掛川市:公共下水道

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経営比較分析表(2020年度)

経営の健全性・効率性について

当市の公共下水道事業は、令和2年4月に地方公営企業法を適用し公営企業会計に移行しましたので、前年度比較はありません。経営の健全性において、①経常収支比率は100%を超えており収支の均衡は保たれていますが、⑤経費回収率は74.20%と100%を下回っており、類似団体・全国平均よりも低く、汚水処理に係る費用が使用料収入以外の収入(一般会計からの繰入金)により賄われています。⑥汚水処理原価は類似団体よりも高くなっており、処理場を特定環境保全公共下水道事業と共用していることや、離れた3つの処理区で別々に処理を行っていることから費用が大きくなっています。経費の節減、効率的な経営努力が必要です。③流動比率は100%を下回っていますが、流動負債の半分以上を企業債償還金が占めており、一般会計からの繰入金により賄われる見込みです。また、④企業債残高対事業規模比率は類似団体・全国平均よりも高くなっていますが、今後、償還ピークを迎える中で、引き続き新たな借入を償還額以内に抑えながら企業債残高の減少に努めます。経営の効率性において⑦施設利用率は類似団体・全国平均を比較して低くなっています。令和4年度以降の農業集落排水及びコミュニティプラントの編入により処理水量の増加に繋がる見込みですが、長期的には節水型機器の普及に伴い大幅な増加が望みにくい現状にあります。また、⑧水洗化率は全国平均を下回っているものの類似団体に近くなっています。引き続き未接続世帯への啓発活動を行い水洗化率の向上を図ります。

老朽化の状況について

当市公共下水道事業は平成6年度から建設事業を開始しており、老朽化は現時点ではありません。①有形固定資産減価償却率は、公営企業会計移行初年度であるため、減価償却費の当年度分の数値を基に算出しています。今後、この数値は減価償却を重ねていくことにより上昇します。

全体総括

令和2年度から地方公営企業法を全部適用し公営企業会計に移行したことにより、経営成績や財務状況等の経営状態を把握することができました。主な課題として、経費回収率が低く汚水処理原価が高くなっており一般会計からの繰入金の割合が高いことが挙げられます。今後、経営状況を改善するため、投資・財政計画を見直すとともに計画的な管路整備に加えてストックマネジメント計画に基づく施設等の修繕を推進します。また、公費負担の割合見直しに合わせて適正な使用料水準の検討を行い、健全な下水道事業の継続を目指します。

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