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人口の減少や高齢化に加え、町内に中心となる産業がないこと等により、財政基盤が弱く、類似団体平均を少し下回っている。町の組織の見直しや定員管理及び給与の適正化等による歳出の徹底的な見直し、地方税の徴収強化などの取り組みを通じて、財政基盤の強化に努める。
歳入における経常一般財源は前年度と比較して、普通交付税、地方消費税交付金及び地方税が増額したことにより、7.1%増となった。また、歳出における経常一般財源は義務的経費に対する充当額がいずれも減額(人件費は2.5%減、扶助費は0.2%減)したことから経常収支比率は対前年比5.9%改善した。今後も歳入においては、税の徴収対策等を強化することで一般財源確保に努めていくとともに、歳出においては、各事業の精査等により経常経費の圧縮を図っていく。
1人当たりの人件費・物件費等が109,741円であり、類似団体平均と比較して低い水準となっている。その要因として、ごみ処理業務や消防業務を一部事務組合で行っていることや、民間で実施可能な事業については積極的に指定管理制度を導入し、コスト削減に努めている。しかし、一部事務組合の人件費・物件費等に充てる負担金や、公共下水道事業などの公営企業会計の人件費・物件費等に充てる繰出金を合計した場合、人口一人当たりの金額は増加することになるため、引続きこれらも含めた経費について抑制していく。
採用、退職に伴う職員構成の変動及び職員数が少ない団体であるため、経験年数による階層変動が顕著であるが、ラスパイレス指数は令和2年に比べ0.8ポイント増加し、依然として類似団体と比較して高い水準となっている。今後も、社会情勢や財政事情の変化に対応するため、ラスパイレス指数に注視しながら、給与水準及び各種手当の適正化に努めていく。
過去の勧奨退職の実施及び新規採用抑制策により6.20人と類似団体に比べ低い水準にあるが、最近では新規採用の抑制も多少緩和させたこともあり、前年度0.06ポイント上昇した。今後も、事務事業に支障をきたさないよう努めながら、事務の効率化やアウトソーシングの推進、嘱託職員等の雇用に取り組み、効率的な行政運営を目指し、松伏町定員適正化計画に沿って、定員適正化に努めていく。
実質公債費比率計算の分母である普通交付税額等が増額により前年度比0.4ポイント改善し、類似団体と比較して低い水準となっている。地方債は後年度の償還が財政の弾力性を阻む要因となることから、今後も、緊急度・町民のニーズを勘案した事業の選択を進めるとともに、新規発行の抑制に努める。
将来負担額である地方債の現在高や公営企業債等繰入見込額等が減額となったこと等により、将来負担比率は前年度比-8.5ポイント減となり、8.8%と改善されたが、依然として類似団体と比較して高い水準となっている。今後も危険性や緊急性を勘案し事業の選択と集中を進めながら、起債額の圧縮に努め、財政の健全化を図っていく。
過去からの勧奨退職及び新規採用の抑制により、人口千人当たりの職員数は類似団体と比べ少なく、人件費に係る経常収支比率の割合も前年度比2.5ポイント低下しており、類似団体と比較して低い水準となっている。今後も行財政改革の一環として、給与水準の適正化に努めるとともに、一部事務組合に対しても給与の適正化及び効率的な運営を目指した定員の適正化を図るよう働きかけていく。
物件費に係る経常収支比率は、全国、県及び類似団体平均ともに下回っており前年比1.1ポイント減となった。今後もコスト意識を念頭に、より一層の経費節減を図り、経常経費の節減の合理化を行うなど、財政の健全化を図っていく。
扶助費に係る経常収支比率の割合が類似団体平均と比較して、0.3ポイント下回っており、前年度比も0.2ポイント低下しているが、依然として低くない水準である。要因としては、児童福祉や障がい福祉関係経費の増加等が挙げられる。今後も資格審査等の適正化や補助基準を上回る町単独経費の見直しを行い、財政の健全化を図っていく。
その他に係る経常収支比率は、前年度比0.7ポイント減となった。これは、公営企業会計への繰出金が減額になったことが大きな要因である。そのため、類似団体の平均を下回っている。今後も事業の選択と集中を進め、繰出金の抑制が図られるよう働きかけていく。
令和3年度は吉川松伏消防組合負担金及び古利根堰管理費負担金が前年度よりも減額となり、補助費等に係る経常収支比率は、前年比0.7ポイント減となった。ごみ処理業務や消防業務を一部事務組合で行っていることから依然として類似団体と比べ高い水準にある。今後も、各種補助金の見直しや一部事務組合に対するコスト意識を念頭に、より一層の経費節減に努め財政の健全化を働きかけていく。
過去からの投資的経費の抑制策により、類似団体平均と比較して2.0ポイント下回っており、前年度比も0.7ポイント減となっている。今後とも、安全性・緊急性を勘案し、事業の選択と集中を進めながら対象事業の抑制等を徹底し、地方債の新規発行を伴う普通建設事業の抑制を図っていく。
