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2013年度
人口の推移
財政比較分析表(2017年度)
財政力
財政力指数の分析欄
平成29年度の財政力指数は3か年平均で1.025、単年度では1.035となり、単年度数値が1を上回ったため、平成28年度に引き続き普通交付税不交付団体となった。算定上の税連動交付金の減等により基準財政収入額は減となり、社会福祉費や高齢者保健福祉費の増等により基準財政需要額は増となったが、全体では基準財政収入額が基準財政需要額を上回る結果となった。類似団体平均より高い値になっているのは、市民の所得水準が高いこと等の理由により類似団体を上回る税収があることが主な要因である。しかし、東京都内の他の区市との均衡等もあり、求められるサービス水準は高く、財政力指数に反して財政は逼迫している。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
経常収支比率は95.0%と昨年度より2.3ポイント悪化した。悪化した理由は、分母である歳入面では、地方消費税交付金がわずかに減となったものの、株式等譲渡所得割交付金や配当割交付金の増等があり全体で増となった。一方、分子である歳出面でも、前年度に比べ退職手当や職員給が増となり人件費が増えたことや、償還元金の増加に伴う公債費の増、保育所新設等に伴う扶助費の増等があり全体で増となった。結果として、分母の増より分子の増が大きかったため、経常収支比率は悪化する結果となった。類似団体平均と比べても財政構造の弾力性に乏しく、依然として財政の硬直化した状態が続いていることから、財政健全化に向けた取り組みを着実に実施し経常経費の削減を図る必要がある。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
平成29年度は、全国平均、東京都平均ともに下回る118,178円となったが、類似団体平均を上回る結果となった。数値自体はほぼ横ばいだったが、平成28年度から国立市の属する類似団体区分が変わったことにより平均を上回ることになった。個別に見た場合、人口1人当たり物件費及び維持補修費は類似団体平均とほぼ同じか下回るのに対し、人件費は類似団体平均を上回っている。その他非常勤職員について、当市では嘱託員がこれにあたるが、類似団体平均に対してと非常に高い水準にある。この間、正規職員の定員管理には努めてきたが、非常勤職員の管理についても早急に検討・改善を図っていく必要がある。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
ラスパイレス指数が100を超えているが、平成24年度より東京都の給料表に移行し、これまでも東京都人事委員会勧告に基づき、給与水準の見直しを実施している。ただし、都表移行時に激変緩和措置として現給保障を実施したことや比較的若い職員の管理職登用等により、ラスパイレス指数が高くなる傾向にあるが、将来的には職員構成の変更により改善していくものと見込んでいる。※平成29年度数値については、前年度数値を引用している。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
毎年度見直しを行っている定員管理計画に基づいて職員数を管理してきた結果、類似団体平均、東京都平均を下回る結果となっている。行政需要の増減に対応した柔軟な定員管理計画により、引き続き適正な水準を維持していく。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
平成29年度の実質公債費比率は-1.4%と前年度より0.6ポイント悪化した。単年度では、分母である標準税収入額等について、標準財政規模から控除する基準財政需要額に算入された公債費が減少したことにより全体として増となった。分子については元利償還金の額が増えたことで大幅な増となった。ただし、分子の増が分母の増を上回ったため、単年度ベースの実質公債費比率において指標は悪化した。実際の比率の算定にあたっては3ヵ年平均を算出するためが、単年度ベースでの指標が悪化したことから、3か年平均の指標も悪化した。また、国立駅周辺のまちづくりや、老朽化した公共施設の耐震化や建て替えなど、今後も多額の財政需要が見込まれている。適切に管理することを通じて、指数がこれ以上悪化しないようにしていく。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
