経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率につきましては、前年度と比較して、14.24%増加しています。これは、使用料収入が微増し地方債償還金が減少したことによるものですが、黒字収支の100%には達しておらず、今後も経営改善に向けた取り組みが必要です。④企業債残高対事業規模比率につきましては、企業債の償還が進んでいること、普及率の上昇で使用料収入が増えていることから、引き続き減少をしております。⑤経費回収率につきましては、使用料収入が増えたことにより増加をしておりますが、類似団体の平均値を下回っており、引き続き経営改善に向けた取り組みが必要です。⑥汚水処理原価につきましては、水洗化率の上昇に伴い年間有収水量が増加したこと、企業債の償還が減少し汚水処理費が減少したことから17.54円下がりました。⑧水洗化率につきましては、年々微増をし、類似団体の平均値を上回っております。今後も水洗化率の向上に努めてまいります。
老朽化の状況について
稲城市の下水道事業は昭和56年から始まり、現在、汚水管やマンホール等の耐用年数(50年)を超過する下水道施設はありません。市では毎年、下水道施設の点検や清掃などをを行い、適正な維持管理をしています。今後、汚水管などの下水道施設の老朽化に対応するため、第四次稲城市長期総合計画期間内にストックマネジメント計画(下水道維持管理計画)を策定します。
全体総括
稲城市では、公共下水道の整備区域拡大を図ると共に、供用開始区域の下水道接続の促進をしています。水洗化率の上昇から有収水量の増加は見込まれ、企業債償還金の減少で汚水処理費が減額することから、経費回収率の上昇が見込まれます。今後、ストックマネジメント計画による施設の老朽化対策を含め、持続可能な下水道事業を行っていくためには、安定した収入が必要です。引き続き経営改善に向けた取り組みを行うと共に、平成31年度から地方公営企業法を一部適用し、健全な経営を行ってまいります。