経営の健全性・効率性について
①経常収支比率については、昨年度より2.59%上昇の117.27%となった。②累積欠損金比率についても0%と健全な経営となっている。③流動比率は、毎年100%を超えており、短期的な債務に対する支払能力を十分備えている。④企業債残高対給水収益比率は、毎年減少している。⑤料金回収率は、給水に係る費用が、どの程度給水収益で賄えているかを表した指標であり、100%を超えており適切な料金収入が確保できている。⑥給水原価は類似団体と比較すると8.59高い数値となっているが、全国平均値より若干低くなっており、概ね適正値である。⑦施設利用率は、一日配水能力に対する一日平均配水量の割合であり、施設の利用状況や適正規模を判断する指標である。全国平均、類似団体平均より高い数値となっている。一般的に高い数値が望まれる。⑧有収率については、毎年度96%以上となっており、年間の総配水量に対して収入となった水量の割合が高いと言える。経営の健全性・効率性については、概ね良好といえる。しかし、今後は、給水収益の減少(有効水量の減少)が予想される為、適切な更新計画を行い、効率的な漏水対策や事故や災害にも強靭で持続可能な水道施設作りを行い、有収率の高水準維持を目指し、健全な水道事業運営となるよう取り組む。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は、48.8%と全国平均より高く、年々増加している。これは、数値が100%に近いほど、保有資産が法定耐用年数に近づいていることを示している。②管路経年化率については、2%台を推移している。法定耐用年数を超えた管路延長の割合を示している。③管路更新率は、1%台と低い数値となっている。本市では、①~③の指標でも示されているように、施設の老朽化、管路の更新等の必要性が進んでいる。布設年数30年以上経過する送配水管延長が全体の総布設延長に対し約31%と多く、大規模な更新の時期を迎えています。そこで本市ではこのような更新事業に対し「沖縄市水道施設整備事業計画」を平成25年度に策定。平成27年度より順次計画的に実施している。また、この事業計画では、事故や災害等にも強靭で持続可能な水道を目指すべく管路の耐震化も十分考慮したものとなっている。今後は、中長期的な視点に立ち、更新需要や財政収支の見通しを立て、同事業を推進する。
全体総括
本市水道事業の経営は、1.経営の健全性・効率性から判断すると安定しているといえるが、2.老朽化の状況については、施設の老朽化に伴い更新事業が今後増加することを示している。今後ますます厳しくなると予想される財政状況、また、事故や災害への対策が強く叫ばれるなど、水道を取り巻く社会情勢・経済情勢も時代とともに大きく変化している。本市水道事業は、これまで以上に効率的かつ合理的な水道事業の運営が重要となる。