経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は101.1%であり100%を超えているが、一般会計繰入金によるところが大きい。今後も新規接続による使用料収入の増加と経費削減を図り、改善に努める。②累積欠損金比率については、法適用に伴い減価償却費等が認識された結果、151.2%と高い水準となった。類似団体平均と比較しても高い水準である。経費削減等により改善に努めていく。③流動比率は、6.85%であり類似団体平均と比較しても著しく低い水準である。当面は一般会計繰入金により、資金不足に陥らないようにする必要がある。④企業債残高対事業規模比率は1803.1%である。当市は軟弱な地盤が多く工事費が割高となるため、類似団体平均より高い数値を示している。今後、計画的な事業経営に努めていく。⑤経費回収率は正しくは60.6%である。類似団体と比較して低い水準である。平成30年に使用料の改定をしているが、今後は現状の経費削減より一層改善に努める必要がある。⑥汚水処理原価は正しくは276円であり、類似団体平均と比較して高い。今後も経費節減と有収水量の確保に努め、効率的な運営を図っていく。⑧水洗化率は85.45%であり、類似団体平均には及ばない。今後も積極的に普及促進策を進め、環境衛生の向上を図っていく。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は3%と、類似団体との比較においても低くなっているが、令和2年度から法適用したため、法適用前の減価償却累計額を記載していないためである。③管渠改善率は0.2%であり、類似団体と比較して高い水準である。平成28年度に角田市下水道ストックマネジメント計画を策定し、当該計画に基づき平成29年度から令和3年度までの5か年の予定で管渠の更新及びマンホール蓋の取替を実施している。今後、随時ストックマネジメント計画を更新し、健全な施設の維持を図ることとしている。
全体総括
当市の公共下水道事業は令和2年4月1日に公営企業会計へ移行したが、各指標とも類似団体平均値には及ばず、その経営は健全とは言い難い状況である。使用料の改定を平成30年度に実施しているが、今後も適正な料金設定により収入を確保するとともに費用を抑制し、公共下水道事業の安定経営を目指していく。