平成29年度は、前年度に引き続き0%となった。前年度に比べ地方債残高の減少などがあり将来負担額の減少があったものの、充当可能財源のうち都市計画税収や基準財政需要額算入見込額が減少したことにより、算定上の比率(マイナス値)は若干悪化傾向にある。今後も将来負担比率を算定する際の項目ごとに債務残高を適切に管理し、後世への負担を少しでも軽減するよう新規事業の実施等についても精査を行い、財政の健全化を図っていく。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2017年度)
人件費
人件費の分析欄
比率は昨年度に比べ2.4ポイント上がり、類似団体平均との差が大きくなり、依然として類似団体平均・全国平均・都平均を上回る水準となっている。平成29年度は、職員数の増による給料の増や、東京都人事委員会勧告に基づき、賞与支給月数が0.1月(4.4→4.5月)引き上げられたことによる期末勤勉手当の増等により、職員給全体が増となったことが主な要因となっている。また、標準財政規模に対する人件費の比率の比較において、類似団体と比べてその他非常勤職員の報酬が占める割合が高く、この部分に対しての対処が喫緊の課題となっている。
物件費
物件費の分析欄
平成29年度は、前年度に比べて0.5ポイント低い16.5%となり、依然として類似団体平均よりも高い比率となっている。経常的経費にかかる物件費は減となったが、臨時的経費を含む物件費全体では増となっており、引き続き経費削減に努める必要がある。
扶助費
扶助費の分析欄
類似団体平均と比べると、社会福祉費が著しく高く、老人福祉費・児童福祉費も高い位置にある。特に障害者自立支援費や生活保護費が高い伸び率を示している。サービス水準の他市との均衡や子育て支援の社会的要請があり、今後も増加が見込まれる経費ではあるが、施策の成果向上を目指しつつ、経費を抑制していく必要がある。
その他
その他の分析欄
特別会計に対する繰出金が、類似団体平均よりも高い値となっている要因のひとつである。国民健康保険特別会計は税率改定による税収増及び被保険者減により、一般会計からの繰出金で補てんする赤字繰出額が大きく減少した。また、過去の集中的な下水道整備に伴う下水道事業特別会計への公債費分の繰出金が大きく、ピークは越えたものの今後も高い水準での推移が見込まれている。資本費平準化債の活用により、繰出金の抑制を図っているが、独立採算の原則からも、使用料の適正化を図り税収を主な財源とする一般財源の負担を減らしていかなければならない。
補助費等
補助費等の分析欄
国立市は消防事務を東京都に委託しているため、その委託金が影響して指数が高くなる傾向があるが、平成29年度は都消防委託金が前年に比べ減となったことなどにより、昨年度より0.1ポイント低くなった。補助金に関しては、今後もそのあり方を常に問い直していく必要がある。
公債費
公債費の分析欄
平成29年度は普通交付税不交付団体となったため、臨時財政対策債の発行が不可能となり、また過去の市債の元利償還が進んだが、新たに借り入れた起債の償還が始まったため、公債費は10.2%と前年度に比べて0.4ポイント上昇したが、類似団体平均を下回る値となっている。今後も適正な地方債残高の管理及び赤字地方債の発行に頼らない財政を目指さなくてはならない。
公債費以外
公債費以外の分析欄
公債費以外の経常収支比率は84.8%と類似団体平均に比べ高止まりをしている。公債費の占める割合自体が低いこともあるが、類似団体と比較する中で見えてくる国立市の特徴として、扶助費と繰出金に係る経常収支比率が高いことが挙げられる。扶助費の中でも社会福祉費が特に高い水準にあり、障害者福祉に係る経費が主な内容である。また繰出金については、下水道事業特別会計への公債費にかかる繰出金の高止まりや国民健康保険特別会計等への赤字繰出しが主な要因となっている。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)
議会費
労働費
消防費
諸支出金
総務費
農林水産業費
教育費
前年度繰上充用金
民生費
商工費
災害復旧費
衛生費
土木費
公債費
目的別歳出の分析欄
