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指定団体等の指定状況
財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
人口の推移
産業構造
財政比較分析表(2018年度)
財政力
財政力指数の分析欄
町税等の基準財政収入額は微増傾向にある一方、扶助費や公債費等の義務的経費の増に伴い基準財政需要額も増加していることから、財政力指数は昨年度と同値となった。地方経済の先行きは依然として不透明で、大幅な増収は望めない状況であることに加え、義務的経費は今後も増加傾向にある見込であることから、引き続き地方税等の適正な課税や徴収対策等に取り組むことで収納率の維持に努め、歳入の確保を目指す。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
地方消費税交付金や地方交付税交付金等の増により経常一般財源は増加しているものの、人件費や補助費、公債費等の増がそれらを上回ったことにより、昨年度よりも0.2ポイント悪化している。今後も大型の建設事業に伴う公債費をはじめ、扶助費、社会保障経費などの義務的経費が増加することが予想されているため、歳入の確保及び経常経費の抑制に努めることにより、財政の硬直化防止を図る。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
全国平均や長崎県平均と比較すると低い水準にあり、類似団体内でも上位にあるものの、昨年度と比較して人件費及び物件費ともに増加しており、人口1人当たり2,507円増加している。今後、公共施設の老朽化に伴う維持補修経費等の物件費の増加が見込まれているが、可能な限り低水準を保てるよう、公共施設の計画的な修繕や適正な定員管理及び経費管理を推進し、効率的な行財政運営に努める。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
ラスパイレス指数の引上要因となっている高校卒程度の職員の退職に伴い減少したことから、本指数も0.8ポイント改善した。今後も適正な給与水準となるように努める。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
人口千人当たり職員数は、昨年度比で僅かに増加(0.11人)しているものの、類似団体内で6番目に少ない自治体であり、依然として少数での行政運営を維持している。今後も、適切な人員配置と計画的な採用に努め、適正な定員数の維持に資する管理計画を推進する。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
一部事務組合等の起こした地方債の償還金や臨時財政対策債の元利償還額の増により、昨年度よりも0.3ポイント悪化した。実質公債費比率は、今後控える大型の建設事業等により、短期的にはある程度上昇することが予想されるが、長期的な観点で適正な事業計画及び起債管理を行い、財政の健全性の堅持に努める。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
地方債の償還額が発行額を上回ったことにより地方債残高が減となったことや、公営企業債等繰入見込額が減となったこと等により、比率算定の分子となる将来負担額が減少していることから、将来負担比率は6.7ポイント改善している。しかし、大型の建設事業のために設定する債務負担行為により、次年度以降は短期的に比率の上昇が見込まれることから、今後も事業実施の適正化を図り、地方債残高に留意しながら健全な財政運営に努めていく。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2018年度)
人件費
人件費の分析欄
昨年度と比較して0.5ポイント悪化しているものの、類似団体平均と比較すると依然として低い水準に位置している。本町の職員構成比は、30歳~39歳の職員が約37%を占めるなど偏りが生じているため定期昇給分の増が経常収支比率の悪化の主な要因となっている。そのため、少数職員で行政運営をおこなっている本町であっても、厳格な昇給運営が重要とされる。
物件費
物件費の分析欄
予防接種等の委託料の減等により、昨年度より0.7ポイント改善したものの、物件費については類似団体と比較しても高い水準で推移しているため、今後も事務事業評価による見直しを進め、経費縮減に努めていく。
扶助費
扶助費の分析欄
