地域において担っている役割
当医療センターは、一部事務組合による伝染病院として、大正14年に開設されて以来、西多摩及び秋川流域の中核的な公立病院として、3市町村をはじめとする広域診療を行い、住民の健康、福祉を担ってきました。現在では、秋川流域における急性期基幹病院として、二次救急を中心とした救急医療、高度医療及び、小児・周産期といった政策医療など、地域に必要な医療の提供を行っています。
経営の健全性・効率性について
平成27年度以降、当医療センターの①経常収支比率、②医業収支比率は共に改善し、令和元年度決算において、①経常収支比率は4期連続で経常収支黒字となりました。業務量においても、入院患者数の増により令和元年度の④病床利用率は70%を上回りました。その一方で、⑦職員給与費対医業収益比率が類似病院平均値に比べ高く推移していることから、収入の確保によりこれを改善していくことが課題となっています。
老朽化の状況について
当医療センターは平成18年度に新病院を開設し、建設と同時に医療機械器具の整備を実施しました。新病院開設後10年あまりが経過し、老朽化に伴う機器の更新を行っていますが、厳しい経営環境の中、医療安全に配慮しながら耐用年数を超えた機器を活用し引き続き投資の抑制を図っています。
全体総括
当医療センターは、収支の一部で改善の傾向が見られるものの、年度末においては新型コロナウイルス感染症拡大の影響により入院患者及び外来患者数が減少するなど、病院事業を取り巻く社会情勢は大きく変化しており、経営環境は厳しい状況が続いています。健全な事業運営と安定的な財政基盤を構築できるよう、医師をはじめとする人材の確保や質の高い医療の供給に努め、新公立病院改革プランに定める数値目標の達成に向け引き続き経営改善の取組みを実施しています。