地域において担っている役割
山梨県の富士・東部医療圏において二次救急医療機関として、一般の医療施設では困難な救急・急性期医療を提供していくことに加え、医療資源が不足する地域への診療の提供を効果的に行うことで、市民の健康を守りながら地域医療の向上に努め、公立病院としての役割を担っている。将来にわたり地域医療の確保・継続が可能な体制を構築することを基本として、山梨県が示す地域医療構想や地域医療構想調整会議での合意事項との整合性を図ると共に、医師や看護師等の確保を一層進めながら、市民に質の高い適切な医療を安定的に提供していくために取り組んでいる。
経営の健全性・効率性について
●経常収支比率・医業収支比率・病床利用率経常収支比率は昨年度より4.1ポイント低下したが100%を超え、類似病院平均値を上回っている。医業収支比率・病床利用率は、類似病院平均値を下回っており、他会計からの繰入金に依存している。看護師確保が厳しい状況の中で地域の状況にあった病院規模・病床数とし経費の削減に努め、中期計画の目標数値を上回ることができた。今後もこれを維持できるよう健全な運営に努めたい。●材料費対医業収益比率材料費対医業収益比率について昨年度より5ポイント低下し改善が見られた。医薬品の薬価や、医療材料の償還価格の適正な算定に努め、調達に係る費用削減のための取組を継続していく。●職員給与費対医業収益比率職員数は減少しているが、職員給与費用は前年度より(臨時職員賃金)増額しているため、前年度より0.9ポイント上昇した。
老朽化の状況について
●器械備品減価償却率平成31年4月地方独立行政法人への移行に伴い、老朽化の著しい資産について整理した。そのため以降前より44.7ポイント減少(改善)された。今後は、更新計画を立て、更新投資時には既存設備の性能を将来需要の予測を踏まえて、過大な投資とならないよう機種選定をすすめていく。
全体総括
平成31年4月1日に地方独立行政法人(非公務員型)へ移行し、初めての決算であった。収入においては、常勤医師や看護師確保が進まず、病棟数を削減したため、収入減となったが、費用について、契約の見直し、薬品、診療材料の調達コストの見直し、在庫管理を適正に実施し、後発医薬品を積極的に採用するなど経費の削減に努めた。この結果、収支においては、中期計画の目標数値を上回ることができた。今後は、地方独立行政法人大月市立中央病院として、地方独立行政法人制度の特長である自主性・自律性を最大限に発揮し、市民の医療需要の変化に的確に対応し、二次救急医療をはじめ市民が求める地域に根ざした医療の提供を目指す。