収益等の状況について
①収益的収支比率は、コロナ禍の影響で僅かに100%を下回り赤字経営に転じたが、平均値より9%上回っている。②他会計補助金比率は、コロナ禍の影響により指定管理料を増額したことで、過年度より一般会計繰入金が大幅に増加したが、平均値より2.2%下回っている。③宿泊者一人当たりの他会計補助金額は、平均値より164,812円下回っており、平均に比べ一般会計に依存していない状況である。④定員稼働率は、コロナ禍の影響で大幅に減少したが、平均値より5%上回っている。⑤売上高人件費比率は、コロナ禍による売上減少が影響しR1年度より増加したが、人件費の抑制に努めており平均値より219.7%下回っている。⑥売上高GOP比率は、コロナ禍の影響で大幅なマイナスに転じたが、平均値より23%上回っている。⑦EBITDAは、老朽化による修繕工事費の増加により減少が続いていたが、R2年度はこれに加え指定管理料を大幅に増額したことで、一般会計繰入金も増加したことが影響して大きなマイナスとなった。
資産等の状況について
⑩設備投資見込額は、今後10年間で見込む建設改良費や修繕費などの額であり、排煙窓交換工事、雨漏り修繕工事等を予定している。⑫企業債残高対料金収入比率は0であるが、これは企業債残高が0であることによるものである。
利用の状況について
所在都道府県の延宿泊者数に対する当該施設の延宿泊者数について、H30年度の0.18%、R1年度の0.16%に対して、R2年度は0.10%と減少しているが、H28、H29年度の0.05%よりは高い数値を維持している。R2年度に減少したのは、「GoToトラベル」や「愛郷ぐんまプロジェクト」等の宿泊費補助事業が、客単価の高い民間宿泊施設はその恩恵をより多く受け、比較的客単価の低い当該施設はその恩恵が少なかったことに起因していると予想される。
全体総括
コロナ禍の影響により、収益状況は過年度と比べ全ての項目で大幅に悪化している。しかしながら、指定管理者制度を導入し運営しており、多くの項目が平均値より上回る数値を維持している。また、施設の開館から20年以上が経過しているため、計画的に設備の改修や修繕を実施していく必要がある。