経営の健全性・効率性について
経常収支比率は100%を超え、いわゆる黒字となっている。前年度と比べ比率が10.08%下がっているのは、前年度の経常収益に計上されていた高料金対策に係る一般会計補助金が、平成30年度にはなかったことが要因と考えられる。しかし、この補助金の収入を除いたとしても比率は3.33%の減となる。今後給水収益の大幅な増は見込めないため、更なる経費削減の努力が必要である。流動比率はほぼ横ばいで推移しているが、建設改良費の工事費増による企業債借入額増加の為流動負債は増加しており、楽観できない状況である。累積欠損金はないものの、企業債残高の比率が高く、維持管理費の削減や施設更新時の投資の効率化について、中長期的な改善策の検討が必要である。また、平成28年度から施設の規模の見直しを行い、計画1日最大給水量を適正な数値にしたことにより施設利用率が上がり、有収率と共に類似団体平均より高いものとなった。
老朽化の状況について
管路経年化率が類似団体平均より高いものとなっており、法定耐用年数を経過した管路が多い状態である。しかし、ゆるやかな低下傾向にあり徐々に改善に向かっている。施設の更新等に必要な財源の確保が厳しい状況ではあるが、耐震化などについても考慮しつつ経営状況とのバランスを見ながら管路更新は継続していく必要がある。
全体総括
給水収益の減少や将来的な人口減少等による有収水量の減少が予想されることから、今後の経営状況は非常に厳しいものとなっている。平成30年度は経常収支比率及び料金回収率が100%を超え、施設利用率、有収率などが類似団体平均値を上回っており、これまでの経営改善対策の効果が現れたと思われる。しかし、施設の老朽化対策など設備投資が必要であることから、維持管理費の削減と効率的な投資計画に取り組み、今後も更なる経営改善を図る必要がある。