自立支援給付費、医療費や施設型給付費等は増加しているものの、臨時福祉給付金の終了や児童手当が減少したこと等により経常収支比率は0.1ポイント改善している。しかしながら、社会保障関係経費は年々増加傾向にあり、今後も増加していくことが予想されるため、財政を圧迫することがないようその推移を注視していく。
その他
その他の分析欄
後期高齢者医療特別会計への繰出金が減少したこと等により、昨年度より0.2ポイント改善した。しかし、国民健康保険や後期高齢者医療の特別会計への繰出金等、社会保障に係る経費は年々増加しており、今後も高齢化の進展によりこの傾向は続くことが見込まれる。介護予防等町民の健康づくりを推進し、経費縮減に努める必要がある。
補助費等
補助費等の分析欄
一部事務組合への負担金が増加したこと等により、経常収支比率は0.4ポイント悪化した。今後もごみ処理施設に係る負担金の公債費相当分の補助金や広域行政に係る負担金、下水道事業会計への補助金等により、補助金は比較的高い水準で推移していくことが予想される。
公債費
公債費の分析欄
緊急防災・減災事業債や臨時財政対策債の償還額の増加により、昨年度より0.3ポイント悪化した。近年の防災行政無線デジタル化整備事業、区画整理事業及び街路事業等の大規模な事業の集中による地方債の増加により公債費は年々膨らんでおり、類似団体と比較しても高い比率で推移している。引き続き長期的な視点で事業の適正化と起債管理に努めていく必要がある。
公債費以外
公債費以外の分析欄
本年度は人件費や補助費等の比率は昨年度よりも増加したが、物件費や繰出金の比率減少がそれを上回っており、公債費以外に係る経常収支比率は0.1ポイント改善した。経済状況の先行きは不透明であり大幅な増収は見込めない中、町財政の硬直化を招くことがないよう、引き続き経常経費の抑制に努めていく。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)
目的別歳出の分析欄
消防費は、住民一人当たりのコストが8,540円と減少しており、類似団体内順位が最も低くなっている。これは、消防格納庫建設事業等の施設整備費が減少したことなどが要因である。土木費について、大型の継続事業である区画整理事業や街路事業の決算額が減少したことなどにより、住民一人当たりのコストが41,579円と減少しているものの、依然として類似団体平均よりも高い水準に位置している。民生費のコストが110,104円と減少に転じているのは、保育所等整備交付金の減少や臨時福祉給付金の終了が主な要因である。本町の労働費のコストが一定の水準で推移しているのは、勤労青少年ホーム等施設の管理運営費として経常的な経費を要しているのが要因となっている。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)
性質別歳出の分析欄
本町の住民一人当たりのコストのうち歳出額が一番大きいものは扶助費である。扶助費の歳出決算額は微減となっているが、分母となる人口が減少したことにより一人当たりのコストは増加し71,394円となっており、依然として類似団体平均値よりも高い水準にあり、今後も増加していくことが予想される。また繰出金について、大規模な継続事業である区画整理事業のうち特別会計にて実施する事業への繰出金が増加したことなどにより、住民一人当たりのコストが39,430円と昨年度よりも増加している。普通建設事業費について、新規整備分に関しては街路事業の事業費が減少したため一人当たりのコストが2,501円と大幅に減少している。このほか保育所等整備交付金の減少なども影響し、普通建設事業費全体のコストについても昨年度に比べて減少している。
実質収支比率等に係る経年分析(2018年度)
分析欄財政調整基金については、必要な財源を調整するために取り崩しを行う一方、将来の財源不足を補うために積み立ても行っており、一定の水準を保っている。前年度以前からの収支の累積である実質収支額は黒字で推移しているが、財政調整基金の取り崩し額が増加していることにより、実質単年度収支の赤字幅は昨年度より拡大している。
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連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2018年度)
分析欄平成30年度決算においては、すべての会計において実質赤字及び資金不足は発生していない。実質黒字額の標準財政規模に対する割合は下水道事業が最も大きく、本年度は22.13%となっており、その主な要因は流動負債の減及び流動資産の増である。
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実質公債費比率(分子)の構造(2018年度)