・議会費は、住民一人当たり4,041円となっており、類似団体平均、全国平均、東京都平均のいずれも上回っている。市議会が取り組んでいる議会改革のさらなる推進に期待したい。・民生費は、住民一人当たり191,592円となっており、類似団体平均に比べ高止まりしている。障害者福祉サービス費、生活保護費などの扶助費は依然として伸びている。これに加え、認可保育所の新設、認証保育所から認可保育園への移行による定員増といった待機児童解消のための事業費も増となったために、全体で増となった。・教育費は、住民一人当たり37,120円となっており、類似団体平均や東京都平均を下回っている。学校や通学路の安心安全カメラ購入費や、第一給食センター給湯設備取替工事などが減となった一方、総合体育館外壁等改修工事、芸術小ホール外壁等改修工事、公民館段差解消機取替工事などの普通建設事業費が増となったことや、保育支援型幼稚園補助事業として幼稚園の「預かり保育」の強化に対する補助金の増があり、全体で増となった。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)
人件費
補助費等
災害復旧事業費
投資及び出資金
物件費
普通建設事業費
失業対策事業費
貸付金
維持補修費
普通建設事業費(うち新規整備)
公債費
繰出金
普通建設事業費(うち更新整備)
積立金
前年度繰上充用金
性質別歳出の分析欄
・歳出決算総額は、住民一人当たり387,786円となっている。・主な構成項目である扶助費は、住民一人当たり119,259円となっており、年々右肩上がりで推移してきており、類似団体平均と比べて高い水準にある。主な要因として、生活保護費や児童福祉費の伸びに加えて国立市は、身体しょうがい者のうち、全国的に見ても重度者が多い自治体であり、障害者自立支援給付費の中では、訪問系サービスが最も大きな割合を占めており、そのうち重度者に対する訪問介護サービスである、重度訪問介護の額が大きな割合を占めている。人口に対する重度訪問介護支給決定者数は、多摩26市の中でもトップレベルに位置している。・繰出金は住民一人当たり46,590円となっており、類似団体及び東京都平均と比較して一人当たりコストが高い状況となっている。このうち、特に大きな要因である国民健康保険特別会計繰出金については、国民健康保険特別会計において、税率改定を行ったことにより税収増となった一方で、他保険へ移行による国民健康保険の被保険者の減少により医療給付費が減少し、結果として繰出金の大幅な削減につながったが、依然としてその水準は高いままとなっている。
実質収支比率等に係る経年分析(2017年度)
分析欄
平成20年度は実質単年度収支が赤字であったが、21年度からは実質単年度収支が黒字となり、平成22年度からは財政調整基金残高と実質収支額の合計が標準財政規模比で10%を超える水準となった。平成26年度は実質単年度収支が赤字となったが、これは臨時財政対策債の借入を行わず、財政調整基金を取り崩したことによるものである。また、前年度に引き続いて平成29年度は実質単年度収支が黒字となった。これは普通交付税不交付となったことに伴い臨時財政対策債の借入を行えなくなったこと、財政調整基金の取り崩しを行わなかったことによるものである。財政調整基金残高、実質収支額には常に留意した財政運営を行っていく必要がある。
連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2017年度)
分析欄
平成29年度はすべての特別会計が黒字であった。下水道事業特別会計と国民健康保険特別会計については、使用料・保険税で賄わなければならない部分を一般会計が赤字繰出しを行うことにより補てんしている状況にある。独立採算の原則からも使用料・保険税の適正化を実施し、税収を主な財源とする一般会計の負担を減らしていかなくてはならない。
実質公債費比率(分子)の構造(2017年度)
分析欄
元利償還金の推移を見ると、過去に借り入れた市債の償還が進んだことにより減少傾向にあったが、平成27年度に国立駅南口複合公共施設用地取得事業債を借入れ、その償還が開始されたため平成28年度から増加に転じた。今後も、公共施設の更新等で多額の起債が見込まれるため、元利償還金の推移については適正に管理を図る必要がある。また、下水道事業特別会計において資本費平準化債を借入れたことで、一般会計からの繰出金が減少したことや、多摩川衛生組合等の一部事務組合の起債の償還が進んでいることから、準元利償還金も長期的に見ると減少傾向にある。交付税算入公債費等については、公害防止事業債等の償還が進んでいることから近年は減少傾向にある。
分析欄:減債基金
将来負担比率(分子)の構造(2017年度)
分析欄
