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個人・法人町民税の減収や高齢化率(平成27年度末25.5%)に加え、町内に中心となる産業がないことなどにより財政基盤が弱く、類似団体平均と同水準になっている。町組織体制を随時見直し、定員管理及び適正化等、歳出の徹底的な見直しを実施するとともに、納税コールセンター設置等により徴収業務の強化に引続き取り組むことで、財政の健全化を図っていく。
歳入における経常一般財源は前年度と比較し、地方交付税や地方消費税交付金等が増額となり、1.2%増となった。また、歳出における経常充当一般財源は、義務的経費(人件費や扶助費、公債費)に対する充当額がいずれも増額したことにより2.4%増となったため、経常収支比率は対前年度比1.0%悪化した。今後は、徴収率向上の対策として催告対象者にコンビニエンスストア用納付書を発行するなど、徴収業務の強化を実施することで一般財源の確保に努めていくとともに、各事業の見直しなど行財政改革への取組等を通じて義務的経費の削減に努める。
人件費・物件費等が90,997円であり、類似団体平均と比較して低い水準となっている。その要因として、ごみ処理業務や消防業務を一部事務組合で行っていることや、民間で実施可能な事業については積極的に指定管理制度を導入し、コスト削減に努めている。しかし、一部事務組合の人件費・物件費等に充てる負担金や、公共下水道事業などの公営企業会計の人件費・物件費等に充てる繰出金を合計した場合、人口一人当たりの金額は増加することになるため、引続きこれらも含めた経費について抑制していく。
採用、退職に伴う職員構成の変動及び職員数が少ない団体であるため、経験年数による階層変動が顕著であることから、ラスパイレス指数は前年度に比べ0.1ポイント上昇したが100は下回っている。町では行財政改革の一環として給与水準及び各種手当の適正化を図っており、社会情勢や財政事情の変化に対応するため、引き続きラスパイレス指数に注視しながら給与水準などの適正化に努めていく。
勧奨退職の実施及び過去からの新規採用抑制策により5.39人と類似団体に比べ低い水準にある。今後も、少数精鋭による執行体制を確立するため、事務事業の効率化やアウトソーシングの推進、嘱託職員等の雇用に取り組み、効率的な行政運営を目指し、松伏町行財政検討結果報告書に照らし合わせ、定員適正化に努めていく。
償還完了による公債費に準ずる債務負担行為の減や、災害復旧費等に係る基準財政需要額に算入される地方債の増により前年度比0.3ポイント改善されてきているが、依然として類似団体と比較して高い水準となっている。地方債は後年度の償還が財政の弾力性を阻む要因となることから、今後も、緊急度・町民のニーズを勘案した事業の選択を進めるとともに、新規発行の抑制に努める。
充当可能財源である基準財政需要額算入見込の公債費や財政調整基金をはじめとする各種基金への積立等の増額に加え、退職手当負担見込額や公営企業債残高の減により、将来負担比率は前年度比6.9ポイント減となり64.6%に改善したものの、類似団体と比較して依然として高い水準となっている。安全性・緊急性を勘案し事業の選択と集中を進めながら、起債額の圧縮に努め、財政の健全化を図っていく。
勧奨退職及び過去からの新規採用の抑制により、人口千人当たりの職員数・人口1人当たりの人件費・物件費等の指標は類似団体と比べ低い水準にある。今後も行財政改革の一環として、給与水準の適正化に努めるとともに、一部事務組合に対しても給与の適正化及び効率的な運営を目指した定員の適正化を図るよう働きかけていく。
物件費に係る経常収支比率は、前年度と比べ増額となったものの、コスト意識を念頭に、より一層の経費節減を図ることにより類似団体の平均を下回る水準となっている。今後も経常経費の節減の合理化を行うなど、財政の健全化を図っていく。
扶助費に係る経常収支比率が類似団体と比べ高い水準にあり、かつ上昇傾向にある要因として、こども医療費給付費(就学分)や介護給付費・訓練等給付費などの児童・障がい福祉関係経費の増加等が挙げられる。町単独制度及び補助基準を上回る町単独経費の見直しを行い、財政の健全化を図っていく。
普通建設事業費は、教育施設の大規模改修工事等が終了したことにより減額となったものの、介護保険や後期高齢者医療等への繰出金が増額となった。指標においても類似団体平均と同水準になっている。今後も高齢化の進展などによりこの傾向は続くことが見込まれるため、事業の選択と集中を進め、介護予防の推進等により、繰出金の抑制が図られるよう働きかけていく。
東埼玉資源環境組合分担金や吉川松伏消防組合負担金が事業の完了等により減額したことで前年度より1.0ポイント改善したものの、ごみ処理業務や消防業務を一部事務組合で行っていることから依然として類似団体と比べ高い水準にある。今後も、各種補助金の見直しや一部事務組合に対するコスト意識を念頭に、より一層の経費節減に努め財政の健全化を働きかけていく。
過去からの投資的経費の抑制策により、類似団体と比較して2.3ポイント下回っている。しかし、前年度を上回った要因としては、学校給食センターの機器更新事業等の償還が始まったことによるものである。今後とも、安全性・緊急性を勘案し、事業の選択と集中を進めながら対象事業の抑制等を徹底し、地方債の新規発行を伴う普通建設事業の抑制を図っていく。
公債費を除く経常一般財源は、扶助費や繰出金等ほぼ全ての経費において前年度を上回っており、類似団体の平均を上回る水準となっている。今後も消費的経費の削減に努め、経常経費の節減合理化を図るため一般行政経費の抑制に努め、財政の健全化を図っていく。
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