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個人・法人町民税の減収や高齢化に加え、町内に中心となる産業がないことなどにより財政基盤が弱く、類似団体平均と同水準になっている。町組織体制を随時見直し、定員管理及び適正化等、歳出の徹底的な見直しを実施するとともに、納税コールセンター設置等により徴収業務の強化に引続き取り組むことで、財政の健全化を図っていく。
歳入における経常一般財源は前年度と比較し、町税及び地方交付税等が減額となり、-0.8%減となった。また、歳出における経常充当一般財源は、義務的経費(人件費や扶助費)に対する充当額がいずれも増額したことにより0.3%増となり、経常収支比率は対前年度比1.0%悪化した。今後も、歳入においては、税の徴収対策等を実施することで一般財源の確保に努めていくとともに、歳出においては、各事業内容の精査等により経常経費の圧縮を図っていく。
1人当たりの人件費・物件費等が95,574円であり、類似団体平均と比較して低い水準となっている。その要因として、ごみ処理業務や消防業務を一部事務組合で行っていることや、民間で実施可能な事業については積極的に指定管理制度を導入し、コスト削減に努めている。しかし、一部事務組合の人件費・物件費等に充てる負担金や、公共下水道事業などの公営企業会計の人件費・物件費等に充てる繰出金を合計した場合、人口一人当たりの金額は増加することになるため、引続きこれらも含めた経費について抑制していく。
採用、退職に伴う職員構成の変動及び職員数が少ない団体であるため、経験年数による階層変動が顕著であることから、ラスパイレス指数は平成27年に比べ1.3ポイント低下している。町では行財政改革の一環として給与水準及び各種手当の適正化を図っており、社会情勢や財政事情の変化に対応するため、引き続きラスパイレス指数に注視しながら給与水準などの適正化に努めていく。※地方公務員給与実態状況調査の国数値が未確定であるため、今回は、前年度数値を引用している。
勧奨退職の実施及び過去からの新規採用抑制策により5.72人と類似団体に比べ低い水準にある。今後も、少数精鋭による執行体制を確立するため、事務事業の効率化やアウトソーシングの推進、嘱託職員等の雇用に取り組み、効率的な行政運営を目指し、松伏町定員適正化計画に沿って、定員適正化に努めていく。
実質公債費比率計算の分母である標準税収入額等が増により前年度比0.1ポイント改善されてきているが、依然として類似団体と比較して高い水準となっている。地方債は後年度の償還が財政の弾力性を阻む要因となることから、今後も、緊急度・町民のニーズを勘案した事業の選択を進めるとともに、新規発行の抑制に努める。
将来負担額である地方債の現在高及び公営企業債等操出見込額等の減額により、将来負担比率は前年度比-3.4ポイント減となり58.0%と改善したものの、類似団体と比較して依然として高い水準となっている。今後も、安全性・緊急性を勘案し事業の選択と集中を進めながら、起債額の圧縮に努め、財政の健全化を図っていく。
勧奨退職及び過去からの新規採用の抑制により、人口千人当たりの職員数は類似団体と比べ少ないが、人件費に係る経常収支比率の割合は類似団体平均を上回っている。今後も行財政改革の一環として、給与水準の適正化に努めるとともに、一部事務組合に対しても給与の適正化及び効率的な運営を目指した定員の適正化を図るよう働きかけていく。
物件費に係る経常収支比率は、前年度と比べ減となっている。また、コスト意識を念頭に、より一層の経費節減を図ることにより類似団体の平均を下回る水準となっている。今後も経常経費の節減の合理化を行うなど、財政の健全化を図っていく。
扶助費に係る経常収支比率の割合が類似団体平均と比較して、0.1ポイント下回っているが、近年の比率は上昇傾向にある。要因としては、児童福祉や障がい福祉関係経費の増加等が挙げられる。町単独制度及び補助基準を上回る町単独経費の見直しを行い、財政の健全化を図っていく。
国民健康保険事業への操出金が減額となったが、後期高齢者事業や介護保険事業への繰出金が増額となった。指標においては類似団体平均と同率となっている。今後も高齢化の進展などによりこの傾向は続くことが見込まれるため、事業の選択と集中を進め、繰出金の抑制が図られるよう働きかけていく。
平成29年度は吉川松伏消防組合負担金及び東埼玉資源環境組合分担金が事業の完了等により前年度よりも減額となったことにより、補助費等に係る経常収支比率は、前年度よりも-0.4ポイント減となった。ごみ処理業務や消防業務を一部事務組合で行っていることから依然として類似団体と比べ高い水準にある。今後も、各種補助金の見直しや一部事務組合に対するコスト意識を念頭に、より一層の経費節減に努め財政の健全化を働きかけていく。
