地域において担っている役割
南丹医療圏の最終拠点病院である事に高い意識を持ち、近隣の医療機関および介護・福祉施設との更なる連携を深め地域包括ケアシステムの構築を進めているところです。一方、公的機関として一般診療以外に不採算部門である救急・小児救急・周産期医療等の責務を担っています。なかでも産科・小児救急医療は、医師不足と言われつつ確保に努め継続している事については、地域住民から高い評価を受けています。
経営の健全性・効率性について
①・②の収支比率について、病棟の再編(平成28年度途中から回復期リハビリ病棟・地域包括ケア病棟を開設)による入院収益増等により収支比率が改善しました。③について、29年度収支が単年度黒字決算となり欠損金が減少しました。④の病床利用率は休床中の病棟52床が含んでおり、除いた値は79.8です。⑤については前年度の請求遅延分が含まれており除いた当年度値(病棟再編等による収益増が単価増の要因です)は54千円となります。⑥については府下類似施設と同推移となっています。以上の様に一部前年度の診療未収収納によるものもありますが病棟再編により経営状況が改善傾向で、現年度についても比較的良好な状況で経過しています。⑦・⑧についても再編による人員補充等により経費は増加傾向ですが、それらを上回る収益増により均衡のとれた比率となっています。
老朽化の状況について
建屋の老朽化(本館診療棟築43年・第一病棟築29年・第二病棟及び看護学校築15年)が進み類似施設と比較し高値となっています。器械備品については当医療圏の要である事の認識を深め、診療内容の充実(高度医療)・患者サービスの向上の為、ここ数年順次機器の更新及び新規の機器や部門管理システムを導入しています。平成27年度…リニアック装置導入及び病院情報システム(電子カルテ)の更新。平成28年度…第一MRI装置のリプレイスと新規に第二MRI装置の設置。平成29年度…透析通信管理システムの更新。③について、類似施設の府下・全国のどちらと比較しても固定資産全体の設備投資額は低値(少額)となっておりこちらからも老朽化が窺えます。
全体総括
平成29年度決算について、前年度に行いました病棟再編等により診療収入の増益となりましが、引き続き新公立病院改革プランに基づき経常収支・医業収支100%超えの安定した経営状態により益々高齢化が進む当医療圏の患者ニーズに応えるべく努めてまいります。また、病院施設の建屋については早急に改築の計画を進める事が直近の重要課題となっています。