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2010年度
人口の推移
財政比較分析表(2018年度)
財政力
財政力指数の分析欄
景気回復を受けて、平成25年度以降は法人関係税等が増収となっており、基準財政収入額が増加していることから財政力指数は改善傾向にある。平成30年度をみると、財政力指数は対前年比で改善し0.52817となっている。平成25年11月に策定した「岡山県行財政経営指針」に続いて平成29年3月に策定した「岡山県行財政経営指針【平成29年3月版】」に基づき歳入確保に努めており、県税収入率の上昇など効果も表れていることから、引き続き歳入確保に向けた取り組みを継続する。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
分母となる「経常的な歳入の一般財源」は、平成26年度以降は臨時財政対策債が減少しており、平成29年度についてはさらに小・中学校における教職員の給与負担の政令指定都市への移譲により普通交付税が減少したことなどから減となった。平成30年度についても臨時財政対策債は減少したものの、地方法人特別譲与税の増などにより、約40億円の増となっている。分子となる「経常的な歳出に充当した一般財源」は、豪雨災害対応に係る人件費の増や社会保障関係経費の増などにより、平成30年度は約61億円の増となった。これにより、平成30年度の経常収支比率は対前年度比で0.5%増加し、96.8%となった。今後も歳出削減等の取組を継続し、持続可能な財政運営に努める。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
人口1人当たり人件費は、岡山県行財政構造改革大綱2008に基づく給与カットが終了した平成25年度以降は増加傾向となっていたが、平成29年度に県費負担教職員の権限移譲などにより大幅に減少し、平成30年度は豪雨災害対応に係る時間外勤務手当の増などにより決算額合計で約4億円の増となった。また、人口1人当たり物件費についても、応急仮設住宅の借上経費等により、決算額合計で約30億円の増となった。人口1人当たり人件費・物件費等決算額は、グループ内平均を上回る水準となっており、職員数の適正化や適切な給与決定、及び経費の縮減に努める。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
平成24年度は給与改定・臨時特例法による国家公務員給与の減額措置のため、本県だけでなく、グループ平均をみても、ラスパイレス指数は高くなっていたが、近年は100前後で推移している。今後も、国や他の地方公共団体、民間との均衡原則等に基づき適切な給与決定を行う。
定員管理の状況
人口10万人当たり職員数の分析欄
岡山県行財政構造改革大綱2008に基づき、最も効率的・効果的に事務事業を行うことが出来るスリムな組織体制を構築するため、平成20年の総定員に対して、平成27年4月までに1,233人の削減を目標として取り組んでおり、平成26年度で実質的には目標を達成した。平成28年度からは、第4次分権一括法に基づき、小・中学校における教職員の給与負担を政令指定都市へ移譲したことから、人口10万人当たり職員数は大きく減少している。今後も引き続き職員数の適正化に努める。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
平成30年度は前年度と比較して0.1%下落している。近年、改善傾向にあり、要因としては、臨時財政対策債を除く地方債に係る公債費が減少していることが挙げられる。しかしながら、今後、豪雨災害関係の地方債に係る公債費が増えるなど、楽観視できる状況ではない。今後も、財政規律を守った持続可能な財政運営を進めるとともに、岡山県行財政経営指針【平成29年3月版】において目標としている臨時財政対策債を除く実質プライマリーバランスの黒字の維持に努める。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
将来負担比率は、平成30度は前年度と比較して2.8%改善している。臨時財政対策債の残高は増加したものの、県債全体の残高では減少したことなどにより全体としては、改善した。岡山県行財政経営指針【平成29年3月版】において、将来負担比率が全国平均値を下回ることを目標としており、今後も継続して地方債残高の縮減を図るとともに、歳入確保に向けた取り組みを継続する。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2018年度)
