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財政力指数については、前年度と横ばいで推移した。本市は臨海部に大企業の工場群を有し、比較的豊富な税収に恵まれていたが、法人市民税の一部地方交付税原資化により税率の下落した企業が増加した影響等による市税収入の伸び悩んでいるためである。類似団体との比較では依然として高い水準を維持しているが、今後も持続可能な財政運営を継続していくため、歳入・歳出両面での一体的な改革に取り組んでいく。
経常収支比率については、前年度と比較すると1.6ポイント上昇した。全国、県の類似団体平均よりも若干高い数値となっており、財政構造の硬直化が進んでいる。要因としては、充実した公共施設の維持管理費や、高齢化等による扶助費の増加、類似団体と比較して高い人件費等があげられる。今後も、税収の大幅な回復が見込めない中で、財政の弾力性を維持するため施設の統廃合を含め、経常経費の削減に努める。
人口一人当たり人件費は、類似団体と比較すると、消防部門や教育部門において職員数が多いことから高い傾向にある。人事院や千葉県人事委員会の勧告内容に準拠した給与改定を行っているため、若干増加傾向にあるが、職制の見直しや昇格抑制、給料の一律減額措置などを実施し、人件費の抑制に努めている状況である。物件費については、ごみ処理を委託処理で行なっていること、充実した公共施設の維持管理費等が主な要因となり、類似団体と比較して高い水準で推移していることから引き続き抑制に努める。
本市の臨海部は石油コンビナート等災害防止法に基づく特別防災区域に指定されており、大型化学消防車等の特殊車両の配備が必要となることから消防部門の職員数が類似団体と比較し多くなっている。また、教育に重点を置いた施策を行っているとともに、公民館、図書館、郷土博物館など充実した教育施設に正規職員を配置し運営していることから、教育部門の職員数も多くなっている。今後も定員適正化計画の方針に従い、民間委託の積極的な活用等を推進するとともに、次期総合計画の策定に合わせて機構改革を進め、更に効率的な行政組織の構築を図り、職員数の適正化に努めていく。
実質公債費比率については、前年度と比較すると0.1ポイント上昇した。過去の起債抑制策により、類似団体と比較しても良好な数値を維持していたが、近年の大規模な社会資本整備による借入額の増および市役所庁舎の建替により、今後は実質公債費比率の上昇も見込まれる。今後も原則として比率を5パーセント以内に抑えるよう、計画的な事業実施に努めていく。
将来負担比率については前年度と比較すると4.2ポイント上昇している。引き続き類似団体平均を下回っているが、近年の大規模な社会資本整備により上昇したものであり、今後も庁舎の建替えや公共施設の老朽化対策が予定されているため、将来負担比率の更なる上昇が予想される。今後予定されているこれらの事業についても、計画的な事業実施により過度な地方債残高とならないよう留意していく。
本市臨海部の石油コンビナート地区が特別防災区域に指定されており、災害対応に要する消防職員を確保しなければならないことから、類似団体よりも消防部門の職員数が多いことが影響し、経常経費も高くなっている。引き続き、定員適正化計画に基づく職員数の適正化や職制も見直しを実施し、人件費の抑制に努めていく。
物件費の経常収支比率は、前年度と比較して0.5ポイント減少しているが、依然として類似団体と比較し高くなっている。これは、ごみの全量搬出委託処理を行なっていることや公共施設が充実しており、指定管理者制度の導入等を含むこれら施設の運営・維持・管理等の外部委託を推進してきたためである。今後も業務委託の内容の見直し等を継続して行い物件費の抑制に努める。
扶助費の経常収支比率については、前年度と比較すると0.7ポイント上昇した。類似団体平均と比較するとほぼ同水準となっているが、児童福祉、高齢者福祉、障がい者福祉等については構造的に上昇傾向がしばらく続くと予測しているので留意していく必要がある。
その他の経常収支比率については、前年度と同水準である。類似団体平均ともほぼ同水準であるが、他団体同様に後期高齢者医療特別会計、介護保険特別会計への繰出金が、一般会計の財政状況を圧迫する一因となっている。国民健康保険事業会計においては国民健康保険料の適正化を図ることなどにより、税収を主な財源とする普通会計の負担額を減らしていくよう努める。
