地域において担っている役割
公立八女総合病院は八女筑後医療圏において、がん診療、救急医療、周産期医療、生活習慣病医療(予防・治療)を中心とした医療サービスを提供している。また、地域医療支援病院として地域医療機関との連携・協力関係を強化するとともに、地域全体の医療水準の向上を図っている。
経営の健全性・効率性について
平成29年度は、経常収支比率(96.4%)、医業収支比率(97.8%)とともに前年比で改善したが、平成30年度は、経常収支比率(94.9%)、医業収支比率(96.6%)と前年比で悪化した。これについては、病床利用率の向上の目的から入院医療に於いて急性期一般病棟(300床)から急性期一般病棟(257床)、地域包括ケア病棟(43床)への変更を行ったことで入院患者の1人1日当たり収益の減により患者数は増加(病床利用率の改善)したものの収入の増加が前年比100.5%にとどまったこと、外来医療において病院と診療所の機能分化の推進とかかりつけ医機能の推進及び医師の働き方改革により外来患者の減による収入の減少により前年比95.2%となった。また、ベテラン医師が退職し開業した影響もあり、医業収益が前年比98.41%となっている。外来患者1人1日当たり収益は、院内処方を行っていることから、類似病院平均より高くなっている。このため、材料費対医業収益比率についても、薬品費が高くなり、類似病院平均を上回っている。ただし、外来患者数の減少が収入の減少につながっているため、今後は、専門性の高い外来医療の提供や院外処方など検討し診療単価のアップを目指し収益増加を計っていく。累積欠損金比率は低水準であり、財政状態の健全性は保たれている。
老朽化の状況について
本院は建築後27年、管理棟は47年が経過しており、施設の狭隘化が顕著となっている。有形固定資産減価償却率が示すとおり、老朽化も進んでいるため、施設の再整備を検討している。
全体総括
財政状態の健全性(安全性指標:自己資本比率51.9%、流動比率347.2%、当座比率219.6%、固定長期適合率80.9%)は保たれており、新公立病院改革プランに基づき、今後も地域において担っている役割を果たしつつ、収支改善に取り組んでいく。