東栄町：簡易水道事業（法適用）

経営の健全性・効率性について

①収益的収支比率…過疎化による給水人口の減少が進んでいるため使用料収入は減少傾向である。前年度に比べ過年度使用料回収が進んだこと、またコロナ禍による外出自粛の影響による１人当たりの使用水量及び使用料の増加、公営企業法適用化業務に係る地方債借入などにより、収益的総収益が増加ことで収支比率は増加した。④企業債残高対給水収益比率…元金償還額に対し新規の地方債借入が少ないことから企業債残高が減少し、前途の使用料収入の増加に伴い、前年度に比べ減少した。⑤料金回収率…配水管路の老朽化等による漏水量が年々増加しており、有収水量の減少が給水単価、給水原価に影響し低下した。⑥給水原価…施設維持管理費用、公営企業法適用化費用など支出額は増加したが、有収水量の減少の影響が大きいため給水原価が上昇する結果となった。⑦施設利用率…給水人口減少により使用水量は減少しているが、漏水量の増加などにより、施設利用率は増大した。⑧有収率…給水人口の減少により有収水量は減少しているものの、配水管路の老朽化、冬季の漏水など年間配水量が増加したため、有収率は減少する結果となった。

老朽化の状況について

町内に１２施設ある浄水施設の多くが昭和後半から平成前半に造られたものであり、導送配水の各管路の管種においても耐震構造を有していないものがある。令和２年度に管路更新計画を作成したが、約１４０㎞ある管路の更新には多くの費用と期間が必要であり、更新化率を大きく伸ばすことは容易ではないと考えられる。現在は、地震等の災害対策を踏まえた効率性から、配水管路の被災等による断水時においても浄水場に水を確保できるよう水源から浄水場までの導水管路の更新事業を進めている。

全体総括

今後も少子化、高齢化による給水人口の減少が進むものと考えられることから、料金収入の増加は見込めないため、施設維持管理の効率化、最適化による更なる歳出の削減及び給水人口の減少下における収入確保対策を講じなければならない。令和５年度の公営企業法適用により、事業の状況把握及び分析から経営の見直しを行い、老朽化対策の計画的実施と有収率の向上に努める必要がある。なお、経営戦略については令和２年度に策定し、公営企業法適用化後の見直し予定である。