地域において担っている役割
東日本大震災により南三陸地域の医療機関全てが流失した。震災後再建できた診療所、歯科診療所は其々2か所のみとなっている。また、入院施設は当院のみとなっており地域の基幹医療施設として輪番制及び二次救急指定医療機関となっている。併設された「総合ケアセンター南三陸」及び「りあす訪問看護ステーション」とともに地域の医療・保健・福祉の拠点として地域包括ケアの構築に努めている。
経営の健全性・効率性について
震災後27年12月に再建開院し、前年度より本格稼働となった。経常収支・医業収支ともに新病院開院に伴い医療体制の充実を図ったこと等により費用が増加したが収益増に時間を要したことにより平均値を下回った。しかし費用対効果が徐々に現れ29年度はいずれの数値も上昇した。累積欠損金比率は、平均値を大きく下回るものの医業収益の改善により徐々に改善している。平成29年度の病床利用率は平均値以上で推移しており入院患者一人一日当たり収益は前年度に続き上昇し平均値を超える水準となっている。外来患者収益も平均水準を超えており、今後も本年度と同様の水準を目指していくこととしている。医業収益が向上したことにより平成29年度の職員給与比率は平均値を下回っている。材料費比率は平均値より低い水準にあるが、患者数の増に伴い増加が見込まれることから、積極的に材料の見直しを図っていくこととする。今後は入院患者数の維持に努めながら収益の確保に努めるとともに、効果的効率的な費用の在り方を検討し収支比率の向上に努めていくこととする。
老朽化の状況について
平成27年12月に南三陸病院として再建、開院した。ほとんどの医療機器が、平成23年以降に寄付や補助金等により調達されたものであることから、今後計画的な保守や更新に努めていくこととしている。同様に、建物に関しても計画的な保守管理に努めていく。
全体総括
平成27年12月再建・開院したことにより住民に対して安定した医療の提供と持続的運営を図るため、収支改善に努めるとともに医療の根幹である医師や高齢化している医療従事者の確保に努めていく。医療機器及び各種固定資産等については経営状況等を勘案しながら計画的更新を図っていく。また、地域ニーズと周辺地域の医療環境を勘案しながら診療内容や経営形態及び病院事業の在り方等について関係機関と協議・検討していくこととする。