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成瀬ダム建設事業に伴う事業者流入により、財政力指数は昨年度同様0.12という数値となっている。今後も微増していくものと見込まれるが、成瀬ダム建設事業が完了する令和6年度以降は、村税の減少が想定され、財政力指数の減少も見込まれる。そのため、ふるさと納税などの有効財源の確保に引き続き努める。
令和2年度の経常収支比率は令和元年度と比較すると1%減少の100.4%となった。比率の分子において、人件費、物件費、扶助費は前年と比較して減少したが、平成27年度に実施した学校給食センター、食肉加工センター建設事業に伴う地方債の元利償還が開始されたことにより公債費が1.2億円の増(+19.9%)となり、比率の分子は3.2%の増となった。一方比率の分母においては、普通交付税や地方税、地方消費税交付金が増加しており、分母は4.2%の増となりこれが比率全体の減要素となったため、100.4%(-1.0%)となった。前年度から減少しているものの、依然として100%を超過している状況に変わりはないため、一層の事業見直しなどにより比率の改善に努める。
人口1人当たりの人件費・物件費等決算額は前年度比22,042円増となる430,064円となっている。人件費は、近年の採用数減少と一定の退職者数により、減少の要因があるものの、地域おこし協力隊員を令和2年度は4名採用したため、全体として増加している。今後は、職員の定員管理に努めつつ、委託料をはじめとした物件費に対しても積極的な見直しを行う。
ラスパイレス指数は、令和2年度において類似団体平均を0.3ポイント上回る結果となったものの、令和元年度からするとその差は0.5ポイント縮小するかたちとなった。主な要因は職員数の減少とこれによる給料月額の減少となっている。今後も適正な定員管理と職員手当の点検を行うなどして、給与の適正化に努める。
人口1,000人当たりの職員数は類似団体平均を3.95人下回る16.28人となっている。平成15年度に策定した「東成瀬村まちづくり計画」において、職員定数を平成29年度末までに100人から80人とする目標を掲げて取り組んだ結果、目標以上の削減を達成している。今後も退職者の状況に鑑みながら、適正な定員管理に努める。
令和2年度の実質公債費比率は15.7%で、前年度に対し2.1ポイント悪化している。平成27年度から平成28年度において食肉加工センター・給食センターをはじめとした建設事業を実施し、地方債の発行が続いたことで、実質公債費比率の悪化は平成26年度から7年連続しており、普通交付税算入率の高い地方債を優先して発行するなど公債費を増加させない取り組みを行ってきたものの、その抜本的な改善に至っていない。令和2年度、令和3年度は、今後の単年度あたりの償還額を減少させることを目的として、繰上償還を実施する見込みである。今後も比率の状況を見ながら継続して行い、比率の減少に努める。
将来負担比率は46.6%と昨年度同様悪化している。主な要因は、比率分子のうち財政調整基金などの充当可能財源の減少、簡易水道事業特別会計において公営企業債を多額に投じて行っている統合簡易水道事業にかかる公営企業債償還に対する繰入見込額の増加が挙げられる。一般会計では、令和3年度から令和5年度にかけて多額の地方債を充当して行う栗駒山荘大規模改修事業を予定しており、将来負担額のうち地方債残高の増加が見込まれることから、簡易水道事業特別会計における料金見直しなどを行い、特別会計内での収支改善を図るなどして公営企業債繰入見込額の削減をし、将来負担比率全体の減少を目指す。
人件費は、類似団体平均を6.8ポイント下回る17.8%なっている。保育園へ職員が2名派遣となったこと、近年の採用数よりも退職者数が上回っている状況が主な要因となっている。今後も定員数に鑑みながら、数値の維持に努めていく。
物件費は、前年度から2.2ポイント改善し、17.3%となった。減少の主な要因は、新型コロナウイルス感染症による出張件数の減少に伴う使用料、燃料費の減少となっている。今後も積極的な見直しにより、数値の改善に努める。
扶助費は、前年度から1.3ポイント減少した3.1%となっている。令和2年度から公設であった保育園を民営化したことに伴い、数値が改善された。今後は、村単独の給付金事業の効果と成果の検証を行い、適正な制度運用となるよう努める。
令和2年度は前年度から0.2ポイント低い、15.8%となった。これは、村単独の奨学金貸付事業において、貸付対象者が減少したことに起因するものとなっている。なお、繰出金は、前年度より12,622千円増加し、その経常収支比率も0.2ポイント増加した。繰出金増加の主な要因は簡易水道事業特別会計での元利償還金の増加であり、今後も微増することが見込まれる。そのため、特別会計内での収支健全化となるよう利用料金の見直しを行い、比率の上昇抑制に努める。
補助費は、前年度同数値の11.7%となっている。村単独補助金のうち、一部の農業振興関連補助金は補助内容が慢性化しているなどの課題がある。そのため事業の見直しをしつつ、効率的な支出になるよう努め、比率の改善を図る。
