地域において担っている役割
当院は、五戸地方の地域医療を担う病院であり、五戸地方唯一の救急告示病院として、町民はもとより周辺市町村住民に対し救急医療を提供している。また、地域の民間医療機関では担えないMRI・CTなどによる診断等、不採算医療部門に関わる医療を提供している。
経営の健全性・効率性について
経常収支比率・医業収支比率・病床利用率は、平成28年度以降伸びていたが、令和元年度は、病院体制維持のため、11月から稼働病床数を165床から120床としたことで、平成30年度と比較して大きく減となった。また、多額の累積欠損金の解消には程遠く、経営状況は非常に厳しい。入院・外来患者1人1日当たりの収益も類似病院の平均値を下回っているので、改善に向けた分析・検討が必要である。職員給与費・材料費の医業収益に対する比率は、類似病院平均を下回る等、抑制されているため、今後も継続していく。
老朽化の状況について
当院の建物は、平成4~7年に多額の費用を投じて建設されたため、有形固定資産減価償却率及び1床当たりの有形固定資産は類似病院と比較して高い状況にある。器械備品については、平成28年度に策定した「新五戸総合病院改革プラン」に基づいた医療機器等の導入を進めており、減価償却率は減少傾向である。今後も収支バランスを考慮しながら、計画的に更新していく。
全体総括
平成28年度以降、入院患者数の増加や費用抑制の効果もあり、経営状況は好転していたが、令和元年度は、稼働病床数減に伴い、入院患者数が大きく減となった。累積欠損金の状況、施設老朽化の状況などを考慮しても非常に厳しい状況にあるため、「新五戸総合病院改革プラン」に基づき、収入増加・患者の確保に努めるとともに、医療機器等の計画的な導入を進めていく。