分析欄臨時財政対策債や公共事業等債などの元利償還額の増により「元利償還金」が増加したことや、長与・時津環境施設組合が起こした起債の元利償還金の増により「組合等が起こした地方債の元利償還金に対する負担金等」が増加したことなどが主な要因となり、「実質公債費比率の分子」は昨年度より47百万円増加し、525百万円となっている。
分析欄:減債基金本町においては満期一括償還地方債の利用をしていない。
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将来負担比率(分子)の構造(2018年度)
分析欄将来負担額は17,520百万円となり、昨年度よりも減少している。その主な要因として、地方債の償還額が発行額を上回ったことによる「一般会計等に係る地方債の現在高」の減、公営企業債の地方債残高の減少や下水道事業の経費の算定方法が変更になったことに伴う「公営企業債等繰入見込額」の減や、土地開発公社の保有用地を買い戻したことによる「債務負担行為に基づく支出予定額」の減などが挙げられる。充当可能財源等については、「充当可能基金」が増加したものの「充当可能特定歳入」及び「基準財政需要額算入見込額」の減少により-274百万円の減となっている。
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基金残高に係る経年分析(2018年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)「財政調整基金」については決算剰余により330百万円を積み立てている一方で、小中学校の空調機器整備事業などの財源不足に対応するため510百万円取り崩している。「教育振興基金」については図書購入の財源として7百万円を充当した一方で、一般財源より50百万円を積み立てている。また「地域福祉ボランティア基金」については取り崩しせず9百万円を積み立てているが、「ふるさとづくり基金」については2百万円を取り崩し町制施行50周年記念事業へ充当している。基金全体としては「財政調整基金」の取崩し額が大きかった影響で130百万円の減となった。(今後の方針)大型の建設事業や公共施設の更新費用等に対応するため、中長期的に基金残高は減少していく見込みである。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)「財政調整基金」については決算剰余により330百万円を積み立てている一方で、小中学校の空調機器整備事業などの財源不足に対応するため510百万円取り崩し、残高は180百万円減少した。(今後の方針)区画整理事業や街路事業等の継続的な大型建設事業の財源として今後数年間は減少していくことが見込まれているが、突発的な財政需要や災害への備えのため、一定水準は維持していく方針である。
減債基金
減債基金
(増減理由)運用収益を積み立てたが百万円単位での増減はなかった。(今後の方針)区画整理事業や街路事業等の継続的な大型建設事業に伴う起債発行に備えて一定水準を維持しているが、当該事業に係る償還期間には取り崩し額が増加し、基金残高は減少していく見込みである。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)教育振興基金:教育、文化及びスポーツの振興を図るふるさとづくり基金:ふるさとづくり推進事業を円滑かつ効率的に行う地域福祉ボランティア基金:地域福祉の向上を目指し、福祉活動・清掃活動の推進やボランティア活動の育成を図る21世紀ふれあい基金:青少年の健全育成を図る国際交流基金:国際交流の推進を円滑に行う(増減理由)教育振興基金:図書購入の財源として7百万円を充当した一方で、一般財源から50百万円積み立てたことにより増加している。ふるさとづくり基金:2百万円を町制施行50周年記念事業へ充当したことにより減少している。(今後の方針)教育振興基金:義務教育施設の整備や図書購入の充当財源としながら、一定水準まで積み立てを行う予定である。その他の基金:基金の設置目的に沿った経費の財源として充当する予定である。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2018年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
有形固定資産原価償却率は増加の一途をたどっており、平成30年度時点における本町の数値は類似団体平均と比較して17.4ポイント高い状況にあり、平成29年度と比較して公共施設等の老朽化が進んでいる。公共施設等総合管理計画に基づき、財政負担の平準化を図りながら戦略的な維持管理・修繕・更新を実施していく必要がある。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
