地方独立行政法人山梨県立病院機構：県立中央病院

地域において担っている役割

山梨県における高度急性期医療の基幹病院として、ドクターヘリの運航、高度救命救急センター、周産期母子医療センター、新型コロナウイルス感染症の重症患者を受け入れる重点医療機関の機能を担っている。また、通院加療がんセンター及びゲノム解析センターを運用する他、被災地や新型コロナウイルス感染症クラスター発生施設に速やかに災害医療チーム（DMAT）を派遣する体制を整え、県がん診療拠点病院、難病医療拠点病院、基幹災害拠点病院などの指定医療機関として、公的医療機関でなければ対応困難な高度・特殊・先駆的な医療を提供し、県民の健康確保・増進の役割を担っている。

経営の健全性・効率性について

病床利用率は類似病院平均値を下回っており、施設に見合う診療収入を得る取組について検討の余地がある。職員給与費対医業収益比率は類似病院平均値を下回っており、職員配置に見合う診療収入が得られていると考えられる。入院患者1人1日当たり収益及び外来患者1人1日当たり収益は類似病院平均値を上回っており、収益が適切に確保されていると考えられる。材料費対医業収益比率は類似病院平均値を上回っており、医薬品や医療材料の価格を抑える取組について検討の余地がある。

老朽化の状況について

有形固定資産減価償却率は類似病院平均値を下回っており、また、器械備品減価償却率はほぼ平均であるため、老朽化が際立って進行している状況ではないと考えられる。ただ、ともに増加傾向にあり、引き続き計画的な更新等を検討していく必要がある。1床当たり有形固定資産は類似病院平均値を上回っており、建設投資の規模が病床数に見合わず過大となっているおそれがある。

全体総括

経常収支比率及び医業収支比率は類似病院平均値を上回っており、医業活動は順調である。全体として経営の健全性・効率性は保たれている。老朽化は際立って進行している状況ではないが、引き続き計画的な更新等を検討していく必要がある。