経営の健全性・効率性について
収益的収支比率及び経費回収率について、本来、料金収入で会計全体を賄う独立採算による経営が基本と考えますが、全体計画区域内の地域実情を勘案する中で、現状の料金収入のみで運営することは困難な状況であり、一般会計からの繰入金収入に頼らざるを得ない状況です。今後、経営改善に向け施設維持管理経費の更なる節減や、計画的な施設改修等に努めてまいります。汚水処理原価は、類似団体より低い数値となっているため、接続率の向上を図る等有収水量の増加に努め、汚水処理原価の改善に努めてまいります。施設利用率は、類似団体より高い数値を維持しており、今後もさらに接続促進の普及啓発・周知活動を行い、施設利用率を高めていけるよう努めてまいります。水洗化率は、類似団体平均値より低い状況となっており、使用料収入の増加を図るためにも水洗化率向上の取り組みに努めてまいります。
老朽化の状況について
平成30年度に国道田辺西バイパス工事に伴い管渠の一部を敷設替えしましたが、現在、大きな改修を要する施設の故障等は生じていません。令和元年度事業として、施設及び管路等の機能診断調査と機能保全計画(長期的な改修計画)の策定を行いました。今後老朽化により発生する改修経費も想定した計画的な老朽化対策に取り組んでまいります。
全体総括
本市の漁業集落排水事業は、本市の芳養地域で行われている事業です。平成21年9月全域供用開始から平成29年度までは加入戸数も増加傾向で料金収入も徐々に増加してきている状況でありましたが、令和2年度は加入戸数及び料金収入も横ばいであったため、更なる接続促進の啓発及び周知活動に努めるとともに、令和元年度に行った機能診断調査・機能保全計画(長期的な改修計画)に基づき、計画的かつ効率的な施設の維持管理を行い、地域の生活環境の向上を図り、経営の安定化に努めてまいります。