平成30年度における債務償還比率は類似団体平均と比較して27.0ポイント低い564.7%となっており、平成29年度より改善が見られる。これは当該年度の地方債償還額が発行額を上回ったことで将来負担額が減少したためと考えられる。しかしながら令和2年度より地方債を財源とする大規模事業が控えているため、地方債残高の上昇により債務償還比率は増加することが見込まれる。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
将来負担比率については平成29年度から徐々に改善しており、平成30年度は類似団体の平均を下回った。これは2ヵ年連続で地方債償還額が発行額を上回ったことにより将来負担額が減少したためと考えられる。有形固定資産減価償却率については年々上昇しており、今後もこの傾向が続くものと見込まれる。令和2年度より地方債を財源とする大規模事業が控えているため、将来負担比率は大きく上昇していく。今後は可能な限り起債発行残高の抑制を図り、将来負担比率の伸びを抑えることで財政の健全性を維持しつつ、公共施設等総合管理計画に基づいて老朽化した公共施設等の計画的な維持補修等に努める。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
昨年度と比較すると、実質公債費比率は0.3ポイント上昇、将来負担比率は6.7ポイント減少している。将来負担比率については平成29年度より改善が見られ、平成30年度においては類似団体平均を下回っている。実質公債費比率については、平成27年度から徐々に改善が見られていたが、平成30年度において悪化に転じた。これは平成26年度借入債の元金償還開始によるものと考えられる。令和2年度以降、地方債を財源とする大規模事業が控えているため、今後は緊急性等を考慮して事業の適正化を図り、地方債残高に注視しつつ健全な財政運営に努めていく。
施設類型別ストック情報分析表①(2018年度)
施設情報の分析欄
公民館、学校施設、児童館の有形固定資産償却率が類似団体平均を上回っている。橋りょう・トンネルについては平成29年度から類団平均以下を維持している。中でも公民館については3館中2館が築40年以上経過しており、平成30年度の有形固定資産償却率が90.8%と類似団体平均を大きく上回っている。また教育施設についても長与小学校を除いて築年数は20年以上となっており、有形固定資産償却率は平成28年度の70.5%(類似団体平均+9.2ポイント)から徐々に悪化し平成30年度は73.8%(類似団体平均+11.2)となっている。今後は、公共施設等総合管理計画に基づき施設の築年数や稼働率等を鑑みたうえで個別施設計画を策定し、計画的な維持補修や更新を実施していく必要がある。
施設類型別ストック情報分析表②(2018年度)
施設情報の分析欄
図書館、体育館・プール、庁舎の有形固定資産減価償却率が類似団体平均を上回っている。中でも図書館については築60年近く経過し老朽化が進んでいる状況であり、有形固定資産減価償却率は100%に達している。体育館・プールについても築40年を経過する施設があるため老朽化が進んでおり、有形固定資産減価償却率は平成29年度から改善傾向にあるものの、依然として類団平均より高い(+2.2ポイント)水準にある。また、福祉施設及び市民会館の有形固定資産原価償却率は年々増加の一途をたどり、徐々に類似団体平均に迫りつつある。今後は、公共施設等総合管理計画に基づく個別施設計画を策定し、計画的な老朽化対策に取り組む必要がある。
財務書類に関する情報①(2018年度)
1.資産・負債の状況
一般会計等においては、資産総額が前年度末期から431千円の減少(△0.99%)となった。昨年度と同じく、建物・物品の取得よりも減価償却額が伸びるという傾向が続いており、特にインフラ資産が92千円の減少(△0.55%)に転じたことにより、その下げ幅は昨年度より大きくなっている。公共施設等の老朽化もあり、この「取得<減価「償却額」という傾向は今後も続くと予想される。また、負債総額についても前年度末から253百万円の減少(△1.69%)となった。要因は地方債の残高が昨年に引き続き減少しているためで、前年度末から310百万円の減少(△2.44%)となっている。減少傾向の続く地方債の残高だが、今後は大規模な公共事業が予定されているため、いずれ増加に転じると予想される。H28年度に算定方法を見直して以降、負債の増加要因となっている退職手当引当金は、125千円の増加(+35.82%)とその増加の幅を大きくしている。
