地域において担っている役割
都道府県がん診療連携拠点病院として,(イ)がん患者の状態に応じた適切な治療の提供(ロ)がん予防に関する県民への啓発(ハ)東北大学病院との機能分担による「全県的がん診療体制」の構築(ニ)がん患者の療養生活の質の向上(ホ)研究の促進と研究成果の応用等に取組み,県民に必要な医療・情報を提供するという役割を担っている。
経営の健全性・効率性について
令和元年度決算において経常収支比率は平均を上回っているが,医業収支比率は平均値を下回っている。病床利用率・入院・外来単価は平均値を上回っており,前述の医業収支比率を改善させていくために,さらなる医業費用の削減に取り組む必要がある。外来単価については,化学療法による高額薬品の使用が影響しており,材料費対医業収益比率についても平均値を大きく上回っている。なお,独法化後から黒字を維持しており,累積欠損金は発生していない。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は平均値を下回っているものの,建設後26年が経過し,老朽化が進んでいる施設設備について計画的に更新・修繕を進める必要がある。器械備品減価償却率は平均を上回っており,耐用年数を過ぎた医療機器も数多く使用している。費用を抑制しながらの計画的な更新が必要となる。
全体総括
経常収支比率・病床利用率等は平均を上回っている一方で,医業収支比率は平均値を下回っている。そのため,さらなる医業費用の削減に取り組む必要がある。今後,老朽化が進んでいる施設・器械の更新を行っていく必要があるが,新たな減価償却負担等の経費が発生するため,さらなる経常収益の確保,費用の抑制を進めていく必要がある。