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2013年度
人口の推移
財政比較分析表(2018年度)
財政力
財政力指数の分析欄
平成30年度の財政力指数は3か年平均で1.027、単年度では1.000となったものの、財源不足額が5,548千円となり、当初算定では調整不交付となったが、最終的に普通交付税の交付団体となった。大都市圏に不利となるよう清算基準が改正された地方消費税交付金の減等により基準財政収入額は減となった一方、社会福祉費や高齢者保健福祉費の増等により基準財政需要額は増となり、全体では基準財政需要額が基準財政収入額を上回る結果となった。類似団体平均より高い値になっているのは、市民の所得水準が高いこと等の理由により類似団体を上回る税収があることが主な要因である。しかし、東京都内の他の区市との均衡等もあり、求められるサービス水準は高く、財政力指数に反して財政は逼迫している。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
経常収支比率は96.2%と昨年度より1.2ポイント悪化した。悪化した理由は、分母である歳入面では、地方消費税交付金が大幅減となったため減となった。一方、分子である歳出面では、前年度に比べ障害福祉サービス費等の扶助費の増や後期高齢者医療特別会計繰出金の増等があり増となった結果、経常収支比率は悪化する結果となった。類似団体平均と比べても財政構造の弾力性に乏しく、依然として財政の硬直化した状態が続いていることから、財政健全化に向けた取り組みを着実に実施し経常経費の削減を図る必要がある。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
平成30年度は、全国平均、東京都平均ともに下回る117,793円となったが、類似団体平均を上回る結果となった。数値自体はほぼ横ばいだったが、平成28年度から国立市の属する類似団体区分が変わったことにより平均を上回ることになった。個別に見た場合、人口1人当たり物件費及び維持補修費は類似団体平均とほぼ同じか下回るのに対し、人件費は類似団体平均を上回っている。その他非常勤職員について、当市では嘱託員がこれにあたるが、類似団体平均に対してと非常に高い水準にある。この間、正規職員の定員管理には努めてきたが、非常勤職員の管理についても早急に検討・改善を図っていく必要がある。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
ラスパイレス指数が100を超えているが、平成24年度より東京都の給料表に移行し、これまでも東京都人事委員会勧告に基づき、給与水準の見直しを実施している。ただし、都表移行時に激変緩和措置として現給保障を実施したことや比較的若い職員の管理職登用等により、ラスパイレス指数が高くなる傾向にあるが、将来的には職員構成の変更により改善していくものと見込んでいる。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
毎年度見直しを行っている定員管理計画に基づいて職員数を管理してきた結果、類似団体平均、東京都平均を下回る結果となっている。行政需要の増減に対応した柔軟な定員管理計画により、引き続き適正な水準を維持していく。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
平成30年度の実質公債費比率は-0.8%と前年度より0.6ポイント悪化した。単年度では、分母である標準税収入額等について、地方消費税交付金等の減により標準財政規模が減少したことにより全体として減となった。分子については控除特定財源額及び基準財政需要額算入公債費が減となったため全体として減となった。ただし、分母の減が分子の減を上回ったため、単年度ベースの実質公債費比率において指標は悪化した。実際の比率の算定にあたっては3ヵ年平均を算出するためが、単年度ベースでの指標が悪化したことから、3か年平均の指標も悪化した。また、国立駅周辺のまちづくりや、老朽化した公共施設の耐震化や建て替えなど、今後も多額の財政需要が見込まれている。適切に管理することを通じて、指数がこれ以上悪化しないようにしていく。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
平成30年度は、前年度に引き続き0%となった。前年度に比べ地方債残高の減少などがあり将来負担額の減少があったことや、土地開発公社保有土地の買戻しによる債務負担行為に係る将来負担額の減などがあり、算定上の比率(マイナス値)は改善傾向にある。今後も将来負担比率を算定する際の項目ごとに債務残高を適切に管理し、後世への負担を少しでも軽減するよう新規事業の実施等についても精査を行い、財政の健全化を図っていく。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2018年度)
