長野県地方独立行政法人長野県立病院機構：木曽病院の経営状況（2022年度）

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経営比較分析表（2022年度）

地域において担っている役割

木曽医療圏で唯一の病院として、24時間365日体制による救急の対応、災害時における医療活動の拠点としての活動、無医地区への巡回診療やへき地診療所への支援、地域がん診療病院としてのがん治療など、地域医療を提供している。また、令和２年３月に介護医療院を開院し医療と介護を一体的に提供する体制を整えるとともに、併設の木曽介護老人保健施設と提携し医療と福祉の切れ目のないサービスを提供している。当医療圏は中山間地域であり高齢化が進んでいる。また、地域診療所医師の高齢化などに伴う診療所の廃止も懸念され、診療所への医師派遣や、へき地・中山間地域におけるオンライン診療の普及定着、訪問看護など在宅医療の充実など、地域からの期待は大きい。

経常収支比率

医業収支比率

修正医業収支比率

累積欠損金比率

病床利用率

入院患者１人１日当たり収益

外来患者１人１日当たり収益

職員給与費対医業収益比率

材料費対医業収益比率

経営の健全性・効率性について

・令和４年度は、①経常収支比率は、コロナ禍における受診控えや入院制限の影響から入院、外来患者数が減少、新型コロナウイルス緊急包括支援事業補助金を受けても前年度を下回り、類似病院平均値も下回った。②医業収支比率では、新型コロナウイルス感染症の院内クラスターの発生による入院制限や外来休診、医師の療養休暇に伴う手術の抑制などにより、前年度を下回った。・④病床利用率は、病棟で新型コロナウイルス感染症の発生に伴う入院制限と、県の要請に応じて病棟を新型コロナウイルス感染症へ転用したことにより大きく減少した。・⑤⑥の１人１日あたり収益は、コロナ感染者の入院受入れや発熱外来への対応、即時対応が求められる外傷や悪性腫瘍の手術など、比較的単価の高い症例の比重が大きい傾向が、令和２年度より入院、外来ともに続いている。・⑧材料費対医業収益比率は、SPDシステムの本格導入により、適正管理を心がけている。

有形固定資産減価償却率

器械備品減価償却率

１床当たり有形固定資産

老朽化の状況について

有形固定資産、機械備品減価償却費率は類似病院の平均値をいずれも下回っている。建物建設から30年が経過、施設設備の経年劣化が進んでおり修繕対応が増加、今後も設備維持の費用増大が見込まれ、緊急度、優先度を精査した投資を行っていく必要がある。将来的には、施設の建て替え・改築の検討が必要である。

全体総括

木曽地域の人口減少、救急搬送件数の減少、新型コロナウイルス感染症等の要因により、病床利用率が全国平均を下回っている。検診等の予防医療や訪問看護等の在宅医療を推進するなど医療の質を向上させながら支出を必要最小限に抑えるとともに、医療計画を踏まえ実情に合った許可病床数への見直しなど、経営の効率化を図る必要がある。

出典：経営比較分析表,

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