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○人口の減少や全国平均を上回る高齢化率(令和元年度末42.6%)に加え、町内に中心となる産業がないこと等により、町税等の自主財源に乏しく脆弱な財政基盤となっており、類似団体平均を大きく下回っている。このため、平成28年3月に「第3次行財政改革大綱」を定め、歳入・歳出の見直しを行い、行政の効率化に努めることにより財政の健全化を図っている。
○類似団体平均を下回っているのは、平成17年2月に「財政健全化計画」を策定し、徹底した歳出削減と歳入の見直しを実施したことが主な要因となっており、その後も平成23年3月策定、平成27年11月に見直しを行った「財政運営適正化計画」及び令和元年度策定の「第2次財政運営適正化計画」に基づき、継続的に内部管理経費及び職員数の削減、投資的経費の抑制など、歳入規模に見合った歳出構造への転換、また、将来の公債費負担抑制のための繰上償還を実施しており、今後も効率的な財政運営に努める。
○人件費・物件費等の合計額の人口1人あたりの金額が類似団体を上回っているのは人件費が主な要因となっており、これは平成16年8月に5町の合併による職員数の増加に伴うもので、令和2年4月1日現在で、307人と類似団体に比べ、かなり多い。このことを踏まえ、人件費を削減・抑制するため、平成28年3月に策定した「第3次定員適正化計画」に基づき、採用数の抑制だけでなく、同時に効率的で質の高い行政サービスを提供できるよう組織の見直しも行いながら、適正化を図る。
○平成17年から平成21年度までの5年間は特別職及び職員の給与カット(一般職10%)の実施を行っていたため、類似団体平均を大きく下回っていたが、平成22年以降は給与の復元を行ったため、類似団体平均に近い数値で推移している。※なお、令和3年調査結果が未公表であるため、前年度の数値を引用している。
○「第2次行財政改革大綱(平成23~平成27)」において、60人(普通会計)の削減を行ってきたものの、人口千人あたりの職員数は類似団体を比較しても突出して多く、これは、平成16年8月に5町の合併による職員の増、離島という地理的要因から広域圏等で消防事務を行うことができず、単独消防をとらざるを得なくなったことによる職員の増、また、本町は高校卒業後、多くの生徒が島外へ進学・就職により転出しており、過疎化による人口減も挙げられ、さらなる削減が必要であるため、平成28年3月に策定した「第3次行財政改革大綱(平成28~令和2)」を推進し、適正化を図る。
○平成23年3月に策定し、平成27年11月に見直しを行った「財政運営適正化計画」及び令和元年12月に策定した「第2次財政運営適正化計画」に基づく地方債の発行上限の設定により新規発行額を抑制するとともに、計画的な繰上償還を実施してきたことで、類似団体平均を下回った。
○平成23年3月に策定し、平成27年11月に見直しを行った「財政運営適正化計画及び令和元年12月に策定した「第2次財政運営適正化計画」に基づく地方債の発行上限の設定により新規発行額を抑制するとともに、計画的な繰上償還を実施してきたことで、類似団体平均を下回った。今後も「第2次財政運営適正化計画」に基づき、これまで同様、新規発行の抑制及び繰上償還を実施し、将来負担をさらに軽減できるような財政運営を実施していく。
○平成16年8月に5町が合併したことで職員数が過大となり、類似団体と比較すると高水準になっていたが、平成17年に策定した「定員適正化計画」の実施により、令和2年4月1日現在で307人(普通会計)となり、類似団体平均と同程度となった。今後は平成28年3月に策定した「第3次定員適正化計画」に基づき、令和3年4月1日までに299人(普通会計)を目標に人件費の抑制に努める。
○物件費にかかる経常収支比率が類似団体平均と同水準となっているのは、平成17年2月に策定した「行財政改革大綱」等により施設の維持管理等経費の見直しを行った結果である。今後は平成28年3月に策定した「第3次行財政改革大綱」及び平成29年3月策定の「公共施設等総合管理計画」における「個別施設計画」に基づき、公共施設の統廃合や民営化、民間委託の推進など、更なるコスト削減に努める。
○扶助費にかかる経常収支比率が類似団体平均を下回っているのは、自主財源が乏しい財政状況の中、独自に事業の抑制をしていることが要因である。早期に財政の健全化を図り、福祉の充実に努める。
○その他にかかる経常収支比率が類似団体平均を下回っているのは、公営企業会計の使用料・手数料等の見直しやコスト削減により繰出金を抑制したことが主な要因であり、今後も平成28年3月に策定した「第3次行財政改革大綱」を推進し、更なるコスト削減等に努める。
○補助費等にかかる経常収支比率が類似団体平均を下回っているのは、平成17年12月に策定した「行財政改革大綱」等により補助金等の見直しを実施してきた結果であり、今後も補助金交付基準の定期的な見直しを行い、補助の「必要性」・「有効性」・「公平性」・「透明性」を確保するなど、適正な運用に努める。
○合併前の大型事業の実施によって地方債残高が増加した影響で、類似団体との差が大きく開いていたが、「財政運営適正化計画」に基づき地方債の新規発行抑制、計画的な繰上償還の実施により、年々縮小されているが、令和2年度決算では3.3ポイント上回っているため、今後も継続して、新規発行制限、繰上償還を実施する。
