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本市は大阪都市圏の住宅衛星都市であり、市内には中核となる産業がなく事業所数も少ないことから、税収は個人の市民税、固定資産税の占める割合が大きく、財政力指数は類似団体平均を大きく下回っている。引き続き、企業誘致の促進など税基盤の拡充に努めるとともに、市税の徴収強化、徴収率向上に取り組む。
平成3年の市制施行後、義務的経費が急増したことから、平成14年と18年の2度にわたり財政再建実施計画を策定し、職員定数削減等による総人件費の削減や事務事業評価システムを活用した事務事業の抜本的な見直し、特別会計経営健全化による繰出金の抑制等経常経費の削減に取り組むとともに、市税の徴収率向上、企業誘致による税基盤の拡充など、歳入の確保に取り組んでいる。平成26年度は、人件費は減少したものの、扶助費と公債費の増加などが要因となり、経常収支比率が悪化した。
人件費は、職員給、退職金とも、前年度より減額となっている。特に退職金は前年度よりも退職者が10名少なかったことにより、49.1%の減額となっている。物件費は、これまで施設管理・運営の指定管理者委託を進めてきた結果、歳出総額に占める割合が類似団体の中でも高い方に属している。平成26年度は、臨時的経費の委託料が増加したこと等により、前年度よりも増加している。今後も、市民サービスの維持向上と、経費抑制との両立に取り組むため、行政運営の体制見直しや人材育成の推進などに積極的に取り組む。
平成18年4月の給与構造改革による制度見直しや、平成27年4月から管理職員の給料を2.5%~4%減額しているなど人件費抑制に努めているが、団塊の世代の退職で新たに職員を採用したことによる年齢構造の変動により、国の給与水準を下回っているものの類似団体の平均を若干上回っている状況にある。今後においては、毎年度見直している「定員管理計画」に基づき、職員数の適正化と人件費の抑制に取り組む。
毎年度見直している「定員管理計画」に基づく行政運営体制の見直しや人材育成の推進などにより、類似団体平均を下回っている。また、同計画に基づき、平成36年4月1日時点の職員数を平成27年4月1日現在の387人から361人と目標設定し、計画的な職員採用を行う。
これまでの2度にわたる財政再建の取組みにおいて、投資的事業による地方債発行の抑制を図ってきたところであるが、近年の起債額の増加等により、年々悪化しつつある。今後は事業の選択と集中等により、将来にわたって持続可能な財政基盤の構築に取り組む。
平成26年度は、義務教育施設の耐震化・大規模改修に加え、防災コミュニティセンターの整備等を実施したことから投資的事業費が増加し、これに伴って起債額も増え、将来負担比率が上昇した。今後も、施設の耐震化・大規模改修のほか老朽化施設の改修等により将来負担比率の上昇が考えられることから、新規事業については選択と集中により厳選するとともに、公共施設の整理統合を進めるなど、将来の世代に過度の負担を残さないよう、財政の健全化を図る。
平成14年の財政再建実施計画策定以前から職員数削減の取組みを進めてきたことにより、職員数は、類似団体平均より低く推移している。人件費は、職員給、退職金とも、前年度より減額となっている。特に退職金は前年度よりも退職者が10名少なかったことにより、49.1%の減額となっている。今後も、市民サービスの維持向上と、経費抑制とを両立するため、行政運営の体制見直しや人材育成の推進などに積極的に取り組む。
物件費は、第二次財政再建実施計画に基づき公共施設における指定管理者制度の導入を推進しており、歳出総額に占める割合、経常収支比率とも、類似団体の中では高くなっている。平成26年度は総額が増加したが、これはシステム改修費等臨時的経費の委託料が増加したこと等によるものである。今後も、指定管理者制度の適切な運用や業務の見直し等により、市全体として効率的・効果的な業務遂行を図る。
2度にわたる財政再建実施計画により扶助費(単独事業分)などを見直してきたことから、類似団体平均と比較して低く推移してきた。平成26年度は、臨時福祉給付金や生活扶助費増加等に伴い、前年比で支出が増加した。今後は、社会の高齢化や、民間のグループホーム・有料老人ホーム等の施設の増加に伴い、社会福祉費・老人福祉費等民生費の増加が想定されることから、引き続き、専門職員によるケースワーカ―を設置し、適切な福祉行政に努める。
「その他」の経常収支比率の内訳は、維持補修費が0.9%、繰出金が18.1%となっている。類似団体平均を上回っているのは、普及率が50%に満たないため事業収益を補てんする必要がある下水道事業特別会計や、累積赤字を抱える国民健康保険特別会計に対する繰出金の影響が大きい。今後も特別会計経営健全化計画の着実な取組みにより繰出金の削減に努める。
補助費等の、歳出総額に占める割合、経常収支比率が類似団体と比較してやや高めになっているのは、一部事務組合で行っているごみ処理業務、消防業務および市立病院事業に対する補助費(繰出金)によるところが大きい。平成26年度は、ごみ処理業務、消防業務への繰出金は増加したものの、市立病院事業に対する繰出金が大きく減少したため、全体としては減額した。
2度にわたる財政再建実施計画に基づき投資的事業を抑制してきたことで、公債費は類似団体よりも低く推移している。平成26年度は、平成15年度借入の臨時財政対策債を一括償還したことに伴い、公債費としては増加した。今後も事業の選択と集中等により、将来にわたって持続可能な財政基盤の構築に取り組む。
「公債費以外」の経常収支比率の主なものは、人件費が25.2%、繰出金が18.1%、物件費が16.3%、扶助費が10.4%となっている。類似団体を上回っているのは、指定管理者制度活用による物件費や各特別会計への支出である繰出金の影響が大きい。今後も人件費総額の抑制に努めつつ、物件費の適正な支出や特別会計の健全な運営等により、経常的経費の抑制を図る。