人件費
人件費の分析欄
比率は昨年度に比べ0.6ポイント下がったものの、類似団体平均との差はそれほど縮まらず、依然として類似団体平均・全国平均・都平均を上回る水準となっている。平成30年度は、退職手当の減や、時間外手当の減などが主な要因となっている。また、標準財政規模に対する人件費の比率の比較において、類似団体と比べてその他非常勤職員の報酬が占める割合が高く、この部分に対しての対処が喫緊の課題となっている。
物件費
物件費の分析欄
平成30年度は、前年度に比べて0.3ポイント高い16.8%となり、依然として類似団体平均よりも高い比率となっており、引き続き経費削減に努める必要がある。
扶助費
扶助費の分析欄
類似団体平均と比べると、社会福祉費が著しく高く、老人福祉費・児童福祉費も高い位置にある。特に障害者自立支援費や保育所運営委託料が高い伸び率を示している。サービス水準の他市との均衡や子育て支援の社会的要請があり、今後も増加が見込まれる経費ではあるが、施策の成果向上を目指しつつ、経費を抑制していく必要がある。
その他
その他の分析欄
特別会計に対する繰出金が、類似団体平均よりも高い値となっている要因のひとつである。国民健康保険特別会計への赤字繰出や、過去の集中的な下水道整備に伴う下水道事業特別会計への公債費分の繰出金が大きく、ピークは越えたものの今後も高い水準での推移が見込まれている。資本費平準化債の活用により、繰出金の抑制を図っているが、独立採算の原則からも、使用料の適正化を図り税収を主な財源とする一般財源の負担を減らしていかなければならない。
補助費等
補助費等の分析欄
平成30年度は、前年度に比べて0.7ポイント高い8.8%となったが、類似団体平均や東京都平均を下回る状況にある。悪化理由としては、国・都支出金返納金の増などが挙げられる。各種補助金等に関しては、今後もそのあり方を常に問い直していく必要がある。
公債費
公債費の分析欄
平成30年度は臨時財政対策債を発行せず、また過去の市債の元利償還が進んだが、新たに借り入れた起債の償還が始まったため、公債費は10.0%と前年度に比べて0.2ポイント低下した。今後も適正な地方債残高の管理及び赤字地方債の発行に頼らない財政を目指さなくてはならない。
公債費以外
公債費以外の分析欄
公債費以外の経常収支比率は86.2%と類似団体平均に比べ高止まりをしている。公債費の占める割合自体が低いこともあるが、類似団体と比較する中で見えてくる国立市の特徴として、扶助費と繰出金に係る経常収支比率が高いことが挙げられる。扶助費の中でも社会福祉費が特に高い水準にあり、障害者福祉に係る経費が主な内容である。また繰出金については、下水道事業特別会計への公債費にかかる繰出金の高止まりや国民健康保険特別会計等への赤字繰出しが主な要因となっている。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)
議会費
労働費
消防費
諸支出金
総務費
農林水産業費
教育費
前年度繰上充用金
民生費
商工費
災害復旧費
衛生費
土木費
公債費
目的別歳出の分析欄
・議会費は、住民一人当たり3,956円となっており、類似団体平均、全国平均、東京都平均のいずれも上回っている。市議会が取り組んでいる議会改革のさらなる推進に期待したい。・民生費は、住民一人当たり199,275円となっており、類似団体平均に比べ高止まりしている。障害者福祉サービス費、生活保護費などの扶助費は依然として伸びている。これに加え、認可保育所の新設、認証保育所から認可保育園への移行による定員増といった待機児童解消のための事業費も増となったために、全体で増となった。・土木費は、住民一人当たり59,829円となっており、事業の進捗に伴って都市計画道路3・4・10号線用地買収費や道路及び水路の整備基金積立金が大幅に増額となったほか、旧国立駅舎再築工事費や国立駅周辺道路等整備業務委託料といった数億円規模の事業費が増となったことにより、全体で増となった。・教育費は、住民一人当たり40,969円となっており、類似団体平均や東京都平均を下回っている。総合体育館外壁等改修工事、芸術小ホール外壁等改修工事、古民家萱葺屋根葺き替え工事などの普通建設事業費が増となったことにより、全体で増となった。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)
人件費
補助費等
災害復旧事業費
投資及び出資金
物件費
普通建設事業費
失業対策事業費
貸付金
維持補修費
普通建設事業費(うち新規整備)
公債費
繰出金
普通建設事業費(うち更新整備)
積立金
前年度繰上充用金
性質別歳出の分析欄