過去からの投資的経費の抑制策により、類似団体平均と比較して2.1ポイント下回っている。今後とも、安全性・緊急性を勘案し、事業の選択と集中を進めながら対象事業の抑制等を徹底し、地方債の新規発行を伴う普通建設事業の抑制を図っていく。
公債費を除く経常一般財源は、扶助費や人件費等にかかる経費が増額となったため、前年度よりも占める割合が多くなっており、類似団体平均よりも1.1ポイント高い割合となっている。今後も消費的経費及び経常経費の節減合理化を図るため一般行政経費の抑制に努め、財政の健全化を図っていく。
(増減理由)平成28年度から平成29年度にかけて、財政調整基金及び特定目的基金が減となっている。財政調整基金は、当初予算にて470,000円取り崩しを行っているが、平成28年度からの繰越金が前年度よりも減であったため、補正予算にて積立を行った金額が見込みよりも減となり、残高が減額した。また、特定目的基金では、主に松伏町公用・公共用施設整備基金について、平成29年度に中央公民館空調設備改修事業やB&G海洋センター改修事業等に充てるため、39,000千円取り崩しを行い、減額となった。(今後の方針)財政調整基金については、近年の異常気象による台風や竜巻等の災害等への対応も考慮し、その年度毎の決算状況を踏まえ、可能な範囲で積立てを行っていく。今後の積立ての目安としては、当初予算後の時点で標準財政規模の10%程度となるよう長期的に積立を行っていく。特定目的基金については、今後策定予定の公共施設個別施設計画等を基に、その時点での財政状況を見極め、計画的に積立及び取り崩しを行っていく。
(増減理由)財政調整基金は、当初予算にて470,000円取り崩しを行っているが、平成28年度からの繰越金が前年度よりも減であったため、補正予算にて積立を行った金額が見込みよりも減となり、残高が減額した。(今後の方針)近年の異常気象による台風や竜巻等の災害等への対応も考慮し、その年度毎の決算状況を踏まえ、可能な範囲で積立てを行っていく。今後の積立ての目安としては、当初予算後の時点で標準財政規模の10%程度となるよう長期的に積立を行っていく。
(増減理由)(今後の方針)
(基金の使途)松伏町公用・公共用施設整備基金:松伏町立小中学校及び松伏町学校給食共同調理場の建設及び施設の改修資金に充てるために設置松伏町立小中学校建設等基金:公用・公共用施設の整備費用に充てるために設置(増減理由)松伏町公用・公共用施設整備基金:平成29年度に中央公民館空調設備改修事業やB&G海洋センター改修事業等に充てるため、39,000千円取り崩しを行い、減額となった。松伏町立小中学校建設等基金:平成29年度に給食センター設備改修事業に充てるため、5,000千円取り崩しを行い、減額となった。(今後の方針)松伏町公用・公共用施設整備基金:今後策定予定の公共施設個別施設計画等を基に、その時点での財政状況を見極め、計画的に積立及び取り崩しを行っていく。松伏町立小中学校建設等基金:今後策定予定の公共施設個別施設計画等を基に、その時点での財政状況を見極め、計画的に積立及び取り崩しを行っていく。
当町の有形固定資産減価償却率は81.2%であり、類似団体より著しく高い水準にある。平成27年度に公共施設等総合管理計画を策定し、令和元年度には各施設の老朽化状況等を調査し、令和2年度には、その調査結果をもとに個別施設計画を策定する予定である。その後、当該計画に基づき、施設の維持管理を適切に進めいていく予定である。
地方債の新規発行を抑制してきたこと及び財政調整基金等の基金積立を計画的に行ったことから、当町の将来負担比率は減少傾向にあるが、類似団体と比べると高い水準にある。特に、有形固定資産減価償却率については、類似団体と比べ著しく高い水準にあり、主な要因としては、町内に存在する建物の老朽化等が進んでいること挙げられるが、令和元年度には各施設の老朽化状況等を調査し、令和2年度には個別施設計画を策定予定であるため、今後は当該計画に基づき老朽化対策に取り組んでいく予定である。
将来負担比率及び実質公債費比率ともに類似団体と比べ高い水準にあるものの、当町としては減少傾向にある。これは、事業の精査により、できるだけ地方債の新規発行を抑制してきたこと、財政調整基金等の基金積み立てを計画的に行ったためである。今後も、緊急性や危険性、地域性を勘案した事業を進めるとともに、地方債の新規発行については慎重に行い、基金の運営を適切に行いながら、将来負担比率及び実質公債費比率ともに低下するよう努めていく。
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