人件費
人件費の分析欄
行財政構造改革大綱2008に基づき、職員数の削減、諸手当・旅費の見直し、臨時的任用職員の削減等に取り組んできた。職員数については、平成20年の総定員に対して、平成27年4月までに1,233人の削減を目標として取り組んでおり、平成26年度で実質的には目標を達成したところである。平成29年度に県費負担教職員の権限移譲により大幅に減少し、平成30年度は豪雨災害対応に係る時間外勤務手当の増などがあったものの、前年度と同水準となった。今後も職員数の最適化を図るとともに、適切な給与決定を行う。
物件費
物件費の分析欄
内部管理経費の削減を図る一方、業務の効率化を進める中で、民間への外部委託等化を図っているところであるが、類似団体平均と比較すると高い水準となっている。岡山県行財政経営指針【平成29年3月版】の基本理念の一つである「コスト意識」の視点を持ち、今後も継続的に業務の見直しを行い、経費の削減を図る。
扶助費
扶助費の分析欄
類似団体平均と比較すると低いものの、社会保障関係費については、高齢化等の進展により医療や介護に係る費用が増加傾向にあり、今後も増加が見込まれている。平成30年度は、0.1ポイント下降しており、その要因として、難病医療費の政令市への事業移譲などが挙げられる。国の動向も注視しつつ、岡山県行財政経営指針【平成29年3月版】に基づき、健康寿命の延伸や在宅医療の推進などにより、医療費の適正化を図り、社会保障関係費の適切な水準を維持する必要がある。
その他
その他の分析欄
平成30年度は、2.4ポイント上昇しており、その要因として国民健康保険事業会計への繰出金の皆増などが挙げられる。また、公共施設の老朽化に伴い、維持補修費が増大しつつある。岡山県行財政経営指針【平成29年3月版】に基づき、今後も増加が見込まれる維持修繕費・更新費の最小化・平準化を図るため、各種マネジメント手法を導入し、計画的な維持修繕や施設の長寿命化等、長期的な視点から適切な管理に取り組んでいく。
補助費等
補助費等の分析欄
補助費等について、平成19年度から独立行政法人となった岡山県立大学に対する運営費補助金については、行財政改革の取組により、平成26年度以降、対前年度比2%程度を毎年減額することとしているが、依然として金額は大きい。また、高齢化の進展に伴う医療や介護に係る社会保障関係費の増に加え、平成26年度以降は、高等学校等就学支援金の制度変更及び学年進行の影響等により、上昇傾向となっていたが、平成30年度は国民健康保険事業会計の創設に伴い、補助費から繰出金に転換したことなどにより1.6ポイント下降している。
公債費
公債費の分析欄
行財政改革の中で地方債発行抑制に取り組んできた結果、臨時財政対策債に係る公債費は増加傾向にあるものの、それ以外の公債費については、減少傾向にある。また、令和2年2月の推計によると、令和元年度以降は、豪雨災害に係る県債残高は増加傾向の見込みだが、臨時財政対策債を含めた県債残高全体で、緩やかな減少となる見込みであり、今後も岡山県行財政経営指針【平成29年3月版】に基づき、地方債残高の縮減に努め、公債費の適正化を図ることとしている。
公債費以外
公債費以外の分析欄
補助費等の比率について、高齢化の進展に伴う医療や介護に係る社会保障関係費の増や、高等学校等就学支援金の制度変更及び学年進行の影響等により大きく上昇していたが、平成30年度は国民健康保険事業会計の創設に伴い下降した。また、公共施設の老朽化に伴う維持補修費が増大しつつある。それらの影響に加え、平成30年度については、国民健康保険事業会計への繰出金の皆増などにより、公債費以外の比率が0.7ポイント上昇した。岡山県行財政経営指針【平成29年3月版】に基づき、引き続き持続可能な財政運営に向け取り組んでいく。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)
目的別歳出の分析欄
主な構成項目である教育費は、平成29年度に大きく減少している。これは、第4次分権一括法に基づき、小・中学校における教職員の給与負担を政令指定都市へ移譲した影響等によるものである。民生費について、高齢化の進展に伴う医療や介護に係る社会保障関係費の増の影響により増加傾向にあり、平成30年度は豪雨災害への対応に係る災害救助費及び災害救助基金積立金支出等により、前年度に比べ住民一人当たり3,809円の増となっている。同じく、豪雨災害への対応により、災害復旧費が前年度に比べ住民一人当たり7,382円の増、商工費が被災した中小企業等への貸付金制度の創設により3,897円の増となっている。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)