・歳出決算総額は、住民一人当たり407,357円となっている。・主な構成項目である扶助費は、住民一人当たり120,480円となっており、年々右肩上がりで推移してきており、類似団体平均と比べて高い水準にある。主な要因として、生活保護費や児童福祉費の伸びに加えて国立市は、身体しょうがい者のうち、全国的に見ても重度者が多い自治体であり、障害者自立支援給付費の中では、訪問系サービスが最も大きな割合を占めており、そのうち重度者に対する訪問介護サービスである、重度訪問介護の額が大きな割合を占めている。人口に対する重度訪問介護支給決定者数は、多摩26市の中でもトップレベルに位置している。・繰出金は住民一人当たり47,591円となっており、類似団体及び東京都平均と比較して一人当たりコストが高い状況となっている。このうち、特に大きな要因である国民健康保険特別会計繰出金については、国民健康保険特別会計において、税率改定を行ったことにより税収増となった一方で、他保険へ移行による国民健康保険の被保険者の減少により医療給付費が減少し、結果として繰出金の大幅な削減につながったが、依然としてその水準は高いままとなっている。
実質収支比率等に係る経年分析(2018年度)
分析欄
平成20年度は実質単年度収支が赤字であったが、21年度からは実質単年度収支が黒字となり、平成22年度からは財政調整基金残高と実質収支額の合計が標準財政規模比で10%を超える水準となった。平成26年度は実質単年度収支が赤字となったが、これは臨時財政対策債の借入を行わず、財政調整基金を取り崩したことによるものである。また、前年度に引き続いて平成30年度は実質単年度収支が黒字となったが、財政調整基金の取り崩しを行ったことにより実質単年度収支額が大きく減少した。財政調整基金残高、実質収支額には常に留意した財政運営を行っていく必要がある。
連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2018年度)
分析欄
平成30年度はすべての特別会計が黒字であった。下水道事業特別会計と国民健康保険特別会計については、使用料・保険税で賄わなければならない部分を一般会計が赤字繰出しを行うことにより補てんしている状況にある。独立採算の原則からも使用料・保険税の適正化を実施し、税収を主な財源とする一般会計の負担を減らしていかなくてはならない。
実質公債費比率(分子)の構造(2018年度)
分析欄
元利償還金の推移を見ると、過去に借り入れた市債の償還が進んだことにより減少傾向にあったが、平成27年度に国立駅南口複合公共施設用地取得事業債を借入れ、その償還が開始されたため平成28年度から増加に転じた。今後も、公共施設の更新等で多額の起債が見込まれるため、元利償還金の推移については適正に管理を図る必要がある。また、下水道事業特別会計において資本費平準化債を借入れたことで、一般会計からの繰出金が減少したことや、多摩川衛生組合等の一部事務組合の起債の償還が進んでいることから、準元利償還金も長期的に見ると減少傾向にある。交付税算入公債費等については、公害防止事業債等の償還が進んでいることから近年は減少傾向にある。
分析欄:減債基金
減債基金は設置していない。
将来負担比率(分子)の構造(2018年度)
分析欄
一般会計等に係る地方債の現在高は、減少傾向にある。しかし、今後も国立駅周辺のまちづくりや老朽化した公共施設の耐震化や建て替えなどの大規模事業のために多額の起債が必要となってくるため、適正に管理していかなくてはならない。退職手当負担見込額は、年齢・給料の高い職員が退職し、若い職員が入職することによる職員の入れ替えが今後も続くことが見込まれるため減少傾向にある。充当可能財源等は、過去の市債の償還が進む一方で、臨時財政対策債の借入れを近年行っていないことから、基準財政需要額算入見込額は減少傾向にある。
基金残高に係る経年分析(2018年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)財政調整基金、特定目的金ともに積立額と取崩額がほぼ同規模となり、全体として555万円の減となった。(今後の方針)老朽化した公共施設の耐震化や建て替えなど、今後見込まれる多額の財政需要に耐えうる財政運営のため、財政調整基金及び特定目的基金ともに適切な管理に努めていく。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)積立額と取崩額がほぼ同規模となり、残高は横ばいとなった。(今後の方針)現段階では財政調整基金の残高について具体的な目標額や運用指針を定めていないが、短期的にも中長期的にも適切な規模について見定めていく必要がある。
減債基金