公債費を除く経常一般財源は、扶助費や人件費等にかかる経費が減額となったため、類似団体よりも低水準となった。今後も消費的経費及び経常経費の節減合理化を図るため一般行政経費の抑制に努め、財政の健全化を図っていく。
(増減理由)令和2年度から令和3年度にかけて、財政調整基金及び特定目的基金が増となっている。財政調整基金は、当初予算にて490,000千円の取り崩しを行っているが、補正予算にて積立を行ったため、残高が増額した。また、特定目的基金では、主に松伏町公用・公共用施設整備基金について、当初予算にて防災倉庫施設整備事業や中間処理場施設整備事業等に充てるため、50,000千円取り崩しを行ったが補正予算にて積立を行ったため年度末残高は増額となった。(今後の方針)財政調整基金については、近年の異常気象による台風や竜巻等の災害等への対応も考慮し、その年度毎の決算状況を踏まえ、可能な範囲で積立てを行っていく。今後の積立ての目安としては、当初予算後の時点で標準財政規模の10%程度となるよう長期的に積立を行っていく。特定目的基金については、今後策定予定の公共施設個別施設計画等を基に、その時点での財政状況を見極め、計画的に積立及び取り崩しを行っていく
(増減理由)財政調整基金は、当初予算にて490,000千円の取り崩しを行っているが、補正予算にて積立を行ったため、残高が増額した。(今後の方針)近年の異常気象による台風や竜巻等の災害等への対応も考慮し、その年度毎の決算状況を踏まえ、可能な範囲で積立てを行っていく。今後の積立ての目安としては、当初予算後の時点で標準財政規模の10%程度となるよう長期的に積立を行っていく。
(増減理由)(今後の方針)
(基金の使途)○松伏町公用・公共用施設整備基金:松伏町立小中学校及び松伏町学校給食共同調理場の建設及び施設の改修資金に充てるために設置○松伏町立小中学校建設等基金:公用・公共用施設の整備費用に充てるために設置○森林環境整備基金:木材利用の促進や普及啓発等の森林整備及びその促進に関する費用等に充てるために設置(増減理由)○松伏町公用・公共用施設整備基金:当初予算にて防災倉庫施設整備事業や中間処理場施設整備事業等に充てるため、50,000千円取り崩しを行ったが補正予算にて積立を行ったため年度末残高は増額となった。○松伏町立小中学校建設等基金:利子分2千円積み立てを行ったため、増額となった。○森林環境整備基金:翌年度以降の事業に備えるため2,347千円積み立てを行ったため、増額となった。(今後の方針)○松伏町公用・公共用施設整備基金今後策定予定の公共施設個別施設計画等を基に、その時点での財政状況を見極め、計画的に積立及び取り崩しを行っていく。○松伏町立小中学校建設等基金今後策定予定の公共施設個別施設計画等を基に、その時点での財政状況を見極め、計画的に積立及び取り崩しを行っていく。○森林環境整備基金今後策定予定の公共施設個別施設計画等を基に、その時点での財政状況を見極め、計画的に積立及び取り崩しを行っていく。
当町の有形固定資産減価償却率は82.9%であり、類似団体より著しく高い水準にある。今後は、令和3年度に改訂した公共施設等総合管理計画及び令和2年度に策定した個別施設計画に基づき、公共施設等の適正管理に努めていく。
債務償還比率については、類似団体と比べると若干低くなっているが、役場本庁舎空調設備改修事業、自治体情報セキュリティ強化対策事業や松伏第二中学校プール改修事業に係る既発債の償還が終了したこと、また、近年では事業の精査等を行いい、地方債の新規発行をできるだけ抑えるよう予算編成を行ったことから、類似団体の平均を下回ったものと思われる。今後も引き続き、適正に取り組んでいく。
今までは地方債の新規発行を抑制してきたが、令和3年度においては地方債償還元金よりも発行額が上回った。しかし、財政調整基金等の残高が増加したことにより、将来負担比率は、類似団体を上回るものの、前年度と比較し改善されたところである。しかしながら、有形固定資産減価償却率については、類似団体と比べ著しく高い水準にあり、主な要因としては、町内に存在する建物の老朽化等が進んでいることが挙げられるが、今後は令和3年度に改訂した公共施設等総合管理計画及び令和2年度に策定した個別施設計画に基づき、公共施設等の適正管理に努めていく。
将来負担比率は類似団体と比べ高い水準にあるものの、当町としては実質公債費比率とともに減少傾向にある。これは、事業の精査により、できるだけ地方債の新規発行を抑制してきたこと、計画的に財政調整基金等の積立を行ってきたこと等のためである。今後も、地方債の新規発行については慎重に行い、将来負担比率及び実質公債費比率ともに低下するよう努めていく。
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