地域において担っている役割
南和保健医療圏における唯一の救急告示病院としての救急医療、小児救急医療、地域の中核病院としての消化器疾患、糖尿病、外傷・運動器疾患等の専門医療、災害時に対応する医療、在宅への連携を見据えた高齢者医療、へき地医療、さらに新型コロナウイルス感染症患者受入及び、ワクチン接種に対応している。
経営の健全性・効率性について
南和保健医療圏内の公立3病院の病院機能を再編し、医療圏内における救急病院(急性期)として平成28年度から運営を開始した。令和3年度においても新型コロナウイルス感染症による影響が大きく、新型コロナウイルス感染症対応病床確保のため病床利用率も82.9%と昨年度より減少している。補助金や診療単価の増加等により、経常収支比率は改善している。医業収支比率は、新型コロナの影響により大きく落ち込んだ令和2年度からは持ち直しているが、コロナ禍前の水準には達していない。令和2年度に職員の処遇改善を行った結果、人件費が増大し、令和3年度も昨年と同程度の職員給与費対医業収益比率となった。今後も医業収支比率の向上に向けて、更なる収益向上、費用の適正化等の取り組みを進めていく。
老朽化の状況について
医療圏内の公立3病院の再編により、新たに救急病院(急性期)として施設整備を行ったため、1床当たりの有形固定資産は平均値より高くなっている。初期投資が賄えるよう収益の確保、費用の適正化に向けたコスト管理などの取り組みを進めていく。
全体総括
南和保健医療圏内の公立3病院を1つの救急病院(急性期)と2つの地域医療センター(回復期・慢性期)に再編し、平成28年度から運用開始した。「南和の医療は南和で守る」という基本理念のもと、南和地域における安心安全の医療体制を将来にわたって持続的に確保していくために、引き続き、公立病院改革プラン(南和広域医療企業団中期計画)に基づく取り組みを進め、経営環境の改善を図っていく。また、新型コロナウイルス感染症の対応についても感染の動向を注視しながら継続して行っていく。