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)・公共施設整備基金:老朽化した公共施設の保全や更新の財源として活用していく・国立駅周辺整備基金:旧国立駅舎再築をはじめとする国立駅周辺の整備を行っていく・くにたち未来基金:市への寄附金を適正に管理し、寄附者の意向に沿って市政運営に活用していく(増減理由)・国立駅周辺整備基金:旧国立駅舎再築工事に充当するため取崩したことによる減・道路及び水路の整備基金:都市計画道路用地買収の代替地として売却した土地に係る収入を積み立てたことによる増(今後の方針)・大規模事業の実施にあわせ、将来負担を減らすために各種基金について積極的に活用を図っていく。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2018年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
平成30年度の有形固定資産減価償却率は、65.7%と類似団体平均に比べて高く、公共施設の老朽化が進んだ状態にあると言える。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
平成30年度の債務償還比率は、305.3%と類似団体平均に比べて低いが、中長期的には将来負担額が増えていく可能性もあり、基金の積み立てなどを考慮していく必要がある。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
平成30年度の数値について、類似団体平均との比較を行うと、将来負担比率は低く(算定上数値が存在しない)、一方で有形固定資産減価償却率は高い状態となっている。このことから、更新を必要とする資産が多くあるが、将来負担の観点からはまだ若干の余力があると言えるため、計画的な更新を推進していく必要がある。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
平成25年度以降、将来負担比率は算定上数値が存在せず、実質公債費比率はマイナスの数値を推移している。類似団体平均を見ても、両比率とも改善傾向にあるが、当市の今後を見据えると、多くの公共施設が老朽化し、また新規の投資事業を行っていく必要もあることから将来の公債費の増加が見込まれるため、両比率とも現在の水準を維持できるような財政運営に留意していかなければならない。
施設類型別ストック情報分析表①(2018年度)
道路
橋りょう・トンネル
公営住宅
港湾・漁港
認定こども園・幼稚園・保育所
学校施設
児童館
公民館
施設情報の分析欄
平成30年度決算において、いずれの施設も類似団体平均に比べて有形固定資産減価償却率は高く、一人当たり規模は小さくなっている。有形固定資産減価償却率が非常に高い状態であることから、施設の大部分が老朽化し、更新の時期を迎えていることがわかる。
施設類型別ストック情報分析表②(2018年度)
図書館
体育館・プール
福祉施設
市民会館
一般廃棄物処理施設
保健センター・保健所
消防施設
庁舎
施設情報の分析欄
平成30年度決算において、類似団体の数値と比較すると、消防施設を除く施設について有形固定資産減価償却率が高く、福祉施設を除く施設について一人当たり規模が小さくなっている。中でも、図書館についての有形固定資産減価償却率が非常に高く、85.1%となっていることから、図書館施設が老朽化し、更新の時期を迎えていることがわかる。
財務書類に関する情報①(2018年度)
資産合計
負債合計
1.資産・負債の状況
平成30年度末時点の一般会計等の資産総額は994.7億円(前年比+7.8億円)、負債総額は174.5億円(前年比△6.0億円)、資産総額から負債総額を差し引いた純資産は820.2億円(前年比+13.7億円)である。資産のうち、約92%を占めている有形固定資産は912.6億円(前年比+7.0億円)である。そのうち、事業用資産579.9億円(前年比△2.4億円・構成比約64%)、インフラ資産329.6億円(前年比+9.6億円・構成比約36%)となっている。資産の主な増加要因は、都市計画道路3・4・10号線整備の事業用地取得(8.2億円)、JR国立駅北口駅前広場周辺整備工事(1.6億円)、総合体育館・芸術小ホール外壁等改修工事(1.2億円)のほか、建設仮勘定として旧国立駅舎再築工事、市立第六小学校非構造部材耐震化工事などに支出した分が挙げられる。一方、負債のうち1年超の地方債は121.2億円(前年比△3.8億円)、1年内償還予定の地方債は14.8.億円(前年比△0.2億円)の計136.0億円(前年比△4.0億円)となり、昨年度に続き、いずれも償還が進んでいる。また、退職手当引当金は30.4億円(前年比△1.5億円)となっている。こちらも昨年度に続き、勤続年数の長い職員の退職に伴い、引当金を取り崩して支払ったことで残高が減少したためである。尚、全体会計における有形固定資産は一般会計等と同じで会計間の変動はないが、連結会計においては、一部事業組合・広域連合に属する団体の事業用資産(土地、建物、工作物)が増加している。