○公債費以外にかかる経常収支比率については、各種行財政改革による経常経費の抑制・削減・見直しにより、類似団体平均を大きく上回っているが、今後も各種計画に基づき、人件費の抑制や公共施設の統廃合や民営化、民間委託の推進など、継続してコスト削減に努める。
(増減理由)・令和2年度末現在高は10,488百万円で前年比386百万円の増となっている。主な要因として、まちづくり基金のうち合併特例債を財源とした合併特例基金の取崩し(-286百万円)、ふるさと応援寄附金により造成された、ふるさと応援基金の取崩し(-25百万円)があったものの、将来の地方債の元利償還のための減債基金への積立て(551百万円)、過疎対策事業債を財源とした過疎地域自立促進基金への積立て(77百万円)、ふるさと応援基金への積立て(62百万円)等を行ったことにより基金総額が増加した。(今後の方針)・人口減少対策等の優先すべき事業に取り組む必要があるものの施設の老朽化対策などの財政需要の増大にも適切に対応していけるよう、一定額を確保しつつ基金の活用を行っていく。基本的には、財政調整基金は現状維持に努め、減債基金や特定目的基金については、歳計剰余金の積立てを行っていくこととする。
(増減理由)・令和2年度末の基金残高は、1,953百万円となっており、財源不足額に対応するため取崩しを行ったものの、歳計剰余金による積立額が同額程度であったため、運用益の積立てにより0.08百万円の増となった。(今後の方針)・人口減少による町税等の自主財源の減少や普通交付税の縮減等を見据え、自然災害や感染症等の不測の事態に備えるため、不要な取崩しは行わないよう財政運営を行っていく。また、自主財源に乏しく財政基盤は脆弱であるものの人口減少対策等の優先すべき事業には積極的に取り組む必要があり、基金残高の増加は見込めない状況であるため、行財政改革や財政運営適正化計画の順守に取組み現在高を維持していく方針である。
(増減理由)・令和2年度末の基金残高は、4,962百万円となっており、前年度から551百万円の増加となっている。・行財政改革大綱及び財政運営適正化計画に基づき徹底的な歳出の見直し、地方債の新規発行上限の設定、継続的な繰上償還を行った結果、551百万円を積立てることができた。(今後の方針)・年々地方債残高は着実に減少しているものの令和2年度末現在で約195億円と依然として類似団体平均を大きく上回っており、公債費支出額は毎年度20億円程度で推移している。今後、施設の老朽化対策などの財政需要の増大を考慮すると将来的に予算編成が厳しくなることが予想されるため将来負担を軽減させるため計画的に繰上償還を行いながら収支改善による額を積立てることとし、一定額確保する方針である。
(基金の使途)・各基金の設置条例に定めるように、まちづくり基金であれば、まちづくりに資する全般的な事業、水産業振興基金であれば、水産業の振興に資する事業等に活用していく。また、ふるさと応援基金については、ふるさと納税により造成された基金であり、寄附者の意向に沿って活用していく。(増減理由)・過疎対策事業債(ソフト分)を財源とした過疎地域自立促進基金やふるさと応援基金への積立て等を行ったものの、合併市町村が発行できる「合併特例債」を財源としたまちづくり基金を取崩し、当該基金の令和2年度現在高が2,526百万円と前年比-284百万円となったことにより、前年比166百万円の減となった。(今後の方針)・今後も各基金の使い道にあった事業に活用し、人件費や単なる事務的経費への充当は避け、町の振興、地域活性化に資する事業の中で、国や県の補助対象とならない事業に対し優先的に活用し、一般財源不足分を補うため今後も取崩しを行っていくが、基金に頼りすぎることがないよう、バランスをとりながら、財政運営を行い一定額確保する方針である。
平成29年度に策定した公共施設等総合管理計画において、公共施設等の延べ床面積を27%以上削減するという目標を掲げ、施設の集約化・複合化・除却・更新を計画的に進めている。有形固定資産減価償却率については、上昇傾向にあるものの、その傾向は類似団体内平均の推移と同程度に緩やかであり、これまでの取組の効果が表れていると考えられる。
債務償還比率は類似団体内平均値を下回っており、将来負担額は減少傾向にあるものの類似団体と比較して職員数が多く、人件費が高い水準にあるため人件費の削減に努める。また、地方債残高を抑制するため、今後も計画的な地方債の発行及び繰上償還を実施する必要がある。
有形固定資産減価償却率については、上昇傾向にあるものの、将来負担額が充当可能財源等を下回るため、将来負担比率は0(-)となり、グラフ化されていない。交付税措置率の高い合併特例債を活用した施設の更新や長寿命化が将来負担額の減少に大きく影響しているが、合併特例債発行期間の終了後も将来負担額を抑制するため、「財政運営適正化計画」に基づき、計画的な地方債の発行及び繰上償還を実施する必要がある。
将来負担額が充当可能財源等を下回るため、将来負担比率は0(-)となり、グラフ化されていない。実質公債費比率については、全体のおよそ90%が元利償還金であり、償還額は減少傾向にあるものの、引き続き将来負担比率を抑制するため、「財政運営適正化計画」に基づき、計画的な地方債の発行及び繰上償還の実施に努める。将来負担比率については、地方債残高が類似団体を大きく上回っており、今後も上記計画に基づき財政の健全化を図り、同時に行財政改革により生じた効果額等を基金へ積立てし、充当可能基金の増額に努めていく必要がある。
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