一般会計等に係る地方債の現在高は、減少傾向にある。しかし、今後も国立駅周辺のまちづくりや老朽化した公共施設の耐震化や建て替えなどの大規模事業のために多額の起債が必要となってくるため、適正に管理していかなくてはならない。退職手当負担見込額は、年齢・給料の高い職員が退職し、若い職員が入職することによる職員の入れ替えが今後も続くことが見込まれるため減少傾向にある。充当可能財源等は、過去の市債の償還が進む一方で、臨時財政対策債の借入れを近年行っていないことから、基準財政需要額算入見込額は減少傾向にある。
基金残高に係る経年分析(2017年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)「企業誘致促進基金」から指定企業に対してまちづくり協力金を交付するため1億2,672万円を取り崩した一方、決算剰余金から財政調整基金に3億3,768万円を積み立て、基金全体では5億3,105万円の増となった。(今後の方針)老朽化した公共施設の耐震化や建て替えなど、今後見込まれる多額の財政需要に耐えうる財政運営のため、財政調整基金及び特定目的基金ともに適切な管理に努めていく。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)決算剰余金が増となったため。(今後の方針)現段階では財政調整基金の残高について具体的な目標額や運用指針を定めていないが、短期的にも中長期的にも適切な規模について見定めていく必要がある。
減債基金
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)・国立駅周辺整備基金:旧国立駅舎再築をはじめとする国立駅周辺の整備を行っていく・くにたち未来基金:市への寄附金を適正に管理し、寄附者の意向に沿って市政運営に活用していく(増減理由)・公共施設整備基金:加入する一部事務組合負担金のうち過年度分の清算金を積立てたことによる増加・国立駅周辺整備基金:ふるさと納税で受け付けた寄附や用地貸付収入を積み立てたことによる増加(今後の方針)・国立駅周辺整備基金:平成31年度に完成予定の旧国立駅舎再築工事をはじめとする事業費について、その財源として平成30・31年度に1億円以上を取り崩す予定
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2017年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
平成29年度の有形固定資産減価償却率は、65.4%と類似団体平均に比べて高く、公共施設の老朽化が進んだ状態にあると言える。
(参考)債務償還比率
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
平成29年度の数値について、類似団体平均との比較を行うと、将来負担比率は低く(算定上数値が存在しない)、一方で有形固定資産減価償却率は高い状態となっている。このことから、更新を必要とする資産が多くあるが、将来負担の観点からはまだ若干の余力があると言えるため、計画的な更新を推進していく必要がある。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
平成25年度以降、将来負担比率は算定上数値が存在せず、実質公債費比率はマイナスの数値を推移している。類似団体平均を見ても、両比率とも改善傾向にあるが、当市の今後を見据えると、多くの公共施設が老朽化し、また新規の投資事業を行っていく必要もあることから将来の公債費の増加が見込まれるため、両比率とも現在の水準を維持できるような財政運営に留意していかなければならない。
施設類型別ストック情報分析表①(2017年度)
道路
橋りょう・トンネル
公営住宅
港湾・漁港
認定こども園・幼稚園・保育所
学校施設
児童館
公民館
施設情報の分析欄
平成29年度決算において、いずれの施設も類似団体平均に比べて有形固定資産減価償却率は高く、一人当たり規模は小さくなっている。有形固定資産減価償却率が非常に高い状態であることから、施設の大部分が老朽化し、更新の時期を迎えていることがわかる。
施設類型別ストック情報分析表②(2017年度)
図書館
体育館・プール
福祉施設
市民会館
一般廃棄物処理施設
保健センター・保健所
消防施設
庁舎
施設情報の分析欄
平成29年度決算において、類似団体の数値と比較すると、消防施設を除く施設について有形固定資産減価償却率が高く、福祉施設を除く施設について一人当たり規模が小さくなっている。中でも、図書館についての有形固定資産減価償却率が非常に高く、83.6%となっていることから、図書館施設が老朽化し、更新の時期を迎えていることがわかる。