純経常行政コスト
純行政コスト
2.行政コストの状況
平成30年度一般会計等の経常費用は269.5億円(前年比+9.9億円)、経常収益は11.5億円(前年比△0.6億円)である。経常費用の内訳は、人件費51.3億円(前年比+1.2億円)、物件費等78.7億円(前年比+4.8億円)、その他の業務費用5.1億円(前年比+1.0億円)、移転費用134.4億円(前年比+2.9億円)となっており、新規事業の展開及び既存事業の拡充等により、昨年度同様、全体的に費用増となっている。特にこれまで待機児童対策に注力してきた結果、物件費にあたる保育所運営委託料が前年比+1.4億円であるほか、障害福祉サービス費などの社会保障給付費も前年比+1.3億円となり、扶助費の増加傾向が続いている。また、老朽化した公共施設への維持補修費として、総合体育館・芸術小ホール外壁等改修工事分の2.0億円が純増となっている一方、経常収益のうち、使用料及び手数料は6.9億円(前年比0.1億円)である。これは、駐輪場施設のリニューアル工事や利用者増を意図した料金の減額(当該年度のみの時限措置)などの影響により、自転車駐車場使用料が前年比△0.1億円となったためである。尚、全体会計、連結会計における各特別会計及び各団体等において、特筆すべきは、たま広域資源循環組合である。当該団体はその他の業務費用を除き、人件費、物件費等、移転費用が前年に対して二桁伸長している。特に物件費等は、維持補修費は減少しているが、物件費が前年比+0.2億円・126.9%となっている。
本年度差額
本年度末純資産残高
本年度純資産変動額
3.純資産変動の状況
平成30年度一般会計等の財源は、273.4億円(前年比+6.0億円)である。その内訳は、税収等174.5億円(前年比△1.8億円)、国県等補助金98.9億円(前年比+7.8億円)となっている。また、純行政コストは259.7億円(前年比+10.6億円)であることから、本年度差額13.7億円(前年比△4.7億円)、本年度純資産変動額13.7億円(前年比△18.9億円)、そして、本年度末純資産残高は820.2億円(前年比+13.7億円)となっている。税収等のうち、地方税は前年比+1.1億円であり、特に個人市民税の増によるところが大きい(前年比+0.9億円)。しかしながら、配布基準の見直しにより、地方消費税交付金が前年比△2.3億円となり、税収等全体としては減少している。国県等補助金は、大規模な工事案件が多かったため、資本的補助金(投資)に分類されるものが前年比+6.4億円となっている。無償所管換等は前年比△3.1億円である。昨年度は、無償取得または寄贈された土地などの分で3.2億円程度が計上されている。それに対して、今年度は工作物に分類されるもの(2百万円)1件のみであった。また、その他については、昨年度は過去取得した土地(インフラ)や工作物(インフラ)などの調査判明増として11.2億円程度が計上されているが、今年度は物品数点の調査判明増のみであったため、前年比△11.2億円となっている。よって、「1.資産・負債の状況」でふれた固定資産関係と財源に絡む増減要因のほか、前述の非資金取引の要因が加わり、本年度純資産変動額は昨年度よりも減少している。
業務活動収支
投資活動収支
財務活動収支
4.資金収支の状況
業務活動収支のうち、前年と比較して支出増となった主なものは、「2.行政コストの状況」でふれたとおり、物件費等支出が前年比+3.7億円、社会保障給付支出が前年比+1.3億円である。一方、収入はいずれも減少しており、「3.純資産変動の状況」でふれた税収等収入の前年比△1.8億円が挙げられる。よって、昨年度と比較して業務活動収支のプラス幅が減少している。投資活動収支については、大規模な案件が多かったこともあり、公共施設等整備費支出が前年比+7.7億円となっている。主な要因としては、「1.資産・負債の状況」でふれた都市計画道路3・4・10号線の用地取得に関するところが大きい。収入に関しては、「3.純資産変動の状況」でふれた国県等補助金収入(投資)が前年比+10.1億円であるほか、駐輪場用地の売却により資産売却収入は前年比+4.5億円となっている。そのため、昨年度と比較して投資活動収支のうち、収入分が伸びたことでマイナス幅が圧縮されている。財務活動収支のうち、地方債償還支出は前年比△1.7億円である。これは昨年度に繰上償還を行ったが、今年度は行っておらず、その反動によるものである。地方債発行収入に関しては、教育関連施設に対する起債などが増要素となり前年比+1.4億円となっている。ゆえに、投資活動収支同様、昨年度と比較して収入分が伸びたことでマイナス幅が圧縮されている。