性質別歳出の分析欄
歳出決算総額は、住民一人当たり355,421円となっており、前年度に比べると、住民一人当たり7,080円の増となっている。これは、豪雨災害への対応として「被災者の生活とくらしの再建」、「公共施設等の復旧」、「地域経済の再生」のために総額約400億円を支出したことによるものである。具体的には、公共災害土木復旧費や耕地災害復旧事業費の増などによる災害復旧事業費の増、応急仮設住宅の設置に係る災害救助費の増などによる普通建設事業費の増及び中小企業グループ施設等復旧整備資金貸付金の増による貸付金の増が挙げられる。また、国民健康保険事業会計への繰出金の増などにより繰出金も増となった。一方で、県費負担教職員の政令市への権限移譲に伴う税源移譲が行われ、個人県民税所得割交付金が減少したことによる補助費等の減により、歳出の増加幅は抑制されている。主な構成項目である人件費は、住民一人当たり99,226円となっている。平成29年度に県費負担教職員の権限移譲により大幅に減少し、平成30年度は豪雨災害対応に係る時間外勤務手当の増などがあったものの、概ね前年度と同水準となった。
実質収支比率等に係る経年分析(2018年度)
分析欄平成26年度は、法人関係税が増収となったこと等により税収全体が増加したことを受けて、実質単年度収支はプラスとなっている。平成28年度は、円高・原油安の影響による地方消費税の減収などにより、財政調整基金の取崩が増加しており、実質単年度収支はマイナスとなった。平成29年度は、円安・原油高の影響による地方消費税の増収などにより、財政調整基金の取崩が減少しており、実質単年度収支は前年度に比べ改善した。平成30年度は、豪雨災害からの復旧・復興を優先的に行ったことにより、財政調整基金への取崩が昨年度より増加するとともに積み立てが減少し、実質単年度収支は前年度に比べ悪化した。財政調整基金残高は標準財政規模比5%を上回る水準で推移していたが、平成28年度には取崩が増加したことなどから、下回ることとなった。今後も突発的な財政需要に備えるため、計画的な積立を行うこととしている。
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連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2018年度)
分析欄いずれの会計においても、実質赤字額、資金不足額は生じていない。引き続き持続可能な財政運営・健全経営に努める。
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実質公債費比率(分子)の構造(2018年度)
分析欄元利償還金について、平成29年度は、きらめき岡山創生ファンドの事業期間終了に伴う償還金(貸付先からの償還金を財源とする。)により増加したが、その反動により平成30年度は減少した。同様に、算入公債費等は減少しているが、公営企業地方債の償還財源としての繰入金について、平成29年度は港湾整備事業特別会計への繰出金が増加したが、その反動により平成30年度は減少したことにより、実質公債費比率の分子は減少している。引き続き実質公債費比率について全国平均以上を維持するなど、財政の健全化に向けた取組を継続する。
分析欄:減債基金減債基金積立相当額の積立ルールが30年償還で毎年度の積立額を発行額の30分の1と設定しているのに対して、本県は平成27年度より発行額の一部を20年償還で積立額を20分の1と設定しているため、減債基金残高と減債基金積立相当額に乖離が生じている。
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将来負担比率(分子)の構造(2018年度)
分析欄分子の主要項目である地方債の現在高について、総額では、平成28年度に減少に転じ、平成30年度も引き続き減少した。ただし、豪雨災害分と通常分をあわせて約280億円が未収入繰越となっていることから、多くが翌年度に先送りとなっている状況である。地方債の現在高の内訳を見ると、臨時財政対策債の割合が増加しており、これは基準財政需要額算入見込額にも反映されている。今後も持続可能な財政運営に向け、岡山県行財政経営指針【平成29年3月版】に基づき、地方債の現在高の圧縮等を図り、将来負担比率の全国平均以上を目指すなど、将来負担の軽減に向けた向けた取組を進めていく。
