地域において担っている役割
南丹医療圏の最終拠点病院であることに高い意識を持ち、近隣の医療機関及び介護・福祉施設との連携を深め「急性期・がん診療を含む高度専門的医療」と「回復期・在宅支援機能」を持ち地域包括ケアシステムにおける中核病院の役割を担っています。慢性的な医師不足の中、救急・小児救急・周産期医療等の政策医療の責務も担い地域住民から高い評価を受けています。また南丹医療圏(南丹市・亀岡市・京丹波町)の災害拠点病院であり「災害医療」の役割も担っています。更に平成31年1月に地域医療支援病院の承認を受けました。
経営の健全性・効率性について
収支比率のうち②については、新型コロナ感染症拡大の影響を受け患者数が大きく減少したことにより入院・外来収益が減額しました。また感染拡大対策に伴う関連費用及び会計年度任用職員制度に伴う費用の増額(⑧及び⑦)も重なり低下しました。ただし①については、コロナ感染対策関連支援により収支均衡が図れたものとなりました。③の累積赤字額を示す比率については、昨年度とほぼ横ばいで赤字があるものの、類似病院・全国平均値と比べると良好な値を示しています。④については、休床中の病棟(52床)を含んだものであり除いた値は、76.1となります。
老朽化の状況について
①建屋の老朽化(本館診療棟築46年・第一病棟築32年・第二病棟及び看護専門学校築18年)が進み類似病院と比較し高値となっています。②器械備品については、当医療圏の要である事の認識を深め、診療内容の充実(高度医療)・患者サービスの向上の為、医療機器等を順次更新及び新規の機器や管理システムを導入しています。③類似病院・全国比較において設備投資額は、低値(少額)を示しており明らかに老朽化が窺え適切な維持管理が必要です。また、現在構想中の新病棟建替えにおいては適正な病床数の判断が求められます。(一病棟52床休床中)
全体総括
令和2年度については、新型コロナ感染症の蔓延により大変厳しい年度となりましたが、昨年度に引き続き黒字決算を堅持しました。南丹医療圏の拠点病院として、各医療機関との連携を更に深め、患者及び医業収益の確保に努め、経営の安定化を図り、益々高齢化が進む当医療圏の患者ニーズに応えるべく努めてまいります。それらを実現する為にも老朽化の進む病院施設の建屋について早急に建替えの計画を進めることが直近の重要課題となっています。また、本医療圏では初めての「地域医療支援病院」として承認を受けましたが地域医療の充実・地元地域完結型医療を掲げ、地域住民の皆様に安心・安全な医療の提供に努めてまいります。