経営の健全性・効率性について
企業債残高対給水収益比率が類似団体平均値より突出して高くなっており、これは、地理的条件により配水池、ポンプ場、ダム、管路など数多くの固定資産を有することで、財源を企業債に依存しなければならなかった経営環境(流動比率に影響する現金預金が少ない)や人口減少に伴う給水収益の減少が主な要因であるが、令和元年度においては、平成31年4月請求分より、料金改定を行ったことにより平成30年度より約104%減少したものである。また、料金回収率が平成30年度まで100%を下回っていたが、平成31年4月請求分より料金改定を行った結果、約14%上昇となったところである。給水原価については、年々増加傾向であり、これについては、水質が良くないことで薬品費が多くかかることや近年電気料が値上がりしていることなどが原価を上げている要因である。なお、有収率については、平成30年度まで減少傾向であったが、近年漏水調査を実施し約2%の有収率向上が図られたものの、依然として管路の老朽化により漏水箇所が増えている状況にあることから、緊急度・優先度を勘案し、適宜修繕等の対応を図る必要がある。
老朽化の状況について
管路更新率は平成29年度から類似団体平均値を超えているが、管路経年化率は依然として類似団体平均値よりも高く、今後については、老朽化した管路について、漏水調査の結果などから、緊急度・優先度・重要度を勘案し、計画的な管路更新を行っていく必要がある。
全体総括
今後の根室市水道事業会計の経営は、平成31年4月請求分より、昭和56年以来38年ぶりに料金改定を行ったところであるが、今後についても老朽化した配水管等の計画的な施設整備並びに安定給水のため施設整備などを行い収入の確保を図るとともに、業務の効率化、計画的な執行など経営健全化へ向けた取り組みが必要であると考える。