイント上回っており、インフラ資産(建物、工作物)の減価償却率が高いことが要因となっています。
④純資産比率(%)
⑤将来世代負担比率(%)
2.資産と負債の比率
純資産比率は87.5%と前年度を0.2ポイント下回ったものの、類似団体平均と比較し、19.4ポイント上回っています。補助金等収入が他団体と比べて多いことが要因の1つに上げられますが、今後、補助金等の収入が減少することを想定し、施設の更新についても交付税措置のある地方債を活用するなど財源を確保しつつ計画的な更新に努めていきます。将来世代負担比率は、7.3ポイントで前年度を0.3ポイント下回りました。類似団体平均値と比較すると14.1ポイント下回っていますが、今後、通常事業が増加し、地方債の発行も増加していくことが予想されるため、他の財源も確保しつつ計画的な施設の維持管理に努めていきます。
⑥住民一人当たり行政コスト(万円)
3.行政コストの状況
住民一人あたりの行政コストは69.3万円となり、前年度と比較し12.1万円上回りました。下水道特別会計への繰出金の減が要因となっています。類似団体平均値と比較すると、18.4万円高くなっており、本市の規模に対する施設数が多く、維持管理経費に要していることがあげられます。公共施設等総合管理計画に基づき公共施設の適正化に努めるとともに、人件費や健康増進による社会保障費の抑制にも努めていきます。
⑦住民一人当たり負債額(万円)
⑧基礎的財政収支(百万円)
4.負債の状況
一人あたり負債額は42.6万円となり、前年度を0.9万円下回っています。退職手当引当金が190百万円減少したことが主な要因の一つになっています。また、類似団体平均値と比較すると28.4万円下回っていますが、今後は通常事業が増加し、地方債の借入も増加する見込みとなり、一人あたり負債額も増加するものと見込まれます。基礎的財政収支のマイナスは、施設等整備に係る支出が税収等の財源で賄われていないのが主な要因となります。
⑨受益者負担比率(%)
5.受益者負担の状況
受益者負担比率は3.7%となり、前年度と比較し0.7ポイント減少しました。要因として、経常費用では下水道事業特別会計への繰出金が増となったことが挙げられます。また類似団体平均値と比較しても、1.8ポイント下回っており、さらなる各種手数料等の見直しと財産収入等の増を図るとともに、施設の維持管理費用の抑制にも努めていきます。