財務書類に関する情報①(2017年度)
資産合計
負債合計
1.資産・負債の状況
平成29年度末時点の一般会計等の資産総額は986.9億円(前年比+22.1億円)、負債総額は180.4億円(前年比△10.5億円)、資産総額から負債総額を差し引いた純資産は806.4億円(前年比+32.6億円)である。資産のうち、約92%を占めている有形固定資産は905.5億円(前年比+19.1億円)である。内訳は、事業用資産582.2億円(前年比+7.2億円・構成比約64%)、インフラ資産319.9億円(前年比+11.9億円・構成比約35%)となっている。資産の主な増加要因は、国立駅南第1自転車駐車場新築工事(4.2億円)、庁舎受変電設備更新工事(2.4億円)のほか、都市計画道路3・4・10号線関連用地(20億円)、さくら通り第4工区工事(2.5億円)などが挙げられる。一方、負債のうち、1年超の地方債は125億円(前年比△6.5億円)、1年内償還予定の地方債は14.9億円(前年比△0.5億円)の計139.9億円(前年比△7億円)となり、いずれも償還が進んでいる。また、退職手当引当金は31.9億円(前年比▲3億円)となっている。これは、勤続年数の長い職員の退職に伴い、引当金取り崩しによる支払を行い、引当金残高が減少したためである。尚、都市計画道路整備事業の一環として、土地開発公社による当該事業用地の先行取得(6.7億円)がなされたため、連結会計におけるインフラ資産の土地は256億円(前年比+27.5億円)となっている。
純経常行政コスト
純行政コスト
2.行政コストの状況
平成29年度一般会計等の経常費用は259.6億円(前年比+6.3億円)、経常収益は12.1億円(前年比+1.7億円)である。経常費用の内訳は、人件費50.1億円(前年比△1億円)、物件費等73.9億円(前年比+2.1億円)、その他の業務費用4億円(前年比+1億円)、移転費用131.5億円(前年比+4.1億円)となっている。新規事業の展開及び既存事業の拡充等により、全体傾向として費用増となっているなか、人件費に関しては、前年と比較して減少している。この要因は、「1.資産・負債の状況」で触れた退職手当引当金の繰入額であり、前年と比較して△2億円となっている。尚、費用増のうち、突出して増加額が大きいのは、補助金等31.2億円(前年比+3.1億円)である。これは、待機児童対策推進の一環として、認可保育所新設事業補助金2.1億円が前年に対して純増となっている点が大きい。一方、経常収益に関しては、使用料及び手数料が7億円(前年比+2億円)となっている。これは、平成29年9月から始まった家庭ごみ有料化による収納廃棄物等処理手数料、一般廃棄物許可業者等ごみ処理手数料の増加によるためである。
本年度差額
本年度末純資産残高
本年度純資産変動額
3.純資産変動の状況
平成29年度一般会計等の財源は267.4億円(前年比+0.2億円)である。その内訳は、税収等176.3億円(前年比+1.6億円)、国県等補助金91.1億円(前年比△1.4億円)となっている。また、純行政コストは△249億円(前年比△6億円)であることから、本年度差額18.3億円(前年比△5.7億円)、本年度純資産変動額32.6億円(前年比+8.4億円)、そして、本年度末純資産残高は806.4億円(前年比+32.6億円)である。前年と比較した際、税収等が増加している主な要因は、新築家屋の増加及び納税義務者の増加により、固定資産税が前年比0.7億円増加、個人市民税が前年比0.5億円増加となっているその他前年との比較で増減額が大きいものとして、無償所管換等3.1億円(前年比+3.1億円)の主な内訳は、歴史的価値が高い本田家住宅用地・主屋(2.3億円)、国から無償取得した土地・道路(0.7億円)が挙げられる。また、その他11.1億円(前年度計上なし)の主な内訳は、都市計画道路3・4・10号線(10.9億円)、市立7小・3中の非構造部材耐震化対策工事(0.1億円)などの調査判明増である。
業務活動収支
投資活動収支
財務活動収支
4.資金収支の状況