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基金残高に係る経年分析(2018年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)・平成30年度は、豪雨災害からの復旧・復興を優先的に行ったことにより、財政調整基金への取崩が昨年度より増加したこと等により基金全体としては、約39億円の減となった。(今後の方針)・各基金の目的や役割などを勘案しながら、適正な規模の残高になるよう努める。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)・平成30年度は、豪雨災害からの復旧・復興を優先的に行ったことにより、取崩が昨年度より増加するとともに積み立てが減少したことから、残高が減少した。(今後の方針)・大規模災害等の不測の事態などに備えるため、地方財政健全化法における実質赤字比率の財政再生基準を踏まえ、標準財政規模の5%に相当する額(約210億円)を積み立てることを目指す。
減債基金
減債基金
(増減理由)・平成29年度は、公債費の増に対応するため約20億円を取り崩したことにより減少したが、平成30年度は、一定額の積み立てのみを行ったため増加した。(今後の方針)・金利の急激な変動に備えるなど県債の償還を安定的に行うために収支の状況を見ながら、必要に応じ積立てを行っていく。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)・岡山県公共施設長寿命化等推進基金:公共施設の修繕、改築等を計画的に実施し、その長寿命化を図るとともに、将来の大規模事業等の実施に伴う県財政への負担を軽減・岡山県おかやまの森整備公社経営改善推進基金:県土の保全や水資源のかん養等森林の公益的機能に配慮しながら多様な森林の整備を推進し、農山村経済の振興を図るため、その中核的役割を担う公益社団法人おかやまの森整備公社の経営を改善し、将来にわたり健全な経営を確保(増減理由)・岡山県子ども災害見舞金基金:「平成30年7月豪雨」以降の県内で発生した自然災害に係る被災世帯の子どもに対し、災害見舞金を支給する目的で創設したことにより、皆増となった。・岡山県おかやまの森整備公社経営改善推進基金:長期及び短期貸付金の償還補助並びに運営費補助のため約14億円を取り崩した一方、長期貸付金の返済分等として約5億円を積み立てたことにより、残高は減少した。(今後の方針)・岡山県公共施設長寿命化等推進基金:今後も増加する公共施設の維持修繕・更新や大規模事業案件へ対応するため、収支の状況を見ながら、必要に応じ積立てを行っていく。・岡山県職員退職手当基金:職員の退職手当の支給に必要な経費の平準化を図るため、時限的措置である退職手当債制度の代わりとなる本基金を収支の状況を見ながら、必要に応じ積立てを行っていく。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2018年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
・平成29年3月に策定した岡山県公共施設マネジメント方針に基づき、公共施設は、個別施設計画に基づき、施設の長寿命化工事を行う等、老朽化対策を推進している。・有形固定資産減価償却率は、平成28年度から29・30年度と緩やかに増加しており、類似団体平均及び都道府県平均と比較すると少し高い。他県より高度経済成長期を中心に整備された公共施設が多く、老朽化が進行していることが要因となっている。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
・将来負担額のうち大きな割合を占める地方債残高が減少傾向にあることや、岡山県行財政構造改革大綱2008に基づき、平成27年4月までに1,233人の職員定数が削減されており、人件費が抑制されていることなどから、類似団体と比べると債務償還比率は低くなっている。しかしながら、社会保障経費に係る補助費の増等により経常経費充当一般財源が増加したため、債務償還比率は前年度比では増となっており、また、都道府県平均と比べると高い水準にあることから、今後も岡山県行財政経営指針【平成29年3月版】に基づき、持続可能な財政運営を行う。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
・将来負担比率は平成29年度より低下したものの、有形固定資産減価償却率は上昇している。類似団体平均も同様の傾向にあるが、類似団体平均と比べると高い水準にある。将来負担比率は、臨時財政対策債の残高は増加したものの県債全体の残高では減少したことなどにより改善している。一方で、有形固定資産減価償却率は、類似団体より高度経済成長期を中心に整備された公共施設が多く、老朽化が進行していることが主な原因で高くなっており、施設の老朽化対策を計画的に推進していく必要がある。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
