収益等の状況について
本駐車場の経営につきましては、過去5年間でほぼ横ばいに推移しています。①収益的収支比率については、平成29年度より大幅な増加となっていますが、要因として工事のための基金取り崩しによる収入増があります。収益的収支比率は毎年度100%を超えており、他会計からの繰入を行わず、特別会計にて独立採算制を保てていることから問題ないと判断しています。本駐車場の立地状況として、年間を通じて多くの来客がある観光地に近接していることや立地適正化計画で定める拠点駅に隣接していることからパーク&ライドによる通勤等の利用があり、今後も安定した収益が見込めます。今後も安定した経営を継続していくとともに、費用削減を行い、更なる収益向上に努めます。
資産等の状況について
⑩企業債残高対料金収入比率については、償還開始からの経年が浅いため、全国平均より高くなっていますが、類似施設平均値と比較しても大きな乖離はなく、当初計画に従い、計画的な地方債償還を行っているため、大きな問題はないと考えます。今後10年における⑧設備投資見込額については、現状の収益や施設の経年劣化を勘案すると妥当だと判断します。資産全体の価値を鑑みても、現在の立地に必要不可欠なものと考えており、引き続き民間の管理運営ノウハウを利用することで資産価値の向上に努めます。また、地方公営企業法は非適用としているため、⑥有形固定資産減価償却率及び累積欠損金比率については「該当数値なし」となっています。
利用の状況について
施設の利用状況(⑪稼働率)につきましては、過去5年間の経年比較において、ほぼ横ばいで推移しています。全国平均値や類似施設平均値と比較すると低調ではありますが、現状では100%近い値であり、またパーク&ライドによる定期利用者数が年々増加していることを鑑みれば、問題ないと判断しています。本駐車場の立地として観光地に隣接していることから観光客の利用も多数あることから観光施策を含めた稼働率の向上を検討していく必要があります。現在の利用状況については収益面からも妥当であると判断します。
全体総括
本駐車場全体としては、各種全国平均値等より低い項目が見られますが、収益状況は横ばいであることや他会計からの繰入を行わない独立採算制を保っていることから健全な経営が行われていると判断しています。また周辺の類似駐車施設と比較しても定期利用料金及び一時利用料金は妥当な金額であり、定期利用者数は年々増加していることからも今後も安定した収益を見込んでいます。経営戦略については令和2年度に策定予定です。今後は近隣市町村との情報共有等や指定管理者による民間企業のノウハウの活用により、本駐車場の管理運営業務の質の向上に努めます。また、利用者からのアンケートを実施し、利用者ニーズに応えていくことで、本駐車場の資産価値を高め、利用者の更なる増加、収益の増加に努めていきます。