地域において担っている役割
当院は、不採算医療地区において基本的一般医療や救急医療、在宅復帰に向けての中心的な役割を担っており、地域住民にとって必要な医療の提供をおこなっております。
経営の健全性・効率性について
平成28年度から地域包括ケア病床(令和2年度末現在38床)を開設、その後、順次増床してきたことや繰入基準の見直しをおこなってきたことにより経常収支比率が前年度と同様に黒字化となっております。また、地域包括ケア病床の効率的な運営により入院患者1人1日当たり収益は増加となっております。病床利用率については、人口減少や新型コロナウイルス感染症等の理由により前年度を更に減少する結果となり、医業収支比率も同様に減少となっております。外来患者1人1日当たりの収益は増加しているものの、類似病院平均値と差があることから今後の検討課題となっております。職員給与費対医業収益は、新型コロナウイルス感染症等の理由により医業収益が減少したことが要因と考えられます。材料費対医業収益比率については、後発医薬品利用促進及び材料費の見積合わせ並びに価格交渉により類似病院平均値及び全国平均値より低くなっております。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は平均値を上回っていることから、施設全体としての老朽化が考えられます。器械備品減価償却率については、病院運営を行っていくための必要最低限の器械備品を毎年計画的に更新及び購入をおこなっておりますが、類似病院平均値を上回っている状況となっております。1床あたり有形固定資産は、類似病院平均値を下回っていることから、類似病院より投資が少ないことが考えられます。
全体総括
平成28年度から順次開設してきた地域包括ケア病床(令和2年度末現在38床)の適正な運営をおこなってきたものの、人口減少や新型コロナウイルス感染症等の影響により入院及び外来患者が更に減少してしまいました。繰入基準の見直しをおこない経常収支の黒字化へとつなげましたが、依然として経営が厳しい状況にあります。今後も地域包括ケア病床の適正な運営や患者確保対策、適切な診療報酬確保等を行い、経常収支の黒字化を維持していくことに努めて参ります。また、在宅復帰した患者や家族に対するアフターフォロー等が大切になってくることから、訪問看護の再開や退院時指導の強化について検討していきます。当院は当町及び近隣町の救急医療を担っており、他の医療機関と相互の役割分担と連携を促進・強化し、住民の要請に応えながら親しまれ信頼される病院を目指して参ります。