・将来負担比率は類似団体と比較して高いものの、実質公債費比率は低くなっている。将来負担比率は、平成29年度に県費負担教職員の政令指定都市への権限移譲による標準財政規模の減少などにより悪化したものの、平成30年度に県債全体の残高の減少などにより改善している。また、実質公債費比率は、改善率は鈍化しているものの、全体としては改善傾向にあり、その主な要因としては、臨時財政対策債を除く地方債に係る公債費が減少していることが挙げられる。今後も岡山県行財政経営指針【平成29年3月版】に基づき、地方債残高の縮減に努め、公債費の適正化を図る。
施設類型別ストック情報分析表①(2018年度)
施設情報の分析欄
・平成29年3月に策定した岡山県公共施設マネジメント方針に基づき、インフラ施設については、各省庁の定めるガイドライン等を踏まえて、施設類型ごとに令和2年度までに個別施設計画を策定し、各施設の老朽化対策を推進することとしている。また、公共建築物については、個々の施設ごとに個別施設計画を令和2年度までに策定し、各施設の老朽化対策を推進することとしており、この中で各施設の耐震改修等を行う計画としている。・有形固定資産減価償却率は、平成29年度と同様に多くの類型において類似団体平均及び都道府県平均を上回っており、特に公営住宅、博物館が引き続き高くなっている。公営住宅は、昭和40年から50年代前半までにその7割が建設されており耐用年数を経過するなど老朽化した建物が増加している。耐震診断基準に基づく耐震診断、耐震改修は完了しており、日頃の維持管理を通じて適切な修繕を実施することにより安全確保を図っている。橋りょう・トンネルについては、橋りょうが昭和40年代に多く建設されており耐用年数の60年に近づきつつあるが、長寿命化計画を策定し効率的・効果的な維持管理に取り組んでいる。博物館については、県立博物館として昭和46年に建築されたものであり、耐用年数の50年に近づいており、平成30年度に策定された個別施設計画に基づいて令和2年度から耐震改修を実施し建物の長寿命化を図っている。図書館、港湾・漁港については、類似団体平均及び都道府県平均を下回っている。その理由としては、図書館については平成16年3月に新設した比較的新しい施設であること、港湾・漁港については、港湾施設において建設から30年経過未満の施設が半分近くを占めており比較的新しい施設が多いためである。・一人当たり有形固定資産額については空港、橋りょう・トンネル、一人あたり面積については学校施設、図書館において、類似団体平均及び都道府県平均を上回っているが、維持管理にかかる経費の増加に留意しつつ、引き続き、県民の利便性の向上に努めていく。
施設類型別ストック情報分析表②(2018年度)
施設情報の分析欄
・庁舎、保健所、試験研究機関、県民会館等において、有形固定資産減価償却率が平成30年度においても類似団体平均及び都道府県平均を上回っている。庁舎、保健所及び試験研究機関については、県庁本庁舎が昭和31年度建築で、建築後63年を経過しているほか、昭和45年度から昭和47年度にかけて建築しているものが多く、近い将来耐用年数が到来する施設が多いことが、老朽化率が高くなっている主な要因である。平成29年度に策定された個別施設計画により、令和2年度から県庁本庁舎等の耐震改修等の長寿命化対策を行うこととしている。警察施設については、平成29年度と比較してやや増加しているが、類似団体平均は減少している。類似団体において施設の更新が進んでいることがその要因と推定される。他の類型の有形固定資産減価償却率については、類似団体平均及び都道府県平均と概ね同水準となっている。・一人当たり面積については、陸上競技場・野球場・球技場、保健所等において類似団体平均及び都道府県平均を上回っているが、維持管理にかかる経費の増加に留意しつつ、引き続き、県民の利便性の向上に努めていく。
財務書類に関する情報①(2018年度)
1.資産・負債の状況
「一般会計等」においては、資産合計は、対前年度比で192億円、0.9%の減となっている。主な要因は、資産の新規取得額よりも、道路などのインフラ資産に係る減価償却費が大きかった結果、有形固定資産が140億円の減となったことである。また、投資その他の資産は、連結対象団体に係る投資損失引当金計上額の増等により、54億円減少した。一方、流動資産は、現金預金の増等により、7億円増加した。負債合計は、対前年度比で91億円、0.6%の減となっている。主な要因は、臨時財政対策債以外の地方債残高の減少や職員定数減に伴う退職手当引当金の減少によるものである。「一般会計等に公営企業会計を含めた全体」及び「全体に一部事務組合・第三セクター等を含めた連結」においても、「一般会計等」と同様、減価償却の進行により、資産合計は減少している。
