経営の健全性・効率性について
【収益的収支比率】総収益は前年度から2.95%増加した一方で、地方債償還金が前年度から32.25%増加したため、全体として比率は悪化しました。【企業債残高対事業規模比率】企業債残高の全額を一般会計繰入金で賄うことから、今後も0%となる見込みです。【経費回収率】料金収入が前年度と同額だったのに対し、汚水処理費が減少したことから、比率は改善しました。今後は施設の老朽化に伴い汚水処理費の増加が見込まれますが、施設の適正な維持管理に努め、更なる費用の節減に努めます。【汚水処理原価】年間有収水量と汚水処理費のいずれも減少しましたが、年間有収水量の減少幅が僅かだったため、比率は6.66%改善しました。今後は施設の老朽化に伴い汚水処理費の増加が見込まれますが、施設の適正な維持管理に努め、更なる費用の節減に努めます。【施設利用率】住宅の延床面積が大きく、居住人員と比べ容量の大きい浄化槽を設置した住宅が多いことや区域内人口の減少から、今後も低い比率で推移する見込みです。【水洗化率】合併処理浄化槽の設置を希望した世帯に設置した事業であることから、今後も比率は100%で推移する見込みです。
老朽化の状況について
合併処理浄化槽本体の耐用年数は、「生活排水処理施設整備計画策定マニュアル」により30年以上と定められていることから、初期に設置した合併処理浄化槽の耐用年数が経過する令和16年頃までは更新費用は発生しない見込みです。
全体総括
個別排水処理事業の経営は、区域内人口の減少等により使用料収入の大幅な増加は望めないとともに、元金償還金の縮減は不可能であることから、引き続き、合併処理浄化槽の維持管理を適切に行い、大規模な修繕の発生を未然に防ぐことで汚水処理費の抑制に努めます。当市では令和2年4月から地方公営企業法の財務規定等を適用し、企業会計への移行を見据え、令和元年12月に「上越市下水道事業経営戦略」を改定しました。引き続き、下水道事業経営戦略に基づき、持続可能な下水道事業の経営に向けて、経営健全化の取組を進めてまいります。