経営の健全性・効率性について
収益的収支比率はH28より減少傾向があり、単年収支は赤字を示している。料金収入のみで経費を賄える水準にはいたってないため、改善が必要である。なお、経費回収率も類似団体と同様の値を示しているが、未だ100%を下回っているため維持管理費を削減していく必要がある。汚水処理原価については、その年度によってばらつきはあるものの、類似団体よりも原価が高く、将来的にも料金収入等の増加が見込めないため、維持管理費等の削減に、より一層努め、下げていく必要がある。今後は料金滞納の圧縮や経営戦略の策定を行い、下水道事業の健全化に向け努めていく。※「④企業債残高対事業規模比率」は錯誤により下記のとおり訂正する。H26→2297.54%、H27→2212.54%、H28→1957.39%、H29→1762.53%、H30→1580.21%・上記数値を考慮すると着実に企業債は減少してきていることが確認できる。しかしながら、類似団体と比較すると平均より高い水準となっているため、より計画的な運営を行っていく必要がある。また、減少傾向ではあるが管更生等も行う可能性も高いため今後は増加する可能性もある。
老朽化の状況について
供用開始後30年が経過した管や施設があったりと、下水道施設の老朽化が進んできている。老朽化に伴い、管路の腐食、不明水の侵入や、木の根による管路の閉塞、各施設の故障が発生してしまう恐れがある。そのため、現場の状況を確認しながら、計画的に改修が出来るように努めていく。現在では長寿命化計画に基づく施設の老朽化対策に取り組んでいるが、令和元年度において完了見込みである。
全体総括
みなかみ町は人口減少が続き、料金収入の確保も厳しい状態にあるが利根川源流域の水質保全や生活環境の維持・向上を目指し、維持管理を引き続き行う。下水道事業が供用開始してから30年が経過し、施設の老朽化が進む中、長寿命化計画に基づく計画的な老朽化対策を進め、支障なく安定的に汚水処理が出来るように引き続き維持管理に努めていく。経営面では、水洗化率の向上による料金収入の確保に努めるとともに、事業費の見直しや維持管理費の縮減等の経費削減に取り組み経営の健全化を推進していく。