経営の健全性・効率性について
施設利用率は類似団体平均値を上回るとともに、有収率はほぼ100%に近い値であることから、施設の稼働状況は良好であると言える。経常収支比率は、前年度と比べて0.38%減少しているが、5年間の推移をみると総じて改善に向かっている。しかしながら、依然として100%を下回っており、累積欠損金比率が年々増加している。さらに、給水原価は類似団体と比べて高水準であるとともに、料金回収率は100%を下回っており、事業に必要な経費を料金で賄うことができていない状況である。また、ダムの建設負担金や浄水場、送水管路等の施設を建設するために多額の企業債の借入をおこなっており、企業債残高対給水収益比率は高い水準にある。短期の支払い能力については、流動比率が100%を上回っており、問題ないと言える。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は、類似団体と比較して低いが、これは類似団体と比較して供給開始から日が浅い(平成5年度一部供給開始)ためと考えられる。同様の理由により、法定耐用年数を経過した管路はない。
全体総括
年々、累積欠損金比率が増加するなど非常に厳しい経営状況が続いている。また、管路の更新時期は当分先となるものの、電気・計装設備等については、すでに更新時期に入っており、今後、更新事業費の増大が見込まれている。このため、今後は、維持管理費等のさらなる削減に努めるとともに、更新等に係る施設整備事業計画を策定の上、中期の財政収支予測や料金の見直しの検討等により、適切な資金確保を行い、事業を進めていく。