2.行政コストの状況
「一般会計等」においては、純経常行政コストが対前年度比で18億円、0.4%の減となっている。この主な要因は、経常費用における県費負担教職員の権限移譲による個人県民税所得割交付金の減少や小規模修繕等の物件費の減少、また、経常収益における財産収入や諸収入等の増加である。経常費用5,292億円のうち人件費は1,885億円で35.6%、市町村などへの補助金や社会保障関係費などの移転支出的なコストは2,253億円で42.6%を占めている。「一般会計等に公営企業会計を含めた全体」及び「全体に一部事務組合・第三セクター等を含めた連結」においても、「一般会計等」と同様、人件費や移転支出的なコストが純経常行政コストの大部分を占めている。
3.純資産変動の状況
「一般会計等」においては、税収等の財源が純行政コストを下回り、平成30年度の本年度差額は△50億円となった。本年度差額に加え、資産評価差額や無償所管換等の影響により、純資産残高は101億円の減となっている。道路などのインフラ資産に係る減価償却が進んだことにより、固定資産等形成分における純資産残高が減少している。「一般会計等に公営企業会計を含めた全体」においても「一般会計等」と同様に、純資産残高は減少している。一方、「全体に一部事務組合・第三セクター等を含めた「連結」においては、純資産残高は増加している。
4.資金収支の状況
「一般会計等」においては、業務活動収支が377億円のプラスとなっている一方、投資活動収支は、平成30年7月豪雨災害等の影響で公共施設等整備費支出などの投資活動支出が基金取崩収入などの投資活動収入を上回り301億円のマイナス、財務活動収支は、地方債等発行収入などの財務活動収入より地方債等償還支出などの財務活動支出が大きかったため、59億円のマイナスとなっている。そのうち、業務活動収支は昨年度に比べ、業務収入が増加したことなどから、対前年度比でもプラスとなっている。結果として、本年度資金収支は18億円のプラス、本年度末資金残高は91億円となり、資金収支の面からは、税収等の範囲内で経常的な活動を行いつつ、地方債の償還なども行えていると言える。また、「一般会計等に公営企業会計を含めた全体」においては、本年度資金収支が88億円のプラスとなり、本年度末資金残高は320億円となった。
財務書類に関する情報②(2018年度)
1.資産の状況
「住民一人当たり資産額」や「歳入額対資産比率」について、類似団体平均よりも大きい値となっており、財政力に対する資産が大きい状況となっている。一方で、「有形固定資産減価償却率」も類似団体平均より大きい状況となっており、資産の老朽化が進んでいる状況である。
2.資産と負債の比率
「純資産比率」について、類似団体平均に比べ大きい状況である。道路などのインフラ資産等の減価償却が進んでいることから、資産合計は昨年度に比べ、減少している。また、「将来世代負担比率」については、類似団体平均に比べて小さい値となっている。減価償却の進行に伴い、資産が減少しているものの、地方債残高についても減少していることから、当該比率は昨年度から横ばいとなっている。
3.行政コストの状況
「住民一人当たり行政コスト」については、類似団体平均よりも大きくなった。臨時利益においてH29に計上した県費負担教職員の権限移譲に伴う退職手当引当金戻入がH30では落ちることなどにより、純行政コストが昨年度よりも増加している。
4.負債の状況
「住民一人当たり負債額」については、県債残高、退職手当引当金などの減少により負債が減少したことから、値は減少しているが、類似団体平均よりも大きい状況が続いている。「基礎的財政収支」については、平成30年7月豪雨災害に伴う公共施設等整備費支出の増等により投資活動収支が323億円のマイナスとなっているが、業務活動収支が476億円のプラスだったため、合わせて153億円のプラスとなっており、経済規模に対する地方債の比率を増加させることなく、財政運営を行うことができている。
5.受益者負担の状況
「受益者負担比率」については、類似団体平均と同水準となった。昨年度と比べ経常収益が増加したことにより、当該比率は増加している。
類似団体【B】
宮城県
福島県
茨城県
栃木県
群馬県
埼玉県
千葉県
神奈川県
石川県
長野県
岐阜県
静岡県
愛知県
三重県
滋賀県
京都府
大阪府
兵庫県
岡山県
広島県
福岡県