南部町：西伯病院

地域において担っている役割

急性期から療養期まで、幅広い病期の患者受入れ体制を構築し、地域に根ざした医療提供を行い、地域住民への安心の提供を行う体制を維持している。また県内唯一の精神科を有する町立病院として精神科医療に貢献し、特に精神疾患患者等の身体合併症患者を幅広く受入れている。

経営の健全性・効率性について

自治体が運営する精神病床を有する病院が近隣にないことから、同種の病院区分平均より病床利用率、医業収支比率は高くなっているが、採算確保が困難な医療を提供しているため、一般病院と比較すると医業収支比率は低くなっている。精神障害者の地域生活への移行が進んでおり病床利用率が減少傾向にある。また、人口減少や予防医療、保健事業による健康増進施策の展開により、併設の一般病床および療養病床、外来患者数ともに減少傾向にある。

老朽化の状況について

平成17年に病院を改築し、施設全体の老朽化については、低い数値となっている。機械備品については、平成25年度に電子カルテ、CT等の高額な医療機器を整備し起債償還が多額となっている。医療機器の耐用年数を超えているものがあるが、可能な限り修繕等で対応している状況に変わりはない。

全体総括

平成30年度においても昨年度に引き続き、入院・外来収益ともに減少した。人口減少、精神障がい者の地域移行による病床利用の減、予防医療や保健事業による健康増進施策の展開により今後も病床利用率や収益の改善は見込めない状況である。しかし地域住民の健康増進、生活維持のための医療提供を今後も継続していくため、介護療養病床の機能転換への議論を進めるとともに、西部圏域における病院全体の病床機能のあり方や、中長期にわたる経営の安定化のための検討を加速化していく必要がある。