経営の健全性・効率性について
収益的収支については、過去5年間、収支比率が100%以上となっており、平均値を大幅に超え、黒字経営となっている。企業債残高対給水収益比率については、類似団体平均値を大きく下回っているとともに、起債償還の最大ピーク時が過ぎ減少傾向となっている。料金回収率についても100%以上、給水原価についても平均値を大幅に下回っており、健全な経営がなされている。しかしながら、施設利用率が最大稼働率に近い状態が続いており、老朽化した管路の改修等を実施し、漏水の軽減に努め施設利用率の減少や有収率の増加に努める必要がある。
老朽化の状況について
施設の利用率が100%に近い状況であり、これをせめて60%前後に下げるには、まず老朽化の進んだ地域の漏水調査等を行い配水管の漏水をなくすることが考えられるが、本町の配水管は、広い範囲で老朽化が著しく進んでいるため、修繕後も新たな漏水が発生する。したがって、管路更新等大規模な事業の実施を検討が必要である。また、一部の地域においては、すでに耐震の配水管を埋設して10年ほど経過したが、現在のところ大きな漏水は見受けられていない。また、管路更新事業を施行するためには、莫大な費用がかかる見込みであるため、水道料金の改定を視野に入れた基本計画等を作成する必要性がある。
全体総括
本町の水道会計は比較的安定した経営となっている。しかしながら、施設に関しては老朽化が多く見られるため、耐震化を視野に入れた管路更新事業を早期に実施する必要性があるが、財源の確保、水道料金等の見直しなど検討課題が多く、事業の実施までにはかなりの時間を有する。現状の施設での応急修繕を実施することにより現状を維持し、今後の管路更新及び耐震化事業に向けて取り組まなければならない。