経営の健全性・効率性について
本町の集落排水処理施設使用料は、全国的にみて高い水準にあり、水洗化率(⑧)も高いため、類似団体平均値に比べると高い経費回収率(⑤)となっています。また、現在は新たな投資がなく、債務残高は減少傾向にあります(④)。しかし、漁村部においては人口減少、高齢化が著しく、さらには節水意識の向上により、排水量・使用料収入ともに減少しています。このため、処理場を有する地区におていは施設利用率(⑦)が減少傾向にあり、汚水処理原価(⑥)も割高になるため、赤字の原因となっています。今後、人口増加等による排水量の増加は期待できないため、水洗化率を限りなく100%に近づけていくこと、また、規模に適した汚水処理方法に見直していくことなどの対策を講じる必要があります。
老朽化の状況について
網代地区が平成元年に、東地区が平成12年に、田後地区が平成16年にそれぞれ供用開始しました。東・田後の両地区は、供用開始後10~15年程度になりますが、管渠の老朽化による問題は発生していません。一方、網代地区は、供用開始から間もなく30年となり、不明水の流入が問題となっています。今後、管渠の耐用年数(50年)、財政の見通し等を踏まえながら不明水対策及び更新計画を立てることが課題となります。
全体総括
本町の下水道使用料は高い水準にありますが、それでもなお、使用料のみでは汚水処理経費を賄えていない状況にあります。特に、処理場を有する東地区の経費回収率は5割程度と、公共下水道に接続している網代地区及び田後地区を大きく下回っています。既存資産の有効活用だけでなく、将来的には、汚水処理施設の見直しを含めた検討を行うことが必要です。