13:東京都
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国立市
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平成26年度の財政力指数は3か年平均で0.98、単年度でも0.97となり、単年度数値が1を下回ったため、平成25年度に引き続き普通交付税交付団体となった。高齢者保健福祉費や社会福祉費等の扶助費の伸びを反映し基準財政需要額が増となった一方で、増税に伴い地方への配分割合の増えた地方消費税交付金の大幅増、利子割交付金の増等により基準財政収入額も増となっている。類似団体平均より高い値になっているのは、市民の所得水準が高いこと等の理由により類似団体を上回る税収があることが主な要因である。しかし、東京都内の他の区市との均衡等もあり、求められるサービス水準は高く、財政力指数に反して財政は逼迫している。
経常収支比率は95.8%と昨年度より0.3ポイント改善した。改善した理由は、分母である歳入面では、個人住民税や固定資産税等の地方税の増、景気動向に伴う配当割交付金の増などがあげられる。分子である歳出面では、消費税率改定等の影響により物件費及び繰出金が増となり、歳出全体でも増となったが、分母の増が分子の増を上回った結果、経常収支比率は改善する結果となった。しかしながら、依然として財政の硬直化した状態が続いていることから、財政健全化に向けた取り組みを着実に実施し経常経費の削減を図る必要がある。
平成26年度は、類似団体平均、東京都平均ともに下回る113,144円となり、個別に比較しても、人件費及び物件費は、類似団体平均を下回っている。人件費の中では議員報酬と委員等報酬、物件費の中では委託料と備品購入費が高い水準にある。特に、委員等報酬と委託料については、定員管理計画に基づいて正職員の嘱託員化と委託化を行ってきた結果と考えられる。
職員構成の変動により、平成25年度より0.1ポイント上がり、101.1ポイントとなった。依然として全国市平均を上回る水準となっており、硬直化した財政状況に鑑みても、給料表の改定等を着実に進めていく必要がある。
毎年度見直しを行っている定員管理計画に基づいて職員数を管理してきた結果、類似団体平均、東京都平均を下回る結果となっている。行政需要の増減に対応した柔軟な定員管理計画により、引き続き適正な水準を維持していく。
平成26年度の実質公債費比率は前年度に比べて1.5ポイント改善した。下水道事業特別会計において資本費平準化債を借入したことで一般会計からの繰出金が大きく減少したことや、多摩川衛生組合等で起債の償還が進んだことによる準元利償還金の減少が主な要因である。中央線連続立体交差化事業も終盤を迎え、これに合わせた国立駅周辺のまちづくりが今後本格化してくることや、老朽化した公共施設の耐震化や建て替えなど、今後も多額の財政需要が見込まれている。適切に管理することを通じて、指数がこれ以上悪化しないようにしていく。
平成26年度は、前年度に引き続き0%となった。これは分子となる全ての項目で減となったこと、特に、一般会計における地方債現在高の減、下水道事業特別会計や多摩川衛生組合で地方債の償還が進み、残高が減少したことが要因である。また、勤続年数の多い職員の退職によって職員の平均年齢が低下してきたことに伴い、退職手当負担見込額も大きく減少している。数値だけを見ると類似団体平均より低い水準にあるが、今後も将来負担比率を算定する際の各項目ごとに債務残高を適切に管理し、後世への負担を少しでも軽減するよう新規事業の実施等についても精査を行い、財政の健全化を図っていく。
比率は昨年度に比べ0.5ポイント下がったが、依然として全国平均を上回る水準となっている。平成26年度は、嘱託員の配置を増やしたことによる嘱託員報酬の増や、東京都人事院勧告に基づき賞与を引き上げたこと等による職員給の増により、人件費が昨年に比べ増加したことが主な要因である。また、類似団体平均よりラスパイレス指数が高いという課題があり、引き続き給料表の改定等を着実に実施し、適正化を図っていく必要がある。
物件費に係る経常収支比率が類似団体より高くなる要因の一つは委託料である。定員削減の代替としての委託化によるほか、指定管理者制度導入に伴い補助金から指定管理料へと振り替えた影響もある。行政評価等を活用し、経常経費を一層縮減していく必要がある。
類似団体平均と比べると、社会福祉費が著しく高く、老人福祉費・児童福祉費も高い位置にある。特に障害者自立支援費や生活保護費が高い伸び率を示している。サービス水準の他市との均衡や子育て支援の社会的要請があり、今後も増加が見込まれる経費ではあるが、施策の成果向上を目指しつつ、経費を抑制していく必要がある。
特別会計に対する繰出金が高止まりしていることが、類似団体平均よりも高い値となっている要因である。国民健康保険特別会計は、国保税収入の減及び給付費の伸びにより、一般会計からの繰出金で補てんする赤字繰出額の伸びが大きくなった。また、過去の集中的な下水道整備に伴う下水道事業特別会計への公債費分の繰出金が大きく、ピークは越えたものの今後も高い水準での推移が見込まれている。資本費平準化債の活用により、繰出金の抑制を図っているが、独立採算の原則からも、使用料の適正化を図り税収を主な財源とする一般財源の負担を減らしていかなければならない。
国立市は消防事務を東京都に委託しているため、その委託金が類似団体平均に比べ数値が高止まりしている要因の一つである。この消防委託金の増や、私立幼稚園に在籍している幼児の保護者に交付する就園奨励費補助金の増等により、昨年度より0.7ポイント高くなった。補助金に関しては、今後もそのあり方を常に問い直していく必要がある。
平成26年度は臨時財政対策債の借入を行わなかったこと及び過去の借入の元利償還が進んだことにより、公債費は10.1%と類似団体平均、東京都平均を下回る値となっている。今後も赤字地方債の発行に頼らない財政を目指さなくてはならない。
公債費以外の経常収支比率は85.7%と類似団体平均に比べ高止まりをしている。類似団体と比較する中で見えてくる国立市の特徴として、扶助費と繰出金に係る経常収支比率が高いことが挙げられる。扶助費の中でも社会福祉費が特に高い水準にあり、障害者福祉に係る経費が主な内容である。また繰出金については、下水道事業特別会計への公債費にかかる繰出金の高止まりや、国民健康保険特別会計への赤字繰出の伸びが主な要因となっている。