経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率一般会計繰入金で収支差額を調整しているため、ここ数年100%である。④企業債残高対事業規模比率建設事業を行っていないので新規借り入れがないことと、企業債残高全額が一般会計負担分のため、例年0となっている。⑤経費回収率、⑥汚水処理原価施設の規模に比べて水洗化人口が少ないことと、処理場が集落から離れた場所にあることから、使用料収入が少ない反面、維持管理費は割高になる。そのため、経費回収率は100%を下回っており、汚水処理原価も高い範囲で推移しているが、類似団体平均に比べれば、まだ良い状況といえる。H27以降は、維持管理費が減少傾向にあるので、数値は改善している。⑦施設利用率H29末の水洗化人口は1,020人と、計画人口の3分の2に減少しており、さらに節水意識の向上と節水機器の普及等により、処理水量が減少していることから、40%を下回る低い水準で減少を続けている。⑧水洗化率約9割を維持しており、10年近く変化がない状態である。
老朽化の状況について
H16供用開始という新しい施設であるため、管渠については、改善・更新は行っていない。処理場1箇所とマンホールポンプ8箇所についても、大規模な修繕や更新は行っていない。ただし、どちらも、軽微な修繕に要する費用は、増加傾向にある。
全体総括
供用開始から10年余りしか経過していないことや整備率が100%に達し、新たな設備投資を行っていないことから、企業債残高が少なく、維持管理経費も低位で推移している。しかし、経費回収率が示すとおり、使用料収入で維持管理費が賄えているわけではなく、水洗化人口の減少や節水機器の普及等により、経費回収率や汚水処理原価は年々悪化している。将来的には、管渠や処理場の老朽化により、維持管理経費が増高していく反面、水洗化人口のさらなる減少や有収水量の減少により、経営状況は厳しさを増すことが予想されるので、経営戦略に基づき、使用料の改定と経費の削減を図っていきたい。また、H31に企業会計に移行するので、それにあわせた経営戦略の見直しも行いたい。