経営の健全性・効率性について
経常収支は黒字を維持しており、累積欠損金もなく、短期的な債務に対する支払能力も十分にある。ただし、黒字を維持している要因は、給水収益以外の収益、一般会計からの補助金で給水に係る費用を補っているためである。また、職員数の減少による費用削減の効果は一時的なものであり、厳しい運営状況に変わりはない。人口減少に伴い使用水量は減少し続ける見込であるため、今後の収益確保は極めて厳しい状況にある。
老朽化の状況について
法定耐用年数を超えた管路の割合は増加しており、10年以内に50%に達する見込みである。管路更新率は1%程度で推移しているため、管路経年化率は今後も増加する。また、老朽による管路の漏水量も増加傾向にあるため、有収率は大幅に低下している。老朽管路の更新率を増加できなければ、有収率の向上は見込めない状況にある。
全体総括
経常収支が黒字で推移しているが、人口減少による給水収益の減少は避けられない。長期的な視点に立った経営戦略に基づき、計画的な施設の更新、効率的な施設の維持管理及び事務処理を進めているが、施設の維持管理、老朽施設の更新等には多額の費用がかかり、経営努力だけでは収支の改善が困難な状況となっているため、料金改定に向けた具体的な検討を進める。