経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は80%程と赤字であり、類似団体平均値と比較して大きな差がある。要因としては、契約水量の減少に伴う給水収益の減収が考えられる。今後も新規事業所の参入は見込めないため、早急な料金改定の実施が必要である。②累積欠損金比率は、類似団体平均値を下回っているが、年々右肩上がりに増加している。今後も増加傾向となることが予想されるため、料金改定の実施により欠損金の抑制に努めたい。③流動比率は100%以上であり、類似団体平均値と比較しても高い数値となっている。今後も企業債の支払いが減少していくため、高い数値になると予想される。④企業債残高対給水収益比率は、類似団体平均値と比較して低い数値である。これは、施設等の更新工事の実施がないことに伴い、新たな企業債の借入もなく、償還により借入残高が年々減っているためである。⑤料金回収率は類似団体平均値と比較して、低い数値となっている。今後は料金水準の適正化等を踏まえ、更なる経費削減等により、収支バランスの調整を図る必要がある。⑥給水原価は類似団体平均値と比較して、低い数値となっている。これは、更新工事等の実施時期を見極め、経費を節減しているためである。⑦施設利用率は類似団体と比較して低いが、今年度は契約水量が少量ではあるが増加したため、今後は配水量が増加に転ずると予想している。⑧契約率は類似団体平均値と比較して、やや低い数値となっている。今後も契約水量の大規模な増加は望めないため、施設規模の見直しも検討していく必要がある。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は、類似団体平均値と比較して高い数値となっており、老朽施設が多くなっていることを示している。今後は更新投資を計画的かつ積極的に実施していく必要がある。②管路経年劣化率は、類似団体平均値と比較して高い数値となっている。管路の更新は喫緊の課題であることから、更新財源の確保や経営分析を図りながら、計画的な実施が必要である。③管路更新率の当該値は0であり、更新が進んでいないことを示している。要因としては、赤字が続いているため大規模な更新工事を実施できない状況が挙げられる。今後は、料金改定を実施して財源を確保し、老朽施設の更新優先度を見極めながら、計画的な更新をしていく必要がある。
全体総括
経営の健全性・効率性をみると、類似団体平均値と比較して低い水準となっている。また、施設・管路の老朽化が著しく進んでいるため、計画的な更新を実施していく必要がある。しかしながら、新規参入事業所も見込めない状況であることから、更新財源確保のためにも、早期に料金改定を行う必要がある。