2.行政コストの状況
一般会計等においては、経常費用は11,108百万円となり、前年度末から50百万円の増加(+0.45%)となった。金額の変動が大きいものは退職手当引当金繰入額で128百万円増加している。ほか、補助金等が300百万円減少(△9.26%)したものの、社会保障給付費が59百万円(+3.61%)、他会計への繰出金が132百万円(+10.32%)共に増加したため、移転費用の減は108百万円(△1.76%)に留まっている。
3.純資産変動の状況
一般会計等においては、税収等の財源(10,606百万円)が純行政コスト(10,768百万円)を下回っており、本年度差額は△162百万円となり、純資産残高は177百万円の減少となった。
4.資金収支の状況
一般会計等における業務活動収支は税収等の伸びや補助金等の移転費用への支出の減により78百万円増加(+10.26%)し838百万円となった。前年度に比べて公共施設等整備費支出が270百万円減少(△35.71%)となった影響で、投資活動収支は255百万円の増となっている。財務活動収支については、地方債等償還支出が37百万円増加(+2.93%)し、地方債等発行収入が85百万円減少(△8.02%)した影響により、収支額は118百万円減少となり、二年連続の減となっている。今後も区画整理事業の一括施行や新図書館の建設等の大規模な公共事業が予定され、義務教育施設の改修や災害復旧事業等も継続的に見込まれるため、必要な資金を基金の取崩しと地方債の発行収入によって確保していくことは避けられない状況であり、経常的な費用の抑制など可能な範囲で行財政改革を推進する必要がある。
財務書類に関する情報②(2018年度)
1.資産の状況
住民一人当たり資産額が類似団体平均を大きく下回っている。要因としては、公共施設等の整備による増加よりも減価償却による減少が大きいこと、全国的に町村の人口が減少傾向にある中で分母となる人口の減少が緩やかであることなどが考えられる。歳入額対資産比率については、どちらも同水準で増減していることから比率に大きな変動が見られない。有形固定資産減価償却率については、公共施設の老朽化が進み多くの施設が更新時期を迎えていることから、類似団体より高い水準にある。また、これらの公共施設等の老朽化に伴い減価償却累計額は前年度比およそ1.6%で上昇している。
2.資産と負債の比率
純資産比率は類似団体平均を大幅に下回っている。負債の大半を占めているのは地方債で、今後も大規模な公共事業が予定されていることから純資産比率は同水準で推移することが見込まれる。これに伴い、将来世代の負担の程度を示す将来世代負担比率も類似団体平均を上回っている。
3.行政コストの状況
住民一人当たり行政コストは類似団体平均を下回っているが、直近4ヵ年ではほぼ横ばいとなっている。コストが低いのは人口に対する職員の数が全国的に見ても少なく、類似団体に比べて人件費の割合が低いためと考えられる。特に近年は構成比率の高かった年齢層が一斉に定年退職を迎え、一時的に職員の平均年齢が下がり人件費が抑制されていた。しかし今後は段階的に人件費が増加していくことが見込まれるため、職員の適正な配置と業務改善により時間外勤務の抑制に努めるほか、委託やリース契約の見直しによる物件費の削減も引き続き実施していく。
4.負債の状況
住民一人当たり負債額は類似団体平均を下回っており、直近3ヵ年では減少している。地方債の残高の減少が大きな要因と考えられる。今後は大規模な公共事業が控えているため地方債の発行額は伸びていくが、人口の増加は見込めないため、当該指標は増加していくと予想される。基礎的財政収支は、投資活動収支の赤字分が業務活動収支の黒字分を大きく下回ったため589百万円となっている。類似団体平均を上回っているのは、人口規模に対し職員数が少なく業務活動収支に占める人件費の割合が低いことが黒字につながっているためと考えられる。投資活動収支が赤字となっているのは、公共施設等の整備に係る地方債や財源不足を補う臨時財政対策債等を毎年発行しているためである。
5.受益者負担の状況
受益者負担比率は類似団体平均を下回っており、行政サービス提供に対する直接的な負担の割合は低くなっている。受益者負担比率は前年度より変動がないものの、経常費用は微増している。公共施設の老朽化や消費税の増税による管理費用の増加により経常費用は今後も増加が見込まれるため、公共施設等の使用料の見直しや利用率を上げるための取組を実施し受益者負担の適正化に努める。
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