経営の健全性・効率性について
平成26年度に単年度の赤字を計上し、累積欠損金も発生しましたが、平成27年度には費用の削減等により累積欠損金を解消しました。流動比率については給水収益の減少と平成26年度に建設改良費等に充てられた企業債の償還がピークを迎えたことから類似団体と比較し著しく低くなっていますが、これは平成26年度の会計制度の見直しによる翌年度償還の企業債等が流動負債へ計上されたことから大きく減少となった原因となっています。制度の見直しがなかったと仮定した場合、平成27年度は193%となっており、制度見直し前並みの値となっています。今後、企業債償還金が減少していくことから流動比率は改善されていく見通しとなっています。料金の回収率は100%以上となり料金収入で費用を賄っている状態となりましたが、今後想定される給水人口等の減少や節水意識の高まりなど、給水収益は減少し、施設の老朽化に伴う機械設備等の維持管理費の増加に注視する必要があります。給水原価は津軽広域水道企業団から全て受水していることから、類似団体と比較しても高くなっています。将来の人口減による基本水量の見直しによる基本料金の見直しなどが想定されることから、費用の削減や業務の効率性を高めていく必要があります。施設利用率が類似団体と比較して低い水準となっている原因として、計画認可時の一日最大配水量に対して、人口減等の理由により配水量が減少していることから整備した施設が現状では適切な水準となっていないと考えられます。今後水道計画等の見直しを含め、適切な施設規模を把握する必要があります。
老朽化の状況について
老朽化の状況については、耐用年数が40年を超える管渠が増えてくる傾向にあります。配水施設は老朽化がそれほど進んでいませんが、機械設備等は耐用年数が経過しているものもあることから修繕・更新等を計画的に整備する必要があります。老朽管の改築・更新については財源の確保や経営に与える影響を踏まえ、計画的かつ効率的に取り組む必要があります。
全体総括
人口減少等に伴う収益の減に対し、老朽化する施設維持管理費の増加と施設等の更新もほとんど行われていないため、今後は大規模な更新費用が見込まれることから、厳しい財政状況が予想されます。経営の効率化、施設等の適切な更新などを見据えた計画の策定・実行が必要となります。