地域において担っている役割
地方独立行政法人市立秋田総合病院は、公的医療機関として、結核・精神・救急等の政策的な医療やがん診療等の高度な医療を総合的に提供している。特に、秋田県がん診療連携推進病院として難易度の高い外科的治療等の提供や救急告示病院として一般救急および小児救急を開設している。また、精神科領域では、秋田県で唯一の基幹型認知症疾患医療センターに指定され、地域の中核的医療機関としての役割を果たしている。
経営の健全性・効率性について
令和元年度は、患者数が入院・外来ともに前年度に比べて減少したものの、診療単価の高い手術や検査が増加したことから、医業収益は増加した。一方で、医業費用は、給与費等の減少により前年度に比べて減少し、この結果、医業収支比率は前年度よりも改善した。なお、経常収支比率は100%超を維持しているが、病床利用率は精神病床の稼働が悪く減少している。
老朽化の状況について
病院建物については竣工より35年が経ち老朽化が進行しており、有形固定資産減価償却率および器械備品減価償却率が増加傾向にある。病院建物の老朽化や狭隘化の解消を図るため、令和元年度に新病院の本体建設工事に着工した。新病院の開設にあわせ、医療機器の更新を計画的に行っていくこととしている。
全体総括
平成26年度に地方独立行政法人に移行後、6年連続で経常収支比率100%以上を維持しており、安定した財務基盤の確保を図りながら、地域における中核的な公的医療機関として、総合的かつ高度な医療を提供してきているといえる。今後とも、業務運営の効率化を図りながら、収益の確保と経費の節減に努め、良質な医療を安定的に提供していく。