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財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
旧産炭地域で、公営住宅が多いことから、所得水準が他の類似団体と比べて低く、また町内に主要産業がないことから財政基盤が弱く、近年は財政力指数が0.50前半台で推移しており、類似団体平均を依然として大きく下回っている。税収確保のため税等の徴収強化などに努めているが、担税力のある中高~若年層の人口減少も始まっていることから、今後の確実な歳入の確保を行うためにも定住促進施策の推進を行い、安定的な税収確保等に努め、また歳出面における経費削減に一層努めていく。
歳出においては、前年度に比べ公債費は減少したが、一部事務組合負担金、特別会計への繰出金の増や医療扶助の増加により約6,000万円の増額となり、歳入においては、地方消費税交付金が約6,100万円の増額となったものの、地方税が約5,600万円、地方交付税が約8,600万円減額となったため、経常収支比率は3.1ポイント悪化し91.9%となった。扶助費などの容易には削減しがたい経費が財政構造の硬直化を招いていると考えられる。
類似団体と比較して人件費・物件費が低い要因として、ごみ・し尿処理事業や消防事業などを遠賀郡・中間市で構成する一部事務組合である遠賀・中間地域広域行政事務組合で行っていることがあげられる。職員数について平成26年度は増減もなく、特例条例に基づく平均4.6%の給料削減が終了したため人口1人当たり人件費・物件費等決算額は4,837円高くなっている。また、一部事務組合への負担金、繰出金には人件費・物件費に充てられる経費も含まれているおり、一概には類似団体平均との比較はできないため、今後とも事務事業の効率化及び職員の給与水準及び職員数の適正化を図る
平成23年度から給与抑制のため給料の2.5%削減を実施し、ラスパイレス指数は99.5%と国を下回った。しかし、平成24年4月から2年間国家公務員が東日本大震災の復興財源を確保するため、給料を平均7.8%引き下げたことにより指数の上昇を招いた。水巻町においても平成25年7月より国に準じた引き下げを実施し、給料削減措置を行った。今回のラスパイレス指数算定基準日である平成26年4月1日時点では国家公務員の給料削減終了に伴い、当町においても給料削減措置を終了したことに加え、職員の年齢構成等の要因により再びラスパイレス指数が上昇した。今後、給与構造の検討や職員構成の変動を注視しながら、引き続き適正な給与体系を維持することで、能力や実績に応じた給与制度の確立を目指す。
人口千人当たりの職員数は4.77人と今年度決算においても類似団体と比較して大きく下回っている。要因としては、過去の組織機構の見直しによる課・係の統合、小学校給食調理業務や保育業務などの民間委託などによるものである。今後、権限移譲等に伴う業務追加により職員の負担増が懸念されるが、平成25年度に策定された定員適正化計画に基づき、真に必要な職員数の配置を行い、さらなる住民サービスの向上に努める。
一般会計における起債の抑制を行っているため、着実に実質公債費比率は改善していっている。普通会計における過去の既発債の償還終了に伴い元利償還金は減となっているが、公共下水道事業の進捗により公営企業債償還に伴う繰入金、一部事務組合における消防庁舎や火葬施設の建て替えによる新発債発行により組合等負担額は増加しているため、今後実質公債費率が悪化する恐れがある。また、一般会計においても大規模な公営住宅の建替事業等を予定している事から、実質公債費率の急激な上昇が懸念されるため、今後の償還額を平準化し、今後の事業計画や実施速度、適債性を十分考慮した起債管理に一層努めていく必要がある。
将来負担比率については、類似団体平均と比較しても高い水準を維持できている。財政調整基金に決算剰余金を2億2,000万円積み立て充当可能基金は増額となったが、償還終了による交付税算入見込みが減少となり充当可能財源は前年度と比較すると2億3,800万円減少した。しかし、償還の終了による地方債残高の減少に伴い将来負担額が減少し、将来負担比率は2.5ポイント好転した。今後も公共施設等の大規模改修事業や公共下水道事業の進捗に伴い繰出金の増加が見込まれるため、財政運営の健全化に努め、将来負担の緩和に努める。
平成18年度~23年度において実施した行財政改革緊急行動計画において職員数削減や特殊勤務手当を全廃したほか職員給与2.5%カットを実施したため、類似団体や全国平均と比較しても高い水準を維持できている。平成26年度は前年度と比較して一般職職員の退職者の減少により退職手当が9,300万円の減額となったことに加え、経常一般財源が約5,800万円増加したため人件費における経常収支比率は0.4ポイント好転した。
物件費にかかる経常収支比率は、経常一般財源ベースで見てみると、法定予防接種のメニュー追加やがん検診委託料などによる歳出の増額と歳入の減少により経常収支は0.8ポイント悪化した。類似団体平均とは、ほぼ同水準を維持しているところですが、削減しがたい経費の増加が見込まれるため、引き続き経常経費の削減が必要である。
扶助費に係る経常収支比率は10.0%でありポイントとしては微増であるが、過去5年間で最も高い数値となった。主な要因としては、年々増加傾向である更生医療費、障害福祉サービス費の増加があげられる。扶助費は容易に圧縮することができないことから、福祉施策全体の見直し、健康増進事業の充実を図ることで増え続ける扶助費を抑える必要があると考える。
その他経費の経常収支比率は、前年度に比べ1.3ポイント悪化し、依然として類似団体と比較すると低い水準で推移している。主な要因としては、公共下水道事業進捗(平成37年度完了予定)による公債費増加に対する基準内繰出の増加によるものである。また、公共下水道事業特別会計への繰出金は事業課との交渉により一定の金額での繰出を行っているが、今後使用料の増等は見込めないため増加する建設事業費と公債費を賄うための一般会計からの繰出しが大幅に増加する事が考えられる(平成27年度予算ベースで2,000万円の増加)。そのため、将来負担を見据えた計画的な事業実施が求められる。
補助費等にかかる経常収支比率は、類似団体平均を大きく上回っているが、要因としては、ごみ・し尿処理事業や消防事業などを、遠賀郡・中間市で構成する一部事務組合である遠賀・中間地域広域行政事務組合で行っていることによるものである。遠賀・中間地域広域行政事務組合負担金について、老人福祉施設を民間移譲したことにより老人福祉施設分負担金は減となったが、火葬処理施設の建設事業費増、ごみ処理施設の運営経費増により全体で増となっている。今後、消防庁舎や火葬施設の建替えに伴う新発債借入の元金償還開始に伴う負担金増が予想される。
地方債残高は、平成16年度をピークに毎年度着実に減少しており、公債費についても類似団体よりも高い水準を維持している。しかし、学校、公共施設等の老朽化対策、また実施年度は未定ではあるが公営住宅の建替等の実施に伴い抑制を行ってきた新発債借入の大幅な増加が見込まれることなどから、投資的事業の採択は財政計画、予算編成の段階で十分に精査を行い、国・県補助金を活用することで新発債発行を圧縮し、将来世代への負担を極力抑える財政運営に努める。
公債費を除く経常収支比率については、前年度から3.4ポイント悪化した。主な要因は、歳出経常一般財源は、扶助費、繰出金の伸びもあり約9,700万円の増額、また歳入については経常一般財源である地方消費税交付金が約6,100万円の増額となったものの、地方税が5,600万円、地方交付税が8,600万円減額となり、経常一般財源総額で約1億3,000万円の減額となった事が大きな要因である。自主財源確保に努め、繰出金について過大な繰出しとならないよう、各会計と算定方法等の調整を今後より綿密に行っていく必要がある。
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