財務書類に関する情報②(2018年度)
①住民一人当たり資産額(万円)
②歳入額対資産比率(年)
③有形固定資産減価償却率(%)
1.資産の状況
国立市の住民一人当たり資産額及び歳入額対資産比率は、いずれも類似団体平均値を下回っている。これは、他団体と比較して過去に形成した資産規模が小さいためと考えられる。一方、有形固定資産原価償却率は類似団体平均値を上回っている。道路などのインフラ関連施設は計画的に改修工事を行い、都度、一部除却の数値を反映させていることから、60.4%と相対的に低い水準となっている。しかしながら、学校などの教育関連施設は72.3%、ごみ処理施設、公園などの環境衛生関連は85.7%ととりわけ高い数値となっている。今後、教育関連施設に関しては、複数施設で大規模な改修や建替エ事を予定している。また、環境衛生関連に関しては、多くの施設や機器類は耐用年数を迎えつつあり、老朽取替が必要な状況下にある。そのため、基金の運用管理を含め、これまで以上に中長期的な視点で計画を整備・策定していく必要がある。
④純資産比率(%)
⑤将来世代負担比率(%)
2.資産と負債の比率
国立市の純資産比率は、類似団体平均値よりも高い水準にある。一方、将来世代負担比率は、類似団体平均値よりも低い水準にある。これは、「1.資産の状況」でふれたとおり、他団体と比較して過去に形成された資産規模が小さく、資産の多くが現役世代の負担で形成されていると読み取ることができる。次年度以降は、旧国立駅舎再築工事、教育関連施設の改修や建替工事のほか、電線共同溝の設置が絡むような道路改良工事といった規模が大きく、費用も掛かる案件が複数控えている。それらの財源確保に関しては起債に頼るほか、各種基金を財源として充当することになる。よって、引き続き、将来世代負担比率に代表されるような資産と負債のバランスを図り、世代間の公平性をみることができる指標を活用していきたい。
⑥住民一人当たり行政コスト(万円)
3.行政コストの状況
国立市の住民一人当たり行政コストは、これまでの直近2年間では類似団体平均値と1ポイント差程度の同水準で推移してきたが、平成30年度に関しては、2.3ポイント差に広がっている。また、純行政コスト単体の数値に着目した対前年の伸長率はH29-H28:+2.5、H30-H29:+4.3と増加している。主な要因としては、年々増額している扶助費が挙げられる。特に待機児童対策として注力してきた結果、保育所運営委託料の増加が顕著になっている。また、国立市は身体しょうがい者のうち、重度の方が全国規模でも多いとされる自治体であり、障害者自立支援給付費のなかでは、訪問介護サービスが大きな割合を占めている。よって、サービス支給量の増加により、障害福祉サービス費が増加している。引き続き、行政コストの内訳を分類し、他団体と比較するなど多面的且つ多角的に、市の立ち位置を把握できるように努めていきたい。
⑦住民一人当たり負債額(万円)
⑧基礎的財政収支(百万円)
4.負債の状況
国立市の住民一人当たり負債額は、いずれの年度も類似団体平均値と比較して5割~6割程度の低水準である。また、負債額単体の数値に着目した場合の対前年の伸長率は、H29-H28:△5.5、H30-H29:△3.3と減少傾向にある。これは、「1.資産の状況」「2.資産と負債の比率」でふれたことに加えて、健全な財政運営を意識してきたためといえる。基礎的財政収支に関しては、投資活動収支は大規模な工事案件や都市計画道路の事業用地取得などにより支出が増えたが、市債の借入も行ったため国県等補助金収入(投資)も増えている。また、土地の売却による資産売却収入分が投資活動収支の収入面を押し上げており、その結果、マイナス幅が圧縮されることとなった。しかしながら、業務活動収支の支出面では「3.行政コストの状況」でふれたように、とりわけ扶助費の伸びが大きく、物件費等や移転費用などが増加している。一方、地方消費税交付金の減額などの影響により、収入面は減少している。そのため、業務活動収支のプラス幅は縮小しており、その結果、直近2ヵ年と比較して基礎的財政収支は小さくなっている。
⑨受益者負担比率(%)
5.受益者負担の状況
国立市の受益者負担比率は、類似団体平均値と同水準で推移しているが、国立市単体で経年比較を行うと、前年より△0.4ポイントとなっている。これは、「3.行政コストの状況」でふれたとおり経常費用に分類される各種項目は、支払利息を除き、いずれも増加している。一方、経常収益は昨年度9月より始まった家庭ごみの有料化による増額要素があるものの、駐輪場施設のリニューアル工事や利用者増を意図した駐輪料金の減額(当該年度のみの時限措置)などの影響により、全体の自転車駐車場使用料は減少した。よって、経常収益は減少し、経常費用が増えた結果、昨年度と比較して受益者負担比率は小さくなっている。