補助費等の経常収支比率については前年度と同程度であり、引き続き類似団体平均と比較しても良好な状況である。今後も補助金・負担金については、廃止を含めた見直しを定期的に実施することにより、経常経費の削減に努める。
公債費の経常収支比率については、前年度と比較し0.2ポイント減少した。現状においては、過度な公債費負担とはなっておらず、比率も類似団体平均を大きく下回っている。しかしながら、近年の大規模な社会資本整備による起債残高の増および据置期間終了による本格的な償還の開始により、今後は公債費が増加する見込みであり、引き続き借り入れの抑制や低利な借入の実施等で負担の平準化に努めていく。
公債費以外の経常収支比率については、前年度と比較し1.8ポイント上昇し、依然として類似団体平均より高い状況が続いている。要因としては、人件費及び物件費の比率が類似団体に比較し高いことが挙げられることから、職員数や職員給与の抑制、公共施設のあり方の見直し等による物件費の抑制に引き続き取組んでいく。
(増減理由)庁舎の建替え及び耐震化工事のために「庁舎整備基金」へ1.5億円積み立てたものの、JR袖ヶ浦駅北側への道路の整備や、認定こども園・私立保育園の建設にかかる補助を実施したため、「袖ケ浦駅北側整備基金」から1.7億円、「社会福祉基金」から1.9億円、その他、「教育施設整備基金」などから約0.6億円を取り崩したため、基金全体では4億円の減となった。(今後の方針)平成31年度から2025年度に予定する庁舎の建替え及び耐震化工事のため、「庁舎整備基金」へ平成31年度まで毎年1.5億円程度を積立予定である。
(増減理由)財政調整基金については約3.1億円の積み立てを行ったものの、扶助費の増加や庁舎の建替え及び耐震化工事を見据えた庁舎整備基金への積み立て等で約4.5億円の取り崩しを行ったため、約1.4億円の減となった(今後の方針)近年は減少傾向が続いているため、市単独の経常経費の削減に取り組み、現在の水準を維持していく。
(増減理由)定期預金での運用益による増があるが、百万円未満の増である。(今後の方針)取り崩し時期が未定であり、決定するまでの間は定期預金で運用する。
(基金の使途)社会福祉基金:児童、母子、心身障害者(児)、老人、低所得者等の福祉の増進を図るために必要な経費の財源に充てる。庁舎整備基金:袖ケ浦市庁舎の整備に要する資金に充てる。教育施設整備基金:教育施設の整備に要する資金に充てる。袖ケ浦駅北側整備基金:袖ケ浦都市計画事業袖ケ浦駅海側特定土地区画整理事業及びこれに関連する事業の資金に充てる。災害救助基金:災害救助の財源に充てる。(増減理由)庁舎整備基金:庁舎の建替え及び耐震化工事に備え、1.5億円積み立てた。社会福祉基金:認定こども園、私立保育園の整備を行う事業者への建設補助金として約1.9億円取り崩した。袖ケ浦駅北側整備基金:JR袖ヶ浦駅北側地区への道路整備のため約1.7億円取り崩した。(今後の方針)庁舎整備基金:平成31年度から2025年度に予定する庁舎の建替え及び耐震化工事のため、平成31年度まで毎年1.5億円程度を積立予定
当市の有形固定資産減価償却率は類似団体と比較して高い水準にあるが、平成28年8月に策定した公共施設等総合管理計画において、公共施設等の維持管理の基本方針を定めており、今後は個別施設計画の策定を進めていくことで計画的な資産管理に努めるとともに、施設の統廃合などを検討していく。
将来負担比率は8.7%と、類似団体と比較しても過度な将来負担とはなっていない。一方で有形固定資産原価償却率は70.9%となり、ここ数年上昇傾向にあり、類似団体内平均値と比較しても高く、資産の老朽化が進んでいる。今後も計画的な資産の修繕・更新等を進め、過度な将来負担とならない範囲で資産の老朽化対策を進めていく。
将来負担比率は8.7%、実質公債比率は0.7%であり、類似団体内平均値と比較しても低い水準にあり、過度な負担比率にはなっていない。しかし、これまでの公共事業により公債費負担は今後、増加することが見込まれる。よって、今後も過度な比率にならないよう計画的に施設等の在り方を検討していく。
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