経営の健全性・効率性について
経常収支比率や料金回収率は良好な指標が得られており、欠損も発生していないものの、先を見据えた更なる費用削減や、計画的な更新、修繕を続けて行く必要があると考えている。流動比率については、安定的な収益が確保されているため、数値は横ばい傾向であるものの、浄水場等の解体を控えており、流動比率の落ち込みが予想されるため、公営企業施設等整理債の利用を検討している。企業債残高対給水収益比率については、浄水場整備等の大規模建設改良事業が終了していることから、企業債残高は減少傾向にあるが、人口減による給水収益の減少も見込まれるため、適切な投資規模を維持していく必要があると考えている。給水原価については、簡易水道や下水道の料金徴収事務等を受託しているため、経費が増加しているものの、その分の収入が積算算定外であるため、実質的な数値はもっと低いものとなる。30年度は検定満期メーターの交換が多い年に当たっていたため取替業務委託等や交換の際の止水栓の修繕費の増などにより費用が増えたことにより前年度比で増となっている。有収率は前年度から3.6ポイント減となっており、引き続き老朽管路の更新を行いながら、令和2年度から漏水調査を実施する予定としている。施設利用率は、人口減少に伴う配水量の減少により類似団体平均値を下回っているが、今後の拡張事業に係る配水量や災害時等の水需要も考慮しながら、将来の適正な施設規模を検討していく。
老朽化の状況について
老朽化の著しい基幹管路の更新については、平成25年度までに終了し、平成26年度からは小口径の管路の更新を進めている。今後も法定耐用年数を越えた管路が増えていくことから、計画的かつ効率的に管路の更新事業を進めていく。あわせて地下漏水量を抑えるための対策として令和2年度から漏水調査を行う予定としている。
全体総括
今後の経営見通しでは、給水収益の減少や費用の増加に伴い、純利益は減少していくものと考えているが、当面は安定した経営で経常利益を確保できる見込みである。施設整備では老朽管路の更新や区域拡張に伴う新設配水管布設等を実施しており、今後も引き続き事業費の平準化を図りながら経営状態を考慮した事業規模を検討していく。