公債費は、平成27年度の農業用循環拠点施設整備事業に充当した地方債の償還が開始したことに伴い、4.6ポイント悪化した。しかし、令和3年度からは、令和2年度以前既発債分の償還予定額よりも今後の単年度あたり地方債の発行見込額が小さくなる見通しであるため、比率も減少することが見込まれる。今後は、令和3年度以降の公債費規模減少に併せ、普通建設事業の縮小や事業の見直しを行い、一層の数値改善を目指す。
公債費以外は前年度から5.6ポイント低い65.7%となった。これは、保育園民営化に伴う職員派遣により経常経費分の人件費が減少したこと、燃料費、使用料をはじめとして大幅な減額があった物件費が主な要因となっている。令和3年度以降は、令和2年度の数値をさらに改善することを念頭に、経常経費の全体的な削減に努める。
(増減理由)定額を積み立てている減基金およびふるさと納税の増収によるその他特定目的基金の増があったものの、公債費増額に伴う財政調整基金の減少が大きいため、基金全体としては減少傾向にある。(今後の方針)公債費は令和3年度以降減少する見込みであることから、財政調整基金取崩額は減少する見込みである。そのため、普通建設事業の規模縮小や、各事業の見直しによる経費削減なども併せて行い、財政調整基金繰入金の減少額が最小限となるよう努める。
(増減理由)大規模建設事業に充当した過疎対策事業債の償還および簡易水道事業特別会計内での償還額増加による一般会計繰出金の増加に対応するため、財政調整基金繰入金の増加が続いている。こうしたことから財政調整基金の残高も減少し続けている。(今後の方針)公債費は令和3年度以降減少する見込みであることから、財政調整基金取崩額は減少する想定である。そのため、普通建設事業の規模縮小や、各事業の見直しによる経費削減なども併せて行い、財政調整基金繰入金の減少額が最小限となるよう努める。
(増減理由)今後の施設老朽化に対応した地方債の増額や、財政指数改善に向けた地方債の繰上償還が見込まれることから、定額で基金の積み立てを行っている。(今後の方針)実質公債費比率の改善に向けて、一定規模の取り崩しを行い、繰上償還を行う見込みである。
(基金の使途)地域福祉基金・・・高齢者福祉推進事業の財源に充てるものさわやかなるせ仙人の郷基金・・・ふるさと納税を基金として積み立てるものであり、寄付者から指定を受けた事業へ充当するものふるさと水と土保全基金・・・土地改良施設の有する多面的機能の保全、集落住民共同活動の強化に関する事業へ充当するもの森林環境譲与税基金・・・村内の森林整備及びその促進に関する施策へ充当するもの(増減理由)地域福祉基金は前年度と同水準で積み立てのみを行ったことによる増となっている。さわやかなるせ仙人の郷基金は、毎年度指定されている事業に対して充当を行っているが、歳入のふるさと納税が伸びたことにより基金全体として増加している。森林環境譲与税基金は、森林環境譲与税をそのまま積み立て、これを財源とした事業への充当を行った差分が残高として残ったため、基金として増加している。(今後の方針)地域福祉基金とふるさと土と水保全基金は、使途に合致した運用を行うことから、一般会計の状況を注視しつつ積み立てと取り崩しを行う。さわやかなるせ仙人の郷基金は、今後も増加することが見込まれており、寄付者の要望に沿った事業を展開しながら適切な運用を進めていく。
本村の有形固定資産減価償却率は類似団体平均と比較して8.3ポイント高い70.7%となっており、前年度と比較して1.6ポイント上昇した。今後も一部の施設を除いては大規模な改修等は計画されていないため、比率の増加が予想される。そのため、基金を活用した公共施設の維持補修を計画的に行い、これと併せて数値の改善に努める。
本村の債務償還比率は前年度と比較して185.5ポイント低い646%となった。令和2年度は元年度と比較して過疎対策事業債の元利償還金が増加した。これにより普通交付税算入額も増加したため普通交付税交付額も増加となった。同時に繰上償還も実施したため、元利償還金額が地方債発行額を大きく上回り、地方債残高も大きく減少し、結果として比率も大きく改善した。今後も計画的な繰上償還を行いながら、比率のさらなる改善に努めたい。
将来負担比率、有形固定資産減価償却率ともに増加傾向にあり、将来負担比率は前年度から9.4ポイントの増、有形固定資産減価償却率は前年度から1.6ポイント増加している。将来負担比率は、簡易水道事業特別会計における地方債元利償還金の増加により、一般会計繰出金が増加しているためで、有形固定資産減価償却率は昨年同様、各施設の老朽化が進んでいるためである。令和4年度は普通交付税増加に伴い、将来負担比率の減少が見込まれるため、財源を有効に活用しながら各公共施設の維持管理に努め、有形固定資産減価償却率の減少に努める。
実質公債費比率は対前年度で2.1ポイント高い15.7%、将来負担比率も前年度から9.4ポイント高い46.6%となっている。実質公債費比率増加の最たる要因は、これまでに発行した地方債の元利償還金の増加である。令和2年度は、平成27年度に着手した食肉加工センターや学校給食センター移転事業に充当した過疎対策事業債の償還が開始したため、大幅な増加となった。元利償還金のピークは令和3年度となっているため、今後も数値の高止まりが想定される。将来負担比率の増加は簡易水道事業特別会計への繰出金が増加しているためである。こうした状況から今後も繰上償還を実施しつつ、地方債残高減少を中心とした実質公債費比率と将来負担比率の減少に努めたい。
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