平成29年度一般会計等は、業務活動収支20.1億円(前年比+1億円)、投資活動収支△14.9億円(前年比△2.4億円)、財務活動収支△7億円(前年比△3億円)となっており、本年度資金収支額は△1.8億円(前年比△4.3億円)である。業務活動収支のうち、前年と比較して支出増となっているものは、、「1.資産・負債の状況」、「2.行政コストの状況」で触れた退職手当が絡んだことで、人件費支出は前年と比較して2.5億円増加している。その他、同じく「2.行政コストの状況」で触れた物件費等支出(前年比+2.2億円)、補助金等支出(前年比+3.1億円)が挙げられる。一方、収入増については、「2.行政コストの状況」、「3.純資産変動の状況」で触れた使用料及び手数料収入(前年比+2億円)、税収等収入(前年比+1.6億円)が挙げられる。投資活動収支に関しては、公共施設等整備費支出が前年比△12.5億円となっている。これは、前年度において旧国立駅舎整備用地(6.6億円)、国立駅北口駅前広場整備用地(4.1億円)など多額の支出がなされた反動によるものである。財務活動収支に関しては、「1.資産・負債の状況」で触れた地方債の償還支出(前年比+2.3億円)が特筆すべき事項であり、平成14年度に借入した国立駅南第2自転車駐車場整備事業債の繰上償還が起因している。
財務書類に関する情報②(2017年度)
①住民一人当たり資産額(万円)
②歳入額対資産比率(年)
③有形固定資産減価償却率(%)
1.資産の状況
国立市の住民一人当たり資産額、歳入額対資産比率は、いずれも類似団体平均値を下回っている。これは、他団体と比較して過去に形成した資産規模が小さいためと考えられる。有形固定資産減価償却率は類似団体平均値を上回っている。特に、国立市の事業用資産の減価償却率は66.1%であり、類似団体平均値の58.5%と比較して高い水準にある。国立市の場合、教育関連資産(主に学校施設)の老朽化が顕著であり、中長期的な視点で対策を検討している。また、国立市のインフラ資産の同比率は64.9%、物品は60.7%であり、類似団体平均値はそれぞれ69.4%、64.1%のため、相対的に低い状況といえる。これは、インフラ資産(主に道路)に関して、計画的な改修工事に加え、固定資産台帳に一部除却の数値を反映させているためと考える。今後は、前述の学校施設を中心に大規模な改修・更新等が計画されている。よって、財源確保と共に計画的な基金運用や地方債の償還に努める必要がある。
④純資産比率(%)
⑤将来世代負担比率(%)
2.資産と負債の比率
国立市の純資産比率は、類似団体平均値よりも高い水準にある。一方、将来世代負担比率は、類似団体平均値よりも相対的に低い状況にある。これは、「1.資産の状況」でも触れたが、他団体と比較して過去に形成した資産規模が小さく、資産の大半がこれまで、もしくは現役世代の負担で形成されていることが読み取れる。尚、次年度以降は、旧国立駅舎の再築工事、学校施設の大規模改修、都市計画道路の整備などが計画されている。よって、世代間の公平性を図る一指標として、当該分析による経年比較、他団体比較などを行い、活用していきたい。
⑥住民一人当たり行政コスト(万円)
3.行政コストの状況
国立市の住民一人当たり行政コストは、類似団体平均値と同水準にあり、前年よりも微増している。これは、待機児童対策推進のため、認可保育所新設事業に対する補助金等の純増分が2.1億円、また、物件費の保育所運営委託料が前年に対して1.9億円増加となっている。加えて、障害福祉サービス費(前年比+1.6億円)、医療扶助費(前年比+0.5億円)といった社会保障給付費の増加も影響している。尚、保育関連の補助金等は今後も増加する傾向がうかがえるため、経年比較や他団体比較を通じて、多角的に本市の立ち位置が把握できるように努め、バランスを考慮していきたい。
⑦住民一人当たり負債額(万円)
⑧基礎的財政収支(百万円)
4.負債の状況
国立市の住民一人当たり負債額は、類似団体平均値を下回っている。これは、「1.資産の状況」、「2.資産と負債の比率」で触れたように、他団体に比べて過去に形成した資産規模が小さいことが考えられる。これに関連して、国立市の住民一人当たり地方債は18.4万円(前年比1.1万円)であり、類似団体平均値は24.5万円である。このことから、資産形成に必要な財源として、地方債の起債額が相対的に小さいことがうかがえる。基礎的財政収支に関しては、類似団体平均値を上回っている。この要因として、業務活動収支がプラスに転じている点が大きく、同数値は国立市を除いた類似団体平均値と比較して、約1.4倍であり、稲城市に次いで2番目に大きいためである。
⑨受益者負担比率(%)
5.受益者負担の状況
国立市の受益者負担率は、類似団体平均値と同水準である。なお、前年よりも当該数値は+0.6%増加している。その要因としては、平成29年9月より家庭ごみの有料化が開始されたことで、経常収益のうち、使用料及び手数料が前年に対して2億円増加となっている点が大きい。