地域において担っている役割
地域の中核病院として急性期医療を中心に、救急医療、周産期医療、小児医療などの不採算医療分野も担っている。また、感染症指定病院として感染症への対応や災害拠点病院として患者の受入れ及び搬送、医療救護チームの派遣など救急救護活動を担っている。地域住民の予防医療、健康の推進として行政を中心に疾病予防活動を担っている。
経営の健全性・効率性について
①「経常収支比率」②「医業収支比率」は100%を下回り、厳しい状況ではあるが、類似病院平均値を上回っている。③「累積欠損金比率」は発生していない。④「病床利用率」は類似病院平均値を上回っているが、自院の目標値(85%)には達していない。⑤「入院患者1人1日当たり収益」は手術件数の減少により前年度より減、⑥「外来患者1人1日当たり収益」は前年より増となり健全な水準にある。⑦「職員給与費対医業収益比率」は給与費の自然増、医業収益の減により増加している。⑧「材料費対医業収益比率」は類似病院平均値を上回っているが、これは当院の院内処方率が高いことが要因と思われる。
老朽化の状況について
器械備品では、高額医療機器の老朽化が進んでおり、病院の現状を考慮するとともに、急性期医療を提供できるよう計画を立てて更新していく。また、施設全体の老朽化は類似病院の平均値と比較すると進んでいないものの、開院から約30年が経ち、施設設備の中には老朽化が進んでいるものもあるため、高額医療機器の更新後、必要に応じて更新を行っていく。
全体総括
類似病院平均と比較し、概ね健全な病院運営が出来ていると考えられる。高齢化社会の進展と人口減少による患者数の減少に加え、新型コロナウイルス感染症の影響、診療報酬改定により、病院運営は益々厳しくなる。こうした状況の中で、企業団として七日市病院と一体となった運営を行い、病院機能、ベッドコントロール及び病床数などの運営方針を早めに決定する必要があると考えられる。また、地域の医療機関との連携を強化し、地域完結型の医療の推進を図っていく。