経営の健全性・効率性について
当市の漁業集落排水処理施設(矢の浦浄化センター及び広田浄化センター)は、東日本大震災の津波で被災し、建物をはじめ、施設のポンプや電力制御盤などの電気設備の全般が甚大な被害を受けたため、災害復旧事業として再建し、平成25年度より汚水の受け入れを再開した。なお、復旧までの間は、処理施設内に仮設の処理施設を設置し、排水処理区域内の汚水処理を実施していた。①収益収支比率については、繰出し基準の考え方を見直したことにより比率の改善が見られてはいるものの、未だ使用料収入のみでは賄えず、他会計からの繰入金に頼らざるを得ない状況が続いている。⑤経費回収率は、震災以前から類似団体平均値を下回っていたが水洗化率の向上と共に経費回収率も上がっている。しかしながら、漁業集落排水処理施設の維持管理費等を使用料収入のみでは賄いきれない状況にある。また、⑧水洗化率について、水洗化の伸び状況としては、震災前後で大きな変化はなく、ほぼ横ばいの状態となっていたが、防災集団移転促進事業による高台造成や災害公営住宅の整備等が進んだため、水洗化率が上昇した。
老朽化の状況について
被災した処理場及び管渠については、災害復旧事業による復旧から間もないが、被災していない管渠に係る老朽化に係る更新等については、今後の課題である。
全体総括
以上のことから、公共用水域の水質保全の観点等も含め、今後も継続して安定したサービスを提供し、健全経営を続けていくためには、維持管理費や工事費等に係る経費の削減はもとより、既存住戸への接続促進等、水洗化率向